日本最大の淡水魚・イトウの謎に包まれた生態を、北海道の美しい季節の移ろいとともに紹介する。◆北海道に生息する淡水魚・イトウは、川の生態系の頂点に立つ王者である。しかし、人が立ち入ることの難しい湿原や原野の奥地に生息し、警戒心が強いために、その生態は明らかでない。絶滅が心配される中、長期取材によってイトウの季節ごとの生態が記録された。イトウは小魚を豪快に丸呑みし、大きな体を維持している。産卵時期にはメスを巡ってオス同士の激しい争いが繰り広げられる。

お寺の長女に憧れつづけ、結婚の約束を果たすために僧侶を目指す男の奮闘をユーモラスに描く。（４月１７日開始、全３回）◆龍一と佐藤が「不幸な人を幸せにする」商売で出会った自殺志願家族・柴山親子。彼らを救おうとする龍一の努力はことごとく失敗し、家族は絶望の底にあった。開き直った龍一と佐藤は、一家を競輪に連れて行った。龍一の弟・秀雄が走るレースでみごと大穴を当て「生きる希望」を持たせるのに成功する。しかし、龍一たちがニセ僧侶であることがばれ、佐藤は警察へ。窮地に陥った龍一だったが、母・タエは僧になれなかった龍一を涙ながらに許す。

亡夫に長く交際していた相手がいたことを、その夫から突然知らされた女性と、近く暮らす義理の姉。老いをみつめる年齢になった人々の揺らぎを通して、人の思いと人生を描く。◆３年前に夫を亡くして一人暮らしの謡子。近くには義姉の昭子が住んでいる。ある日武田という男が訪れ、彼の亡くなった妻と謡子の夫がつきあっていたと告げる。二人は、彼らの旅した舞鶴へ旅し、町の古びた写真館で一枚の古い写真をさがしあてる。武田も見たことのない、若く綺麗な武田の妻の写真だった。謡子が武田に心を開いたと知って、昭子は謡子を厳しく咎める。

時代や流行に左右されない“職人魂”が宿る逸品を紹介する。◆第１回は、江戸豆凧、総火造の裁鋏、手焼きせんべい、みたらし団子など、東京下町に息づく職人技をみていく。

メキシコシティの前身は湖で、アステカが首都にした島があった。その遺跡と、浮島農場ソチミルコを見る。◆１４世紀、アステカが進出し、一大帝国を築いた。だが１６世紀にスペインが上陸、徹底して破壊し、キリスト教会を建て、新都市を建設した。それがメキシコシティだが、２０世紀に古い遺跡が発見された。ピラミッドや、生贄に関する遺物だ。◆ソチミルコは、湖に葦を浮かべて土を盛った、全く独創的な農場。都をとりまき、美しい並木が、水上の庭園を思わせる。◆メキシコシティ歴史地区とソチミルコ

チェコの西部にある２２戸、１４０人の小さな村、ホラショヴィツェを見る。◆村のはじまりは１３世紀。今も１９世紀初期の農村バロックの様式を残す。第二次世界大戦直前、ズデーテン地方となるこの地は、ドイツに占領されたが、戦後、村から追い出した。◆村の人々は自分達で建物を修復しながら、素朴に暮らしている。アンデルロヴァーさん７８歳は、家があること、娘と一緒に暮らせることが一番の幸せと語る。１７年前に夫を亡くし、今は幼なじみと家族公認、法律でも保証された同棲生活を送る。◆ホラショヴィツェの歴史的集落

新たな故郷を探して旅する高齢女性五人と若者一人の姿を通して、故郷、家族、命とは何かを描くドラマ。原作：中上健次。◆父のいないツヨシ（本木雅弘）は、五人のオバたちに育てられた。しかし彼らの住み慣れた故郷、和歌山県新宮市の路地は再開発されることになり、ツヨシはずっと立ち退きを渋っていたオバたちをトレーラーに乗せて“オバ捨て”の旅に出る。産婆のサンノオバ（清川虹子）、老人ホームから抜け出してばかりいるキクノオバ（千石規子）、垢抜けているマツノオバ（加藤治子）、病気がちなハツノオバ（三條美紀）、そしていちばん若くて気の強いコサノオバ（坂本スミ子）。彼女たちの数少ない身寄りを探して、ツヨシはトレーラーを走らせる。

関西地方の特色ある建物の外観と室内を紹介する。◆大阪市西区にある日本聖公会川口基督教会の聖堂を取り上げる。