カナダの最東端、ニューファンドランド島のランス・オー・メドー。スカンジナビア半島からバイキングの一部がたどりついたのは１１世紀。当時の住居跡から鉄器が発見された。近くには鉄を含んだ沼鉄鉱も見つかる。その後、バイキングは先住民との戦いに敗れ、姿を消した。◆グロス・モーンは地球の歴史を物語る。テーブルランドは、マントルにあった岩石が突き上げられて固まったものだ。グリーンポイントでは、アメリカ大陸とユーラシア大陸が分断される地殻変動が見られる。◆グロス・モーン国立公園、ランス・オー・メドー国立歴史公園

ビルの屋上から転落して死んだ女は妊娠していた。定年間近のベテラン刑事が、まさに世に羽ばたこうとする若手指揮者を追う。壮麗なオペラの世界を背景にしたサスペンスドラマ。（２月４日終了、全５回）◆定年を間近に控えた刑事・青野由吉は、加瀬冬美子の転落死は殺人ではないかと疑い、彼女の身辺を調べはじめる。彼女は勤め先の工場の合唱クラブに所属し、指導者の竜頭亮と交際していた。亮はオペラの副指揮者で、唯一の家族は彼が正指揮者になるのを夢見る姉の和代だけ。青野は彼が犯人ではないかとにらむが、彼には当日のアリバイがあった。

おもちゃ箱ではないのか？、と目を疑うトゥルッリ（石造家屋）が立ち並ぶ町、アルベロベッロ。人口１万人で、イタリア半島の長靴の踵にあたる所にある。家屋は床も壁も天井も全てが石灰岩を積み上げてつくられ、屋根がとんがっている。隣同志がつながっていて、狭くて住みにくい家だ。◆昔はひどく貧しく、教会を建てる金もなかった。だから、身近な石灰岩で家をつくってきたのだ。今は市役所も教会もでき、土産物屋が繁盛し、移り住んでくる人もいる。◆アルベロベッロのトゥルッリ

沖縄のサンゴ礁とそこに生きる生命を春から夏にかけて記録した科学ドキュメンタリー。◆沖縄のサンゴ礁は、規模や種の豊富さで世界有数のもの。これほど多様な生命が維持されている例は先進国の沿岸としては類を見ないほどだ。そこには直径３０メートルに達する巨大サンゴや、幻の海獣ジュゴンが生きている。顕微鏡撮影による幻想的なサンゴの産卵風景も紹介する。孵化直後はわずか０．８ミリのサンゴ虫は自力で泳いで根を張る場所を探し、サンゴの形に成長していく。

１９９８年５月、国境紛争を抱えるインド・パキスタンが、相次いで核実験を行った。現地を訪れて核兵器の恐ろしさを訴えた被爆者の旅を通して、核兵器に対する両国民の認識と、廃絶に向けた被爆国日本の役割を探る。◆核実験から１ヵ月後、広島市に住む被爆者の武田さんがインド・パキスタンを訪れた。両国の国民に被爆の実相を伝え、核兵器廃絶に向けた連帯を築くのが目的である。武田さんは、あの朝ヒロシマで起きたこと、自らの被爆体験、放射能による後遺症の恐ろしさをいく先々で語った。共感は得られたが、しかし、核の恐ろしさを知るほどに、逆に核による核の抑止論が深く根を張っていく現実にも直面した。

全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆鳥取県の東部、兵庫県境にある若桜町。メインストリートのカリヤ通り。「借屋」「仮屋」の字をあてると言われるカリヤとは、道に向かって斜めに突き出した軒先のこと。雨や雪をしのぐために軒先を貸し借りあう町の人たちの、付き合いの象徴だ。この通りの両脇にある用水路は、防火用水や融雪溝などに幅広く利用されてきた。カリヤのある通りに込められた生活の知恵と、そこでの人々の暮らしぶりを見る。

「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆鈴鹿山脈がなだらかな丘陵地となり、伊勢湾に向かって平野が広がる中にある三重県鈴鹿市。山側には旧東海道が昔の面影を残して宿場町をつなぎ、海側には、伊勢神宮に至る参宮街道が海辺の町を貫いている。石薬師は、旧東海道沿いに栄えた宿場町。細い道筋に格子戸の古い家並が軒を連ね、当時の面影を今にとどめている。国文学者で歌人でもある佐々木信綱は、この石薬師で明治５年誕生した。生家は昔のままに保存され、五月の風が吹き始める頃になると、真白に咲く卯の花で埋まる。鈴鹿の風景や伝統産業を紹介しながら、伊勢路を訪れる夏を描く。

１９６０年代から７０年代のヒット曲、世代を超えて愛されている海外ポップスのリクエストを募り、ベテラン・若手歌手の共演で名曲を紹介していく音楽番組。（１９９８年４月５日～２００２年３月１７日放送）◆第１回におくる曲は「夢のカリフォルニア」「サーフィン・Ｕ．Ｓ．Ａ．」「マサチューセッツ」「ビートでジャンプ」「帰ってほしいの」「スーパースター」「きみの友だち」「ドント・レット・ミー・ダウン」「男の世界」「天使のささやき」。ＭＣは西城秀樹と森口博子。