自然環境の悪化とともに、国内での消息数が約３００羽にまで激減し、絶滅危惧種に指定されているイヌワシ。各地の動きを追い、人間の営みと野生生物、自然環境の関わりを考える。◆国内最大のイヌワシの生息地である福島と新潟の県境「奥只見」では、現在、発電所の増設計画とダムの新設計画が進められている。自然保護団体の人々は、再三工事の中止を求めてきたが、調査名目の工事は続き、現場に近い奥只見ペアは２年連続して繁殖に失敗してきた。そんな中、冬の訪れとともに、奥只見ペアは繁殖活動を始めた。そしてヒナはかえったが、親が巣を離れた隙にカラスに襲われ、繁殖は３年連続の失敗となった。ヒナが襲われ死んでいく姿は、人間の開発行為によって追いつめられるイヌワシの現状とも重なって見える。

利根川の水運の中継ぎ地として栄えた千葉県佐原市で、江戸時代からののれんを守る商家がある。九代目当主、加瀬順一郎さんの年中行事を記録する。町の南北を流れる小野川の川岸には、昔、佐原商人が軒を並べていた。今もここで商いを続ける加瀬さんの毎日は、三つの氏神に水を供えることから始まる。先祖からの商いのルールを守り、節目の行事は従業員と一緒に行い、古い家屋の修理も欠かさない。◆商家の年中行事（佐原市）

全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆大阪の東、生駒山麓にある石切神社、正しくは石切剣箭（いしきりつるぎや）神社は腫れ物を治す神様として信仰を集めている。その参道、近鉄石切駅前から約８００メートルの通りに、お参りの年配客をターゲットにした１１０の店が軒をつらねている。衣装、おもちゃ、食べ物からお地蔵さんのよだれかけや縁起もののカエルの置物を売る店まで、おばちゃん好みの何でもありの商店街。ふれあいを大切にする笑顔の町を案内する。

さまざまな分野で活躍する第一級の人々が、その人ならではの視点で「いのち」をテーマに語る。◆今回は、写真家の今森光彦さん。

戦後歌謡界の第一線で活躍してきた吉田正氏が作曲家生活５０年を迎えるのを機に、エピソードを交えつつ、その魅力を紹介する。司会は宮本隆治アナウンサー。◆曲は「有楽町で逢いましょう」前川清、「街のサンドイッチマン」「哀愁の街に霧が降る」山川豊、「誰よりも君を愛す」長山洋子、「恋をするなら」「潮来笠」「面影渡り鳥」橋幸夫、「弁天小僧」坂本冬美、「東京ナイトクラブ」由紀さおり・前川清、「明日は咲こう花咲こう」「美しい十代」三田明、「寒い朝」吉永小百合・和田弘とマヒナスターズ、「泣かないで」和田弘とマヒナスターズ、「和歌山ブルース」古都清乃、「落葉しぐれ」三浦洸一、「異国の丘」三浦洸一・前川清、「赤と黒のブルース」里見浩太朗、「おまえに」「雪の慕情」佐々木功、「再会」由紀さおり、「いつでも夢を」全員。

黒四ダムの奥、丹沢、八ヶ岳、尾瀬、白馬岳、白樺高原、黒部峡谷の山小屋で働く人々の様子や涼を求めて訪ねる人々との交流をつづる。

阿寒の山麓からオホーツクへと流れる網走川の四季を通して、そこに暮らす人々の生活と水を浄化する取り組みを紹介する。網走在住の作家、菊地慶一氏が案内役となり川への思いを語る。◆網走湖のしじみやわかさぎを生活の糧とする漁師の親子、ほたるの復活を目指す津別町の男たち、水の浄化に取り組む酪農家などを紹介。美しい川を再生する試金石として網走川を見つめる。

女踊は沖縄舞踊の中でも一番上にランクされる。激しい恋の歌を舞う「伊野波節」を、衣装や小道具も含めて見る。宮廷の女踊は扮装が実に優美で、あざやかな色彩が目をたのしませてくれる。「伊野波節」は、待っても来ぬ男に焦がれた女が、堪え忍んでもなお燃え立つ恋の情念を、大胆率直に歌いあげる。女心の切なさを、宮廷の女としてつつしみ深く舞うことを要求される、芸術性の高い作品である。◆「伊野波節」・佐藤太圭子。◆副音声は英語