平和な夢が丘の町に現れたイヌ型ロボットのロボタックは祖国・ハラッパ国を救うため、秘宝であるランドツールを探していた。ロボタックは、シャードック探偵社社長の杉薫や、その甥・雪柳カケルら「夢が丘少年探偵団」と協力し、シャードックのライバル・ゴールドプラチナ社夢が丘支店のダークロー一味を相手に、ランドツール争奪戦を繰り広げる。メタルヒーローシリーズ第１７作。（１９９８年３月８日～１９９９年１月２４日放送、全４５回）◆第１回。小さなビルの２階にあるシャードック探偵社にイヌ型ロボットのロボタックが倒れ込んできた。空腹のロボタックは杉社長（大高洋夫）の二日ぶりの食事を食べてしまい、お金を払う代わりにシャードック探偵社で働くことになる。ロボタックは杉社長の甥の雪柳カケル（村上悦也）に祖国のためにランドツールを探していることを話す。そこへ、唐松刑事（赤星昇一郎）が「警察手帳を探してくれ」とシャードック探偵社を訪ねてくる。

「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆東京の下町を包み込んで流れる隅田川。川面には１日に二百艘の舟が慌ただしく行き交っている。東京の歴史を刻むいくつもの橋、馴染みの橋が隅田川を飾る。「春のうららの隅田川…」。東京下町の人々の生業を、廉太郎のメロディが、軽やかに流れていく。

埼玉県南部の川越は江戸幕府の北の護りとされ、荒川の水運にも恵まれ繁栄した。今も市の中心部に昔ながらの倉造りの商家が建ち並び、小江戸の町として親しまれている。現存の建物は１８９３年（明治２６）の大火の後に再建されたもの。老舗金物商宮岡正一郎さん一家の年中行事を追って、先祖と伝統を重んじ、日々を大切に生きる商家の暮らしを描く。正月、盆、墓参り、春秋の祭、恵比須講、だるま市、大晦日のおはらいなど古くからの懐かしい日本の年中行事が今も大切に守られている。

「釣狐」「黄泉の銀花」、ともに意欲的な作品である。新しい日本舞踊についての考え方を花柳壽楽さんに聞く。能では最高の扱いを受けている「釣狐」の舞踊化は長い歴史の上に花咲いた作品。「黄泉の銀花」は日本神話を題材とした大型舞踊劇である。流派を超える活発な創作活動は明治以来脈々と続いてきたが、古典に新しいものを加えて磨きをかけ、後代に伝えていこうとするエネルギーを大事にしたい。◆『釣狐』花柳壽楽（人間国宝）、唄：杵屋六美朗、三味線：杵屋寒玉◇『黄泉の銀花』作：高橋治、演出：花柳壽輔、音楽：宇崎竜童。◆副音声は英語

全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆軒下に作られた屋根付きの小さな壁が「うだつ」。「うだつが上がらない」の語源にもなった屋敷の屋根飾りだ。もともとは防災壁としての役割を担ったもの。徳島県西部、脇町は江戸末期から大正にかけて染料の藍の出荷で栄えた。藍の取り引きの中心になったのが南町通り。４００メートルに渡って当時の屋敷が立ち並び、富の象徴である「うだつ」のある建物が２４軒残っている。脇町ではこれを町の観光シンボルとして売り出し、町に活気を取り戻そうと取り組みを始めた。観光ガイドを買って出る人、昔の職人技を残して修理する職人さん、阿波踊りの竹人形づくりの後継者をめざす若者など、うだつの町復活にかける町の人々の願いを描く。

悪性脳腫瘍で、長くともあと１年半の命と知らされた１７歳の高校生が、命あるかぎり夢に向かって生きていこうとする姿と、彼を支える家族や友達の愛を描く。◆西岡英史は父・裕也、母・慎子、中学生の妹・亮子にかこまれて大学の受験勉強に忙しい日々を過ごしていた。ところがある日、自転車に乗っていた英史は平衡感覚を失って転倒する。眼科に行った英史は脳外科へまわされ、家族の不安のなか下された診断は治療不可能な脳腫瘍だった。英史には真実を告げず、厳しい闘病生活が始まった。それは家族にとっても苦しい戦いの日々だった。

プライドを捨てた男と誇り高き女が展開するエピソードを通じて、恋愛模様や人生をポップに描くドラマ。（１２月１０日終了、全１１回）◆駅伝の花形選手だった坂巻風太郎は、大手食品会社にスポーツ採用されるが、レース中に足を故障。引退後は左遷で系列工場に出向し、プライドを捨てて気楽に働いている。ある日、風太郎は人事部の佐伯から本社復帰を命じられる。本社では社運を賭けてイタリア料理店のチェーン展開を計画し、有名なフードプロデューサーの沢木いづみと契約。風太郎の仕事はいづみのアシスタント役だった。プライドが高く、仕事にも厳しい完全主義者のいづみと風太郎の相性は最悪。やけを起こす風太郎に佐伯は、いづみが「情熱の炎を知っているのは一度炎を消された人間だ」と語ったと告げる。

１９９８年５月、国境紛争を抱えるインド・パキスタンが、相次いで核実験を行った。現地を訪れて核兵器の恐ろしさを訴えた被爆者の旅を通して、核兵器に対する両国民の認識と、廃絶に向けた被爆国日本の役割を探る。◆核実験から１ヵ月後、広島市に住む被爆者の武田さんがインド・パキスタンを訪れた。両国の国民に被爆の実相を伝え、核兵器廃絶に向けた連帯を築くのが目的である。武田さんは、あの朝ヒロシマで起きたこと、自らの被爆体験、放射能による後遺症の恐ろしさをいく先々で語った。共感は得られたが、しかし、核の恐ろしさを知るほどに、逆に核による核の抑止論が深く根を張っていく現実にも直面した。