１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々との生活を描く。◆今回は、「雲の上の街」と題して、フランス・ピレネー山脈への旅（ペルピニャン・モン・ルイ）を紹介する。

織田信長の子・信雄（のぶかつ）が開き、城下町として栄えた大宇陀町。町の中心を大宇陀川が流れ、それに沿って伊勢街道に通じる松山街道が伸びている。古民家の道を楽しみながら文化財のよさを語るのは、文化財研究所の松本修自さん。

この年３月に閉鎖した巨大ホテルの誕生から再建、閉鎖までを追い、不良債権問題の構造を明らかにする。◆洞爺湖を見下ろすウィンザーホテル洞爺。全国有数のこのリゾートホテルは、前年１１月に破綻した北海道拓殖銀行の大口不良債権である。地元建設業者が拓銀の全面支援で総工費４５０億円をかけて１９９３年に開業した。しかしバブル崩壊と共に業者との関係は悪化し、拓銀が債権回収の名目で経営権を取得し、６００億円もの投資を重ねてきた。拓銀はどのような経営判断や経理操作で融資を続けてきたのか。銀行破綻を招いたこの投資の裏側を探る。（同ホテルは３年後に再生している。）

エルニーニョ現象の影響によると思われる異常気象が各地で起こった。科学者達は地球の温暖化がそのエルニーニョを強めていると指摘する。各国の現状と対策を取材する。◆キリバス共和国：温暖化の影響で海面が上昇。国家存亡の危機に立たされている。中国・重慶：世界第２位の二酸化炭素の排出国。石炭エネルギーによる人体・森林・農作物への被害を食い止める試みが始まった。アラスカ：永久凍土の溶解が始まっている。人工衛星や潜水艦を使ってベーリング海周辺を調査している研究者を訪ねる。ドイツ：二酸化炭素削減に早くから取り組んだ町を取材、排熱を利用したエネルギー供給するシステムとはどのようなものか。その他、スタジオでは二酸化炭素とは何か、身近に感じさせる実験を行う。

１９９７年４月１４日に閉め切られた長崎県有明海の諫早湾。「こんなになっちゃってるとは思わなかったな」と干からびた湾を歩くレポーター役の海洋ジャーナリスト・永田雅一さんがつぶやく。累々とカニの死骸、ハイガイやカキの殻が黒く続く情景。一つの海が死に、毎日繰り返されていた生命の鼓動はもう聞こえない。干上がってわかった豊かな海の顔である。この諫早湾の情景を起点に、まだ残されている世界の豊かな海の姿を求めて、アメリカ、チリ、オーストラリアの渚に潜る。豊かな食物連鎖の海、カリフォルニア・モンテレー湾。オーストラリアの豊かさの象徴、バナナエビ漁。手つかずの渚が残るチリの多島海、ここはまさに自然動物園だ。そして日本では…。１９９８年は「国際海洋年」。万葉の昔に詠われた美しい海、昔の生態系をもっとも残す最後の瀬戸内海を佐田岬に探し、海洋環境の保護を訴える。

韓国の中央やや南にある伽や山海印寺（カヤサンヘインサ）。仏教の全経典と、１３世紀の知識を集めた、八萬大蔵経の版木を貯蔵する。◆経典は、足利将軍義満も懇願し、京都の南禅寺などに伝わる。海印寺そのものが、適度な湿度に恵まれ、豊かな日光とともに、いかなる近代装備にもまさる貯蔵庫となっているのだ。◆寺では多くの修行僧が厳しい修業を続ける。また大祭には参拝者があふれ、版木を運んできた様子を再現して祈る。これからも、人々の祈りが大蔵経を守っていくだろう。◆八萬大蔵教の納められた伽や山海印寺

専業主婦のミチ子（竹下景子）は、音楽大学に通う娘・留美（酒井美紀）のため、家族に内緒で借金。返済に追われ、家出して病院の付添婦として働き始める。病人介護はミチ子の想像を超える重労働だった。初仕事はアルツハイマーの老人の世話。ミチ子はハードな介護の仕事に戸惑うが、ベテランの喜久子（水野久美）のアドバイスを受け、徐々に仕事をこなし始める。そんな中、ミチ子は元キックボクサー・矢口（うじきつよし）の担当に。事故のケガで選手生命を断たれた矢口は自暴自棄になっていた。原作：坂本美智子。◆解説副音声あり

後半の山場、松王丸再登場のくだりと、わが子を失った松王夫婦の悲しみをつづる「いろは送り」の由来を学び鑑賞する。義太夫節は大まかに分けると三つの要素からできている。「詞（コトバ）」＝セリフと節まわしをつけて語る「地合」、そして多くは文章が一段落する場面に使われる「節」である。本来は詞のところを地合で語ることで、劇を高揚させるときもある。しかし客を感動させるには語り手の情が一番大切であることは言うまでもない。◆『菅原伝授手習鑑』寺子屋の段・北嵯峨の段／吉田簑助（人間国宝）、吉田玉男（人間国宝）、吉田文吾、吉田文昇、浄瑠璃：豊竹十九大夫、三味線：豊澤富助。◆副音声は英語