インチキの利殖を持ちかける営業マンと、一人暮らしの老婆との奇妙なふれ合いを描く。（１９８７年１０月３日終了、全５回）◆トメ（北林谷栄）は下町で一人暮らし。近ごろ、怪しげな営業マン・国見（国広富之）が訪ねてくるが相手にしない。ところが、一方的に立ち退き期限を言いわたしてトメの家へ押しかけてきたたちの悪い地上げ屋３人を国見が叩き出してくれたことから、トメはすっかり国見を信用してしまう。

新聞記者のカップルが上司の死の謎を追ううちに、日本最大のスパイ事件と言われる“ゾルゲ事件”につきあたる。第５回サントリーミステリー大賞と読者賞を受賞した「土壇場でハリー・ライム」のドラマ化。いしだあゆみがリポーター役。◆１９６７年（昭和４２）、新聞社の部長・月田が会社ビルの屋上から転落死した。警察は自殺の線をとるが、部下の真木（岩城滉一）にはそうは思えない。同僚の明日香（坂口良子）とともに月田の身辺を調べると、最近なぜかゾルゲ事件関係の本を読みあさっていたことが判明する。死の１０日前にあった偽ゾルゲ事件となにか関わりがあるのだろうか。

三井三池争議をたどり、幾多の大惨事や鉱害と闘ってきた炭鉱労働者たちの苦闘の歴史を描く。国の石炭政策に翻弄された炭鉱の男たちの声が伝わってくる。１９２８年（昭３４）１２月、三井鉱山は組合に指名解雇の通告をした。これが激しい三池闘争の始まりであった。以後のヤマの歴史は合理化とその背中合わせにある爆発事故、鉱害そして失業の嵐である。産業の衰退は人々の荒廃、地域の崩壊へとつながっていく。

子育ても一段落し夫の定年も近づいた主婦が、結婚以来続けてきた目先のことだけの暮らしを虚しく思い、一人旅に出る。あてのない旅を続けるうち、さまざまな出会いの中で自分や家族、家庭を見つめ直す。◆奈美子の毎日は夫・登志夫、学生の息子たちとともに平凡に流れていた。ある日、彼女は養老保険を解約して４ＷＤのロングバンを買い、一人旅に出る。今こそ自分のために金を使おうと思い立ったのだ。一方、妻であり母である奈美子が突然いなくなった理由が分からず、家では大騒動が起きていた。◆第６回読売テレビゴールデンシナリオ賞最優秀賞受賞作品

全国各地の温泉を巡る情報バラエティー番組。シリーズ第７弾、’８７秋編では、標高２１００メートルと日本一高いところにある北アルプスの白馬鑓温泉をおぼん・こぼんが、また豪華編では熱海のしにせ温泉旅館を中島ゆたかが、周辺の情報も含めてレポートする。司会は愛川欽也と水沢アキ。◆番組で紹介するのは、糠平温泉・沼ノ原温泉（北海道）、黄金崎不老不死温泉（青森）、大湯温泉・泥湯温泉（秋田）、湯ノ倉温泉（宮城）、姥湯温泉（山形）、瀬波温泉・角神温泉（新潟）、猿ヶ京温泉・水上温泉（群馬）、箱根堂ヶ島温泉（神奈川）、熱海温泉（静岡）、白馬鑓温泉・下諏訪温泉（長野）、玉造温泉（島根）、長門湯本温泉・俵山温泉（山口）、由布院温泉（大分）、菊池温泉（熊本）。

大都会で少々遅い青春を懸命に生きていこうとしている男女の恋愛模様を描く。前年に放送された「男女７人夏物語」の続編。（１９８７年１０月９日〜１２月１８日放送、全１１回）◆第一回「再会」。今井良介（明石家さんま）、大沢貞九郎（片岡鶴太郎）、高木俊行（山下真司）は学生時代からの友だち。良介は渡米した恋人・神崎桃子（大竹しのぶ）と半年も音信不通だ。良介たち３人は新しい出会いを求めて、沖中美樹（岩崎宏美）、島村一枝（手塚理美）、小泉ひかる（岡安由美子）とナイター試合中の川崎球場で待ち合わせる。そんなある秋の夜、通勤フェリーの船上で予想外の再会が良介を待っていた。

「もはや戦後ではない」と言われた昭和３０年ごろからの約３０年間の東京に生きてきた３人が、それぞれの記憶と現実をもとに「東京論」を展開するシリーズ。（１９８７年９月２３日終了、全３回）◆第１回は、中野生まれの作家・黒井千次氏。東中野、高円寺、吉祥寺、国分寺など、旧国電中央線に沿って転居をくりかえし、各駅ごとの土地に思い出を持つ黒井氏が、その思いを６編のエッセイに書き下ろす。

中国残留孤児受け入れの現状と、永住帰国を果たした孤児たちが抱えるさまざまな問題を伝える。（全２回）◆第１回「大いなる壁」。彼らが直面している就職や住宅などの障害をレポートする。埼玉県所沢市にある定住促進センターで、帰国してきた二つの家族を追う。中国の家も仕事もすべて捨てて、豊かな新天地であるはずの祖国へやってきた彼らに、見えない壁が立ちはだかる。