画伯・杉本健吉の７０年に及ぶ画業を辿りながら、美に対する考え方、人柄、創作に対する向き合い方を描く。◆杉本健吉は、１９０５年（明治３８）９月２０日、浄瑠璃三味線の師匠であった杉本銀次郎と小春の次男として名古屋市矢場町（現、栄三丁目）に生まれた。１９２５年（大正１４）、京都で岸田劉生の門下生となり、後に梅原龍三郎に私叔して洋画の世界に入った。１９５０年（昭和２５）、作家・吉川英治と出会って「週刊朝日」連載の「新・平家物語」の挿絵を手がけて全国的に名を知られ、後に「私本太平記」「新・水滸伝」の挿絵も担当して人気を集めた。東大寺をはじめとする奈良の社寺、風物、仏像などをモチーフにした作品でも高い評価を受けている。番組は、吉川英治との出会いや博物館明治村で開催された明治開化茶会で使用された金屏風の制作風景、和宗総本山四天王寺（大阪市）に描かれた障壁画「聖徳太子御絵伝」の画稿開眼式、インド・ネパールへのスケッチ旅行などを紹介し、杉本画伯自身が創作について語る。

スペインからきた可憐な少女が天使のような純粋さで、彼女にかかわった人々の心に変化をもたらす姿を、札幌雪まつりを背景に描く。◆タクシー運転手・佐野譲二（岩城滉一）は、乗せたスペインの少女・フェリシアが忘れていった高価な骨董品のロウ管レコードを拾った。スペインの古い民謡が録音されている貴重なものだ。すぐ返せばいいものを、魔がさした佐野はこのレコードで取り引きをして金を手にいれようとする。

詩人の大岡信さんが京都・冷泉家を訪れて藤原定家筆「古今和歌集」を間近に見、定家の歌に対する情熱を考察する。◆京都・冷泉家は、現存する唯一の公家屋敷。歌聖・藤原定家を先祖に持つ家柄で、今でも毎月歌会が開かれている。定家は大歌人であった藤原俊成の子として生まれた。すでに公家の世は終わり、武人たちが台頭してくる時代。定家は歌の道を極めることで公家の誇りを守ろうと決意し、古典の中によりどころを求めた。「古今和歌集」はその古典書写のひとつ。◆「定家は、仏道修行者と同じような気持ちで、最晩年まで古典書写に情熱を傾けていたと思う」。大岡さんが最初に感銘を受けた日本の詩人について語る。

娘を事故で失い、結婚生活にも破れた女性が、新しい恋人との出張先で偶然、別れた夫と出会う。立ち直ったお互いの姿を目にしてもういちど近づく二人の気持ち、揺れる心を描く。原作：夏樹静子。◆デザイン事務所に勤める朋子は、所長で恋人の修一郎と奈良に出張、ホテルで偶然別れた夫の健太に出会う。気詰まりな空気の中で、健太はふたりに奈良を案内しようと言い出す。

日本経済新聞紙上で１９５７年（昭和３２）３月に始まった「私の履歴書」のテレビ版。一時代を築いた人物が出演、自らについて語る。（１９８７年４月８日？１９８８年９月２８日、全７８回。出演者の肩書・年齢は放送当時のもの）◆第４８回は宇宙開発事業団顧問・島秀雄さん（８６歳）。

お笑いタレント・明石家さんまが先生役となり、子どもたちとの会話、遊び、ゲームなどを通じて、子どもらしい素直かつ意外な行動や答えを引き出していくバラエティ番組。（１９８８年１１月２１日～２００３年１０月１９日放送）◆第１回は「あっぱれ相談室」「あっぱれ隊が行く」「あっぱれホームルーム」の３コーナーで構成する。

瀬戸大橋の建設で、瀬戸内海をとりまく地域の状況は激しく動き始めた。検証・瀬戸大橋時代をメインテーマに、瀬戸内エリアの観光・経済などの新しい動きをタイムリーに伝える。（１９８８年５月７日～１９８９年９月３０日、全６９回）

１９８８年秋に初来日したゴッホの絵「タンギー親爺の肖像」の背景に描かれた浮世絵の謎を通し、ゴッホの日本への思いを探る。◆「タンギー親爺の肖像」は、ゴッホが愛した画材店の主人タンギーを華やかな色彩で描いた傑作である。この絵の背景には、富士・桜・朝顔などを題材にした浮世絵らしきものが６枚、描かれている。ここに浮世絵が描かれた秘密は、１００年前ヨーロッパに巻き起こった日本ブーム「ジャポニスム」にあった。ヨーロッパ各地に現存する浮世絵を訪ね、この６枚の原典を解きあかす。