豊かな自然と各地に暮らす人々の風景を、美しい映像と人間味豊かな内容で伝える紀行番組。◆川崎市麻生区は、多摩丘陵に広がる東京と神奈川のベットタウン。秋になると禅寺丸柿と呼ばれる甘柿が、この地区の特産として古くから受け継がれてきた。古い柿に深い愛着を示しながら、新しい街に変わりつつある麻生区を紹介する。番組では、柿にまつわる場所を訪ねる。小田急線「柿生駅」は、川崎市に合併する前の村名だったという。赤く熟した禅寺丸柿、３０本の柿の木が並ぶ柿畑や家々に残る禅寺丸柿の古木や大木、更に新時代を迎える麻生区の中心地、新百合ケ丘駅前の街づくりを紹介する。

レポーターが山形県内各地の見どころを探訪するシリーズ。◆この回は、蔵王のふもとで古くから温泉宿場町として栄えてきた上山市の祭りを訪ねる。再建された上山城で開かれる祭りは、もちつきに始まり、声の大きさを競う絶叫大会、仮装して自作のかごを担ぎ、関所でゲームをしながら走り抜けるかごかき駅伝と続く。少し離れて楢下宿、こんにゃく番所ではコンニャク尽くしの会席。映画「ニッポン国古屋敷村」のロケ地もこのそばにある。

戦争に巻き込まれた庶民の視点を記録するため、韓国・京畿道華城郡内の村に住む人々３０００人の証言を積み重ねた。また、日本国内でもロケを行い、広島での被爆者や強制連行された炭鉱労働者などの現在を追った。（１９８９年８月１４日、「シリーズ真相」としてテレビ朝日で放送）◆１９８９年３月に韓国紙が行った世論調査によると、日本を好きだと答えた人は４．１％、どちらでもないが２５．９％。嫌いと答えた人は６２．４％に達した。この韓国民の反日感情の源を追うドキュメンタリー。

長野地方気象台の予報官・木島は、妻を亡くしてから４年間再婚話にも興味をしめさずやもめ暮らしを送っている。登山仲間の早川が彼を心配して持ちかけた妹との縁談をきっかけに、再婚しない本当の理由、亡き妻の死の真相を語りはじめる。

熊本県内各地で行なわれている祭りを紹介するシリーズ（１９９５年４月２日～１９９７年３月３０日終了、全１０１回）。「肥後シリーズ」は１９８６年日本民間放送連盟賞（放送活動部門）受賞。◆農民にとって田植えの後の病害虫の発生は、大切な農作物が全滅するかしないかの大問題。およそ三百五十年前、寛永年間から伝わる虫追い祭りには豊作を願う農民たちの心が込められ、現在も祭りは少しずつ形を変えながら伝えられている。

自らの生い立ちを息子に伝える父親の姿を描くドキュメンタリー。シリーズ戦後５０年〔１〕。◆終戦直後、アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれた関根幸一郎さんは、幼い頃から周囲の偏見と闘ってきた。関根さんは自分が育った「エリザベス・サンダース・ホーム」を、二十歳になる息子に見せたいと思っている。自分の過去をきちんと伝えることで、父として生き方を知らせたいのだ。関根さんの姿を通して戦後の日本を考える。

奈良県から和歌山県にかけて悠然と流れる紀ノ川のほぼ中流域に、西国三十三観音霊場第三番札所の粉河寺がある。“粉河寺縁起絵巻”の古い伝承により、“童男行者”と観音信仰が平安中期に花開いていたことを物語る数々の仏像群と格式ある建造物をもつ寺である。長い歴史の中で堂宇は幾度も焼失したが、信仰の篤い人々の手で再建され現存する建物は江戸中期を代表する建築群である。年に一度、秘仏の童男行者像がご開帳される“童男会”を通じ、粉河寺の信仰と美を伝える。◆粉河寺縁起絵巻（複製、実物は国宝）、粉河寺大門・中門・本堂・六角堂・庭園、童男行者像（秘仏）、閻魔大王像、千手観音像（裏本尊）、不動明王像、二十八部衆像、鬼子母神像

津軽富士の名で親しまれている岩木山をのぞむ弘前公園は、東北地方随一の桜の名所。桜前線が北上し弘前に達した５月はじめ、満開の桜の下に人々は集まる。弘前公園はソメイヨシノを中心に３０種類、およそ５千本の桜が植えられている。長い冬、雪に閉ざされていた人たちにとって、弘前公園の花見は、押さえられていた気分をいっきに発散させる場となっている。