偉人、有名人、人知れずに大事を成し遂げた人など、福島にゆかりある人物の足跡をたどり、その人の業績と人柄を描くシリーズ。◆福島県初のオリンピック選手・三浦弥平は、１８９１年白根村で農家の５兄弟の末っ子として生まれた。旧制白石中学校で走ることを始め、早稲田大学入学後も走ることに打ち込み、生涯走り続けた。郡山の女性と結婚して家業の醤油製造業の仕事もするが、走ることへの情熱を断つことができず離婚して故郷へ戻り、１９２０年の第７回アントワープオリンピックに出場する。その後、ドイツのケルン体育大学へ留学。１９２４年３３歳の時に第８回パリオリンピックに出場するが途中棄権する。引退後は青少年の教育に力を注ぎ、生家近くの山を「オリンピック山」と名付け子供たちと走っていた。己に挑むマラソン。その闘いの中で弥平が捉えたものは走ることの素晴らしさと喜びであろうか。その偉業を讃えたマラソン大会が、今年も秋真っ盛りの染川町で行われる。

この先は南ドイツ、という地にあるヴュルツブルク。街の中心に建つレジデンツ（大司教の館）は、１８世紀、建築家バルタザール・ノイマンが、バロック様式の粋を凝らした最高峰である。◆３８０人もの宴会ができる地下ワインセラー。そしてグリーンの間、鏡の間、皇帝の間。広大な階段の間の天井画は世界最大で、人々を驚かせた。◆この階段の間の天井は設計ミスと批判されたが、第二次大戦中の空襲に耐え、ノイマンの建築の正しさが図らずも証明された。◆ヴュルツブルクのレジデンツ、その庭園と広場

オーストリアのほぼ中央にあるハルシュタット。アルプスに連なる高峰の、湖畔の小さな町が、ギリシャ、ローマに先立つ文明を生んだ。それは、岩塩が出たからだ。◆紀元前１８世紀以来の採掘場の跡が保存されている。そこから３０００年前の帽子やリュックなどが見つかった。町の墓地は狭いため、２０年ほど眠ったあと掘り出され、頭骸骨だけが教会の納骨堂にずらりと並ぶ。◆ハルシュタット湖の底からは、ゲルマン、ケルト、そしてナチスに至るまで、様々な時代の遺物が発掘されている。◆ハルシュタット・ダハシュタイン、ザルツカンマーグートの文化的景観

生まれつき聴覚に障がいを持つ美栄子。愛娘・千鶴が小学校入学という時に、夫・博文に仙台への転勤話が持ち上がる。新たな困難に立ち向かう家族を描く。原作：軽部潤子。◆会社で転勤の内示を受けた博文（武田真治）は思い悩む。障がいを持つ妻・美栄子（菅野美穂）が知らない土地でやっていけるか分からないし、娘・千鶴も友達と別れなくてはならない。博文は悩んだ末、単身赴任を決意する。しかし「どんなに大変でも３人じゃなきゃ幸せじゃない」と、美栄子と千鶴は仙台行きを申し出る。

九谷焼を探訪する。◆古九谷は、１７世紀中ごろ、山中町九谷ではじまった。今もその地には開祖後藤才次郎の石碑が立つ。古九谷は１７世紀の末に突然途絶えるが、原因ははっきりしない。百年後に再開され、春日山、吉田屋、庄三風などを経て現在に至る。九谷焼資料館もあり、５月の３日間は茶碗まつりもおこなわれる。◆九谷焼の特色は色の豊かさにある。浅倉五十吉さんや三代徳田八十吉さんらは、色絵の伝統に個性あふれる現代の風を吹き込んだ。

ケニアの首都ナイロビに住んで２３年になる、栄養研究家の岸田さん。国際協力事業団の活動の一環としてナイロビ北西４００キロにあるカカメガ県エンザロ村に入り、村人に溶け込んで井戸作り、草履作り、カマド作りなどの生活改善を指導して、「キシダママ」と慕われてきた。一時帰国した岸田さんをスタジオに招き、現地での活動の様子やアフリカの魅力を語る。◆岸田さんは、ケニアは不幸のない国だという。なぜならば、スワヒリ語には「不幸」という言葉そのものがないからだ、と。

うつ病の症状と原因、新しく許可された治療薬の効果について解説する。

築城当時から天守閣がなかったとされてきた福岡城だが、最近の研究でわずかな期間だが天守閣が存在した可能性が出てきた。ＣＧで精密に復元、現代の町並みに合成してその雄姿をよみがえらせる。◆天守閣の不在は、黒田氏の徳川幕府への深謀遠慮ともいわれてきた。ところがいくつかの歴史資料から福岡城天守閣に関する記述が見つかり、築城当初は天守閣が存在した可能性が浮上してきた。では、それはいったいどんな天守閣だったのだろうか。城郭建築や建築史の専門家らとともに、現存する天守台や櫓などから考えられる規模や構造、縄張りの名人といわれた黒田如水が手がけた秀吉の大坂城などを参考にしながら、復元のための設計図を起こし、さらにそれをコンピュータグラフィックスに再現することとなった。