舞台芸術を経て、１９８６年「鉄のゲージツ家」宣言をした篠原勝之。ガラスに魅せられ、４年前からオブジェ製作をはじめたクマさんこと篠原さんの素顔を紹介し、巨大作品制作に密着取材する。◆千葉県市原市から依頼を受けて重さ１トンにも及ぶ巨大作品を制作することとなり、クマさんは４００年の歴史をもつ石の町・香川県牟礼町の石工技術を学びながら、ガラスの彫刻を始めた。石工さんたちの世界に飛び込んだクマさんの新しいチャレンジである。

イヌイットの生活と自然を紹介し、自然と人間の共生・地球の環境保全を考える。◆世界でもっとも“きれい”と言われるカナダ極北部のネツリング湖。この湖の周辺や流れ込む川の流域には全く人間活動がない。その湖には、世界数箇所でしか生息しない淡水に適応した幻のアザラシが住む。北極の先住民イヌイットの伝説にも登場するこのアザラシは地球環境のバロメータとして注目されている。地球の温帯に集中する工業地帯から出される化学物質、環境ホルモンは大気を通じて地球の極地に運ばれる。このため、汚染源が周囲にない極北の野生動物は今までにない環境汚染にさらされている。それは野生動物を食糧としている人間＝イヌイットにも深刻な問題だ。極北の素晴らしい自然と目に見えない汚染。幻のアザラシと日本の研究チームはその実態を明らかにする。

開局３５年を機会に、「うつくしま、ふくしま」県民運動に呼応して選定委員会を組織、自然との共生、自然にやさしい心を再認識するための第一弾として「うつくしま百名山」を選定した。（１９９９年５月１０日～２０００年７月２４日）◆福島側では荒海山と呼び、栃木側では太郎岳と呼ぶため、両方の名を取って荒海太郎山と呼ぶこともある。登山道は一本のみで、森に囲まれた深い山である。意外に歩く時間が長いから心して準備したい。

海水温の上昇で変化しつつある天草の海を追ったドキュメンタリー。◆熊本県天草の海では、テーブルサンゴなどの造礁サンゴが急激に増えている。海水の最低水温が１０年に１度の割合で上昇しているためだ。数十年後には、浅瀬にある岩盤のほとんどがサンゴで覆われるという。サンゴと共に、クマノミやチョウチョウウオなど南方系の魚が一年を通して生息するようになった。逆に海水温上昇で海藻が減少したことで、北方系の魚やウニが少なくなってきている。このまま海水温の上昇が続けば、漁業が大きく変わり、人々の暮らしも変わってくる可能性がある。

鎌倉の隠れた魅力を地元局の視点で紹介する。◆静寂な森に囲まれた禅寺、浄智寺を歩く。鎌倉五山第４位、曇華殿には本尊の三世仏座像が安置されている。

長崎は、江戸の鎖国時代、唯一開港していた街だ。相手はオランダと中国。だから外国人はオランダさんと呼ばれ、中国文化も華やかだ。◆諏訪神社では、毎年９月９日に祭礼が行われた。「くんち」の由来である。日本三大祭りの一つとなったが、現在は１０月７日から３日間である。◆７つの踊り町が決められ、稽古に１年をかける。有名なのは龍（じゃ）踊り。喝采する人々は「もってこい」の声をかける。「もう一度」の意味だ。空中に放り上げる鯱太鼓、豪放なくんちの祭りである。◆長崎くんちの奉納踊【重要無形民俗文化財】、大浦天主堂【国宝】、旧グラバー邸【重文】

さまざまなジャンルで活躍するゲストを迎え、その人の面白いところや知られざる一面などを引き出すトーク番組。突発ライブ、サプライズゲスト、「カバンの中身見せてください」、番組ラストに朗読される「１６小説のラブソング」などのコーナーも。（１９９４年７月３日～２００５年３月２７日放送）◆記念すべき３００回記念のゲストは、司会・古舘伊知郎と“トークの魔術師”の座を競うライバル・明石家さんま。恋愛観や微妙な家族問題などに鋭いツッコミとかけひき、双方一歩も譲らぬトークバトルを展開する。

ルソン島北部の都市、ヴィガンは、第二次大戦の戦災を免れ、３００年に及んだスペイン植民地時代の町並みを残す唯一の街である。◆１６世紀、スペインはフィリピンを植民地とし、アジアへの勢力拡大の根拠地とした。マニラに次ぐ第二の港町ヴィガンは、中国大陸とも近く、西洋風の都市が精力的につくられた。◆先住民の高床式住居にヒントを得た、バハイナバトと呼ばれる二階建て住居が特徴で、その多くにスペイン人と中国系混血層の人々が住み、特色ある社会を形作っている。◆ヴィガン歴史地区