１９４５年７月２７日。青森市は米軍の空襲を受け、市の中心部は大きな被害を受けた。ふるさとで起きた過去の歴史を風化させないために、何がどのように起きたか、それによって悲惨な戦争体験をした市民の証言をまとめた。戦後５０年を越え、青森空襲すら知らない世代も増えていることから、子供たちに伝えるという形式をとり、戦争の悲惨さを地元の歴史として伝える。

日本現代音楽の旗手・武満徹氏が１９９６年に死去した。２０世紀を代表する作曲家として挙げられる武満氏の世界を、オーケストラ・アンサンブル金沢が表現する。（１９９７年１１月１３日、東京・浜離宮朝日ホールで収録）◆アンサンブル金沢の音楽監督・岩城宏之氏は若いころから武満氏と親交が深く、このためアンサンブル金沢は日本のオーケストラの中では最も武満作品を演奏している。番組では、岩城氏と武満氏とのエピソードも盛り込む。

ビタミンＣの摂取が脳卒中死亡を抑制することが判明。健康のための摂取法を解説する。

京都には古来のさまざまな文化が今に残っているが、庭にスポットをあてる。平安京のころ、貴族の館の庭は、極楽浄土を現世にあらわしたものだった。ところが、１３世紀から１４世紀にかけて夢窓疎石という禅僧が活躍し、一体化して自分をみつめる場、という修行の庭をつくった。◆銀閣寺、金閣寺をはじめ、臨川寺、西芳寺、天龍寺など、夢窓ゆかりの寺々を訪れ、変遷の過程を見ながら、石と白砂だけで理想を形にする、究極の枯山水といわれる龍安寺の石庭に至る。

「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆およそ１３００年前に僧・行基が発見したと伝えられるいで湯の里・長野県野沢温泉村。この里を愛し、晩年を過ごした国文学者がいた。「朧月夜」や「故郷」の作詞者・高野辰之である。また、辰之は作詞者として活躍する一方で、日本の伝統音楽や国文学の研究、そして童話の創作にも力を注いだ。野沢温泉村の南にある、豊田村は辰之の生まれ故郷。少年時代、辰之は、隣村の高等小学校まで、毎日７キロの道程を歩いて通った。小川を渡り、菜の花畑を抜けて歩く道。そののどかな風景は、少年の心に深く刻み込まれた。

ケニヤとタンザニアの国境付近、赤道直下に、標高５８９５メートル、万年雪を頂いたキリマンジャロ国立公園がある。◆麓には、北にマサイ、南にチャガが住み、ポーターなどはここで雇う。２８００メートルまでの樹林地帯を抜けると、４０００メートルあたりまで暑い日差しと乾燥に強い植物ばかりだ。◆４７００メートルを過ぎると砂漠地帯となる。最後の難関は５０００メートルを越えた急斜面。出発して４日目にそこを踏破すると、眼下には雲海が広がり、朝日が昇った。◆キリマンジャロ国立公園

教育現場の荒廃が叫ばれる現代、本当に理想的な学校とは何かを問う。原作：北星学園余市高等学校編「学校の挑戦」。◆北海道の北新学園余市高等学校。中退者や不登校児など、問題を抱えた生徒を受け入れている高校だ。ある日、新米教師の明日美（桜井幸子）が受け持つクラスに、転校生の尚基（小橋賢児）がやってきた。中学までは優等生だったものの、進学校で落ちこぼれた尚基。彼は投げやりな態度で、明日美を悩ませる。やがてそんな尚基の態度にキレた級友が手ひどい暴行を加えるという事件が起こる。

ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆熊本は石橋の宝庫と言われる。特に九州山地に源を発し有明海に注ぐ緑川水系には、多くの石橋が存在し、今なお人々の暮らしの中に生きている。これらの石橋の大部分は「肥後の石工」と呼ばれた石工集団によって作られたものだ。「通潤橋」や「霊台橋」はもちろんのこと、遠く鹿児島市の甲突川に架かる「甲突五橋」も、彼らの手によるものだった。この石工集団の成り立ちから、その技術と作品を通して、石橋のある風景を人々の暮らしの中に描く。