食道外科の若き権威とうたわれ、次期教授の座を狙う浪速大学医学部助教授・財前五郎（田宮二郎）と、そんな財前に嫉妬と反感を抱いて出世の邪魔をしようとする東教授。複雑な人間関係をよそに医学への純粋な情熱を燃やす里美助教授など、医学部内の人間模様を描く。原作：山崎豊子。（１９７８年６月３日～１９７９年１月６日放送、全３１回）

広島管絃祭と呼ばれる住吉神社の夏祭は、旧暦大潮の６月１４、１５日に行われる。「住吉さん」は、「とうかさん」「えべっさん」と並ぶ広島市の三大祭りであり、広島を代表する夏祭りである。◆その目玉となる行事は、初日に漕伝馬（こぎでんま）に引かれ川に漕ぎ出す御座船の巡幸。御神体を遷した御座船は元安川の明治橋傍を出発し、約１キロ上流の空鞘神社まで漕ぎ上がる。そして水上で「お里帰り」神事の後、Ｕターンして本川を下り、住吉神社へ還御される。空鞘神社前まで逆上るのは、昔住吉神社が空鞘神社の摂社であった関係からきている。この御座船を引くことを「漕伝馬」と言い、元気な氏子若衆の漕ぎ手１４人、それに水先案内、音頭取り、太鼓打ち、笛吹き、采振りなどが乗り込む。采振りは１６歳の男子が勤め、舳大樽上に立ち、五色の御幣を振って調子を取る。１４丁の櫂で漕ぐ漕伝馬は舟足が早く、浅野藩のお墨付きで海上取締りを受け持ったと言われ、高く揚げた御用提灯が藩お抱えの水主衆の伝統と心意気を物語る。

新春の３日間、人間国宝の演奏を紹介するシリーズ。第３日は、義太夫「寿式三番叟」と義太夫「壺坂霊験記」。◆「寿式三番叟」は祭儀的な演目で、翁・三番叟・千歳の３老人の祝福舞の総称である。◆「壺坂霊験記」は大和国壺坂寺の片隅に住む沢市、お里夫婦の物語である。沢市は疱瘡で目が不自由になってしまい、お里とともに壺坂寺へお参りするが、お里の隙をみて裏山の谷に身を投げる。それを知ったお里も絶望して後を追う。そこへ壺坂の観世音が現れ、死んだ二人の命を救い、お里の夫を想う心をめでて、沢市の両目が開いた…。

子供にめぐまれない素朴な中年夫婦の奇妙な想像妊娠事件を軸に、妻の心のゆれ動きと夫婦のやさしさを描く。離島にあこがれる灯台職員の峰雄とその妻民子に、結婚して１０年目の妊娠という朗報が訪れた。だが、診察の結果は想像妊娠…。夫の喜びを前に、民子はやがて大きな秘密を抱くことになる。

殺人罪に問われた少年をめぐる裁判。弁護士、検事、裁判官のやりとりから驚くべき事実が判明する。人情味あふれる弁護士が人気を得て、シリーズ化された。原作：大岡昇平（全４回）◆１つの殺人事件が発生した。スナックのママ、坂井ハツ子（いしだあゆみ）が殺され、妹ヨシ子（大竹しのぶ）の夫、上田宏（丹波義隆）が逮捕された。宏は自白するが、花本（草野大悟）は教え子の宏を信じ、知人の菊地弁護士（若山富三郎）に弁護を依頼する。まだ若い宏は、ヨシ子との結婚に反対されることをおそれ、父やヨシ子の母にも黙って結婚していた。菊地は拘置所で宏に面会し、いきさつを問うが、ハツ子のことを聞かれると答えはあいまいになる。

アフリカゾウの生息数が牙目当ての密猟のため激減している。アフリカ・ツアボ国立公園での密猟の実態を探り、アフリカゾウやサイを絶滅から救うため日夜努力を続けている動物保護官の姿を追う。（１９７８年１月１２日終了、全２回）◆アフリカ・ケニアの一角にあるツアボ国立公園は面積２万８百平方キロ、四国と同じくらいの広さがある。園長をはじめ、レインジャーたちは毎日この公園をパトロールする。ライオンにさえ狙えないというゾウが傷つき死んでいく、その傷口からは密猟者の毒矢が出てくる。

日本の伝統芸術の枠組みや手法をさらに洗練し、伝えている女性芸術家たちの人間模様を紹介するドキュメンタリー。（１９７８年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第２回は、水墨作家・篠田桃紅さんにスポットを当てる。

幕末の長州藩を舞台に、討幕に指導的役割を果たした大村益次郎（中村梅之助）、吉田松陰（篠田三郎）、高杉晋作（中村雅俊）らの活躍を描く。ＮＨＫ大河ドラマ第１５作の総集編。全５回。原作：司馬遼太郎。◆第４回「徳川を討て」。