１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆かつて巴波川の水運で栄えた、いわば平野部の港町だった栃木。町中には豪壮な土蔵作りの問屋屋敷が並ぶ。しかし明治以降、宇都宮を通る鉄道に輸送手段としての座を奪われ、栃木はその繁栄を失っていく。衰退の苦悩の中で、なおも産地問屋としての命脈を保ちつづける人々の根性を描く。

ブドウ収穫の始まる時期から終わりまでの約２カ月、美しいモーゼル河畔の小さなブドウ村に住み込み、素朴な人々の生活を記録。１房のブドウが宝物のように両手でつみとられていく。その行為の中に、ブドウをいつくしみ、育て、今収穫をむかえる人々のよろこび、いのり、そして自然の摂理のきびしさをみつめる。

主婦の身のまわりにあるあらゆる問題を、生活感覚豊かにとりあげ、楽しい雰囲気の中で、生活に必要な知恵と、考えるヒントを提供する一般主婦向けのワイド番組。毎回スタジオに大勢の主婦を招き、新しい視聴者参加番組としての番組イメ−ジを確立した。（１９７４年３月２９日終了）

本土復帰が実現していない時代の沖縄の高校生の現実を描く。◆１９６５年（昭和４０）８月、佐藤栄作首相は「沖縄が本土に復帰しなければ日本の戦後は終わらない」と述べ、多くの共感を得た。その翌年、沖縄は２１年目の玉砕記念日（６月２３日。現、慰霊の日）を迎えたが本土復帰は未だ実現していない。記念日の前日、コザ高等学校３年生のあるクラスでは、当日行われる「慰霊と平和の行進」への参加と「祖国復帰」をテーマにした討論が行われた。祖国復帰を真剣に訴える意見と、それに疑問を持つ意見が出され、議論はまとまらない。祖国復帰をめぐり揺れ動く沖縄の高校生たちの姿を描く。

原爆によって孤児となり、戦災孤児収容所に引き取られた後、父母の霊を慰めるため僧となった少年。高校を卒業後、生活のために法衣をぬぎ、職を転々として、広島市でタクシーの運転手となった。ふとした縁で被爆者の女性と知り合い結婚し、一子をもうける。二度目の妊娠がわかった時、妻は貧血症と生活のため中絶を考えたが、一人ぼっちの寂しさを訴える夫の願いによって赤ちゃんを生む決心をした。被爆した夫婦の、けなげでひたむきな人生ドキュメント。

原爆ドームの存廃をめぐる論争の最中に企画され、戦争の暗い思い出は無くせという主張に反論、ベトナム戦争と反戦運動、分裂する平和運動・日本被団協、国民の無関心を描いたドキュメンタリー。疎外感の中の広島の念願を原爆ドームの姿に託してエッセイ風に綴る。◆いつの間にかヒロシマの象徴となったドームは戦後２１年間、荒れるままに放置されてきた。存廃をめぐる論争は、被爆国の平和を考える論争にまで発展、全国募金によってドームは原爆の記念碑から日本の、核時代の記念碑として国民に定着した。

１９６５〜６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。（モノクロ）◆かつて仙台藩主伊達公の御留湯として、また東北地方の人々の憩いの場所として、にぎわった宮城県白石市鎌先温泉。ここのお湯によって健康を回復した人々の感謝の印、不要になったギブスなどが、湯神社に奉納されている。ここに来るのは湯治の人ばかりではない。農閑期ともなると、近在の農家の人々が一年間の仕事の疲れをここのお湯で流す。素朴なコケシづくりにかける彌治郎の人々の姿を通して、コケシのふるさとを探る。

１９５７年（昭和３２）ソビエト連邦による世界初の人工衛星・スプートニクの打ち上げ成功以来、月ロケットの技術開発は目覚ましく、数年のうちに月旅行も試みられる段階に達している。激しさを増す米ソの宇宙開発競争、それを追うフランス、西ドイツ、イギリスなどの国々。そうした世界各国の宇宙開発の現況を伝える。（１９６６年７月２８日〜９月１５日放送、全８回）◆第１回。ケネディ大統領が呼びかけた“月への道”。アメリカ合衆国が国の威信をかけて進める宇宙開発計画を取材する。（※番組開始２５分１７秒からの約２５秒間は映像が無くなり、音声のみとなります。ご了承ください）