山々にかかる霧と雲、といえば、山水画を生んだ中国の代表的な風景だが、アメリカにもそんな場所があった。大陸の東南部、ずばりその名は、グレートスモーキー山脈。◆雲と霧、スモーキーな景色を、たっぷりと見せてくれる。また豊富な樹木や動物相も紹介される。このあたりは先住民チェロキー族の土地だったが、ヨーロッパから白人が入ってきて開拓地にした。そうした人々はマウンテン・ピープルと呼ばれ、当時の家屋が残っているが、生活は過酷をきわめたという。

そのビーチに劣らず美しいニューカレドニアの内陸部を俳優・大沢たかおが探索、豊かな自然の中で驚きに満ちた出会いを経験する。◆大沢はフンボルト山の最高峰をめざす。その後、ブームという街で日本人の名前が書かれた看板を見た彼は、ここニューカレドニアに日本人が５５００人も住んでいることを知る。明治時代からニッケル鉱山労働者として移民し、日本の姓のまま２～３世となってこの島で生活している人も多い。望郷の思いを抱きつつこの地で亡くなった人の墓を訪ねる。

捕獲されて処分される運命にあった４頭の野犬を引き取って世話する男性。しかし犬たちは心を閉ざし、まるで愛情を拒むような態度をとり続ける。この犬たちの行動は一体何を意味するものなのか。◆仙台市中心部から車で２０分。山あいにひっそりと建つ小屋がある。小屋には４匹の犬が飼われている。しかし近づいても吠えたりうなったりせず、小屋の中に体をピタリと寄せ微動だにしない。あるものは虚空を見つめ、あるものはうつろな目をしている。おびえているのか小刻みに体を震わせるものもいる。◆彼らは２年前まで仙台を代表する観光地、青葉山をすみかにする野犬だった。本来捕獲後処分される運命にあったが、捕獲作戦に協力した一人の男性が彼らの面倒を見る事になったのだ。しかし、その時以来犬たちはあたかも心を閉ざしたかの様な態度をとり始めた。毎日小屋に通いエサを与え、面倒を見る男性の愛情をまるで拒否するかのようだ。

目的地を定めない「途中下車」の旅を紹介していく番組の放送３００回記念、東京特集の前編。◆新宿・東京都庁の展望台から始まり、旅人・小倉久寛が山の手線の駅、巣鴨・日暮里・上野・東京をぶらりと途中下車して散策する。もう一人の旅人・阿藤海は、丸の内線の本郷三丁目・お茶の水から東京へと巡る。

熊本市内に６店舗の美容院を構えるチェーン店が初めてヘアーショーを企画した。美容院の店長、入社４年目だがお客の髪をカットできない美容師のタマゴ、入社して１ヶ月に満たない新人。この３人の日常とヘアーショーへ向けての取り組みを中心に、美容業界の中でひたむきに生きる若者群像を追う。ＪＮＮ九州・沖縄・山口ブロックネットＰＲＥＳＥＮＴＳ。アートネイチャースペシャル。

滋賀県甲西町の谷たか子さん（４３歳）は、１９９６年４月に方向がわからなくなるなどの異変を訴え、わずか１ヶ月後には寝たきりとなった。診断結果はクロイツフェルト・ヤコブ病（ＣＪＤ）。病原体プリオンによって脳細胞が破壊され、急速に意識障害を起こす難病で、およそ９割の人が２年以内に命を落とすという。夫の谷三一さんらの執念の調査で、たか子さんがドイツ・ビーブラウン社の「ライオデュラ」という、死体から採取された乾燥硬膜を移植されていたことがわかる。感染はこの硬膜が原因だった。利益優先のため人命を軽視する薬事企業、危険な製品を放置し続けた厚生省など、薬害ヤコブ病は薬害エイズと酷似していた。ある日突然日常と健康な体を奪われた谷たか子さんと、真相究明に奔走する三一さんの闘いの記録である。

関西地方の特色ある建物の外観と室内を紹介する。◆京都ハリストス正教会（京都市中京区柳馬場）を取り上げる。

奈良ゆかりの芸術家や職人をジェフ・バーグランドが訪ねインタビューするドキュメンタリー。◆奈良市の写真家・井上博道さんは、人と自然が織りなす大和の風土にひかれ、奈良の風景や古社寺などを撮り続けている。井上さんは学生時代に、当時新聞記者だった作家の故・司馬遼太郎さんと出会い、新聞社の写真部で活躍した。「写真は記録。その積み重ねが文化になる」と語る。作品からは、人間の営みへの温かい眼差しが感じられる。