新潟県の養護盲老人ホームに３人の瞽女（ごぜ）が余生を過ごしている。その中のひとり、小林ハルさん（８０歳）の東京公演に魅せられた竹下玲子さん（３２歳）が、押しかけ入門してから３年経った。後継者がなく消えようとしていた小林さんの芸を、記録保存でなく、生身で受け継ごうと新潟通いを続けている竹下さん。芸の口伝口承のありさまと師弟の交流を描きながら、瞽女唄を紹介する。

初老の男が自分の出生に疑問を抱き、そのルーツをたどっていくドキュメンタリータッチの異色作。作家・山口瞳氏の自伝的・母への賛歌。小林桂樹が主人公ほか４役を演じる。（全５回）◆第４回。“ワギダ”が横須賀あたりの地名と知った瞳（小林桂樹）が横須賀を訪れる。ワギダは和木田といい、以前遊廓のあったところだとわかる。母は藤松楼という大きな妓楼の一人娘で、そこで生れ、育ち、娘時代を過したのだった。瞳はようやく母を探りあてた気持ちになる。

栄子（中尾幸世）はピアノ調律師。幼いころ、７歳の兄と雪の夜に学校にしのびこんで弾いたピアノの音が今も忘れられない。その時学校に火災がおこり、兄は火の中に消えた。それから１６年、栄子は東京の小さなピアノ工場で働き、調律師になってさまざまな人に出会う。幼いころの思い出に託して、現代社会から失われつつある人間性への追憶をうたいあげる映像詩。

国際戦略のカギを握る石油探鉱のための、地下掘削技術の歴史や人類の地底との闘いを、中国の大慶油田、シベリアのサモトロール油田、新潟の長岡井戸開発の記録を中心に紹介。地下の石油を取り出す技術は、宇宙開発技術以上に難しいといわれ、米ソのさまざまな交渉の場では石油掘削技術は常に取り引きの材料となる。豊富なフィルム、資料を通じて石油技術の全貌を克明に描き、その重要性を視聴者に訴えた。

冬は深い雪におおわれる北海道・函館本線の小さな駅「塩谷」。そこで働く若い駅員・荒谷保（根津甚八）とその恋人・伸子（伊藤蘭）。そして、その駅に降り立った荒谷のかつてのあこがれの先生・玲子（南田洋子）。３人の心の中に訪れる春を通して、平凡に暮らしている青年の淡い青春からの脱皮を詩情豊かに描いていく。

１９６４年（昭和３９）８月、東京に住む夫妻の間に男児の三つ子が生まれた。３人は、２歳年上の兄とともに力強く育つ。おむつの洗濯が１日に６０枚、夫妻の子育ては一日一日がまるで戦争のようだ。子供たちをのびのび育てたいと願う父親は、１９７０年（昭和４５）に勤めていた会社を辞め、故郷の九十九里で畳屋となった。そして１５年、個性を育みながら成長した３人は、今それぞれの道を歩み始める。

教育テレビ開局２０年を記念した大型企画として乗りものの技術史を取りあげた１０回シリーズ番組。第１回は「だれがＳＬをつくったか〜蒸気機関車・前編」。教科書に書かれたＳＬの発明者スチーブンソン以前に、イギリスのトレビシックは最初の蒸気機関車を作っていた。イギリス各地を訪ねて克明に記録をたどりながら、蒸気機関車の発明から鉄道開設までの歴史にまつわるエピソードを取りあげ、技術の誕生を興味深く描く。

人生最初の３年間が人間の一生で最も重要な時期だといわれるが、０歳から３歳までの赤ちゃんに、親はどのような教育をしたらよいのか。アメリカの両親教育センター所長のバートン・Ｌ・ホワイト氏の主張と実績を紹介する。