公害病として認定されるまでの水俣病の１５年を、証言を重ねて構成するドキュメント。◆１９６８年（昭和４３）当時の園田直厚生大臣が水俣病を公害病として認定し、初めて水俣を見舞った。それまで水俣病は「猫狂い」と呼ばれ、奇病と恐れられて大きな社会問題を引き起こしていた。公害病と認定されたとき、認定総数は１１１人であった。

こそ泥のどろろと、４８匹の魔物を倒すことではじめて「人間」として完成するという呪われた運命のもとに生まれた男・百鬼丸との妖怪退治の旅を描いた異色時代劇アニメ。１４話からタイトルが「どろろと百鬼丸」に変更された。（９月２８日終了、全２６回）◆戦国の地侍・醍醐景光は、天下取りの野望のために４８体の魔神に生まれ来るわが子の身体を捧げた。身体の４８か所が欠けて生まれてきた子どもは川に流されてしまう。時が流れ、百鬼丸と名乗る少年が現れた。身体の欠損を造り物で補い、両腕に仕込まれた鋭い剣で敵を倒す彼こそは、あのときの子どもであった。

実力派のベテラン歌手が出演する音楽番組。オールド歌揺ファンだけでなく、若者や女性からも支持され“なつメロ”ブームを呼ぶ。司会はコロムビア・トップ、ライト。◆この回は大晦日の放送、１９６９年の総集編となる特別番組。藤山一郎、東海林太郎、小唄勝太郎、淡谷のり子をはじめとする、総勢３５人の歌手が出演する。東京・歌舞伎座より生中継。

魔法の鏡に呪文を唱えるだけで何にでも変身できるアッコちゃんが、事件が起こるとみんなを助けて大活躍する少女向けアニメーション。（１９６９年１月６日〜１９７０年１０月２６日放送）◆明るくやさしいアッコちゃんは誰からも好かれ、気のいいモコちゃんとは大の仲よし。ある日、大切にしていた鏡を割ってしまいしょんぼりしていると、鏡の精が現れて「今まで大事にしてもらったお礼に」とコンパクトをくれた。それはなんと魔法の鏡だった。

世界各地を訪ね、衣食住、産業、文化など毎回ひとつのテーマを取り上げ、社会的風土や風俗を織り込みながら“本物”に迫る、海外取材ドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。（１９６９年１０月５日～１９７０年３月２９日放送、全２６回）◆今回の取材地は北欧の国、デンマーク。童話作家アンデルセンの故郷としても名高く、九州ほどの国土におよそ４９０万人の国民が暮らしている（取材当時）。社会保障が充実している福祉国家であるほか、首都のコペンハーゲンは“清潔な街”として知られ、世界的に有名なブロックおもちゃ発祥の地でもある。日本のパン屋さんに並んでいる「デニッシュ」とは、デンマーク風のパンという意味である。

都市化が急速に進行している今日、失われている「ふるさと」に視点を向け、その社会の長い歴史とともに培われてきた「一族」を通じて、民衆のエネルギーや根強い生活への息吹を掘り起こすドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。◆京都などの名高い漆器産地との差別化を余儀なくされてきた輪島塗。全国初の国の重要無形文化財の指定を受け、生産高日本一を誇るまでに成長を遂げた。輪島塗は徒弟制度により受け継がれ、年季が明けた後は、実の親子同様に親方とのつながりを強化してきた。職人は手工業で、腕がものをいう。その名人は自身の腕を誇りとし、モノづくりには人一倍こだわる「いちがいもん」の気質が強い。丈夫で強いことが輪島塗の特色。番組ではその技術や歴史にふれる一方、近代的な経営を導入しようとする会社の社長にスポットを当てる。

大衆が最も興味を持つテーマを時間をかけて取材するドキュメンタリー。新聞の三面記事的なものから政治・社会問題まで、時々の話題をあつかう。フィルム構成だが、テーマによっては生中継やスタジオから放送するスタイルをとる。◆この回は「新宿広場に来てみれば…」。１９６９年５月３１日、土曜日。新宿駅西口地下広場には若者たちが集まって来る。

いま、サイゴンはテト（正月）前後の奇妙にはなやかな活力がみなぎっている。盛装をしてお寺参りをする女たち、花市を行く娘たちの笑顔…。表面的には戦争の影はない。が、一見はなやかで平和な人生のかげに、歴史の大きな流れの中にいるサイゴン民衆の人生の重さがひそんでいる。番組はサイゴンの何人かの人生記録をオムニバス風にまとめ、それらを歴史的な記録フィルムによって裏うちしていく。