標高５００メートルに広がる３００枚の棚田。「日本の棚田百選」に選ばれたなかで最も標高の高い集落のひとつ、広島県筒賀村井似で、家族の絆を大切に稲作を続ける河野さん一家の姿を通し、家族で力を合わせることの素晴らしさを描く。

四川省大足の石刻群は、敦煌、雲崗と並ぶ中国石窟美術の宝庫である。◆重慶から北西１６０キロに位置する大足の山中には、唐代から南宋までの数百年間にわたり刻まれた、５万体を超える石仏が残されている。巨大な釈迦涅槃図や黄金色に輝く千手千眼観音像など、インドからシルクロードを経て中国に伝わった石刻芸術の頂点を示す傑作、大作が並ぶ。◆しかし南宋の末期、モンゴル王朝・元に倒されて、営々と続けられた石窟芸術は、未完のまま終止符を打つことになった。◆大足石刻

東北各県の河川を辿りながら水とともに暮らす人々を訪ね、“みちのく”の命を守る水の姿をみつめるシリーズ。企画：東北民放テレビ六社会。（２０００年１月～３月放送）◆世界自然遺産・白神山地を源に、津軽の霊峰・岩木山の裾野をかすめて津軽平野を貫流し、十三湖を通じて日本海に注ぐ岩木川。流域面積２，５４３平方キロ、総延長８３７キロにおよぶ青森県を代表する河川である。◆その流れは穀倉を潤し、ねぷたまつりやお山参詣など独特の民俗を育んできた。土着人形劇「金太豆蔵（きんたまめじょ）」の巡業公演を絡め、四季折々の岩木川の表情と流域住民の暮らしを伝える。

人間は特別な存在ではなく自然の一部である、という考え方は、今徐々に、しかも世界的に認識されつつある。環境汚染などで人間の未来さえ危ぶまれている今、作家の松谷みよ子氏が、民話の世界から自然と人間の関係を再考する。とりあげる民話は「坊さんに化けた岩魚」、「小さなオキクルミ」、「公害を知らせにきた河童」、「月見草の嫁」。民話には精霊の声が込められており、そこに自然との共生へのヒントがある。　

北方圏の国々を訪ね、寒冷多雪地域に生きる知恵や楽しさ、北に生きる素晴らしさを伝えるシリーズ。（２０００年１０月１２日～１２月２１日、全１１回）◆寒い冬を快適に過ごすために、北欧や北米の国々では様々な工夫を施した建物が見られる。また、そんな環境ならではの文化も発達し、人々の憩いとなっている。スウェーデンのストックホルムの地下鉄は、岩が剥き出しの「洞窟ステーション」。ホームは様々なアートで彩られ、地下に美術館を持ち込んだよう。アメリカのミネアポリスでビルとビルを結ぶガラスの空中道路「スカイウェー」は１日２万３千人が通行し、吹雪の日でも屋外に出ることなく図書館やオーケストラホールに移動出来る。またカナダのモントリオールでは地面の下のもうひとつの町・巨大な地下街に１６００軒もの商店が建ち並ぶ。

開局３５年を機会に、「うつくしま、ふくしま」県民運動に呼応して選定委員会を組織、自然との共生、自然にやさしい心を再認識するための第一弾として「うつくしま百名山」を選定した。（１９９９年５月１０日～２０００年７月２４日）◆日隠山は太平洋に面した山で、冬でも積雪が少なく陽だまりハイキングが楽しめるが、逆に夏は暑くて登れない。初心者向きの山である。

京都の街並み、人々の暮らしをさまざまな角度から描き、その魅力を紹介する。◆この回は「京都系アーティストのこれから」。

南アフリカ東部、インド洋に面したグレーターセントルシア湿地公園を訪ねる。◆公園の面積は２４万ヘクタール。雨が多く、湖や川、湿地になる。河口のマングローブはアフリカ大陸南限のもの。往来する野鳥は５２１種、絶滅の恐れがある動物も４８種だが、この地の豊かさが生存を支えている。クロコダイルセンターでは２１匹のワニを飼い、卵を人口孵化している。◆ズールー族もいて、ンニャマ（萱のような草）を刈り、敷物などを作る。ンニャマをめぐって戦争もあったという。◆グレーターセントルシア湿地公園