地方から上京した三郎は、先輩の奥村を頼って工場の臨時工となった。同じ臨時工の浅枝らの共通の望みは本工登用試験合格だった。試験の結果、合格したのは奥村だけだったが、それは彼が仲間の私事を内通したからだった。次の試験で三郎は、奥村と同じことを強要されるが断る。浅枝は現実に迎合することが生きる道だと考えるようになっていた。各々の考え方の中から、生きる現実を考える。

ヒューマニズムをうたった「光を掲げた人々」の庶民版で、フィクションもあり、実話に取材したものもある。司会は大羽仙外。（１９５７年４月１５日〜１９６１年３月３０日放送）◆かつては俳優として、また監督として優れた仕事をした田川大介（竜崎一郎）だが、いまは尾羽打ち枯らした身。保険の集金をしている妻・たつ子（宝生あやこ）が寝込んだので代わりに回ることになり、旧友の石黒直吉（巖金四郎）の家に来た。石黒も保険金を払えなくなったからと大徳寺先生（中村芝鶴）の家に行くようにすすめる。大徳寺はケチくらぶの総裁をつとめる有名などケチ。とうてい望みはあるまいと思いながらも田川は出掛けていく。

近代日本文学の中で再評価されるべき作家や、明治、大正、昭和と活躍した現存作家を取り上げる番組。◆この回（第１０４回）は、初めに神奈川県湯河原の自宅でくつろぐ山本有三の日常生活を紹介する。文学者であり、政治家でもある氏の人物像と文壇での足跡を追う。解説は東京教育大学の吉田精一教授。

「日本の伝統」は、「日本の伝統」と「人間国宝」を統合したシリーズ。古くから伝わるすぐれた芸能・美術等に、いわゆる「不易流行」の精神と技術を見出し、日本独自の発達を遂げた文化を紹介するとともに、それが現代に対してもつ意味を描く。◆「日本の伝統・仏」は英語版。

少年少女向けの理科実験を中心とする科学番組。砂村秀治先生（東京教育大学付属小学校教諭）の巧みな解説とその親しみやすい人柄が多くのファンを集め、司会役の黒柳徹子は“はてなのお姉さん”として親しまれた。（１９５７年７月４日〜１９６１年３月２８日放送）◆この回は放送記念日の前日ということで、テレビを見ていて疑問に思ったことを皆で考えてみようという主旨。テレビの上で手を振ると指がだぶって見えることや、飛行機が上空に来ると画面が揺れるというような疑問に分かり易く答える。

各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆落語界の大看板を背負う六代目三遊亭円生。五代目円生の子として幼年の頃から高座に上がった。放送当時のこの頃、芸歴は５０年を数え、芸術祭賞も受け、芸に円熟味が加わっていた。はな夫人との結婚は恋愛結婚。若い時分は質屋通いをしたこともあり、戦争、戦後の外地への慰問と、苦労も多かった。ゲストの大久保きくと桂文楽が夫妻の若い頃の思い出を語る。また、長女、長男の嫁、孫が円生の人柄を語る。

視聴者が応募した問題を出演者がジェスチャーのみで表し、それを時間内に当てていくというクイズ・ゲーム番組。柳家金語楼、水ノ江滝子をそれぞれ男女両軍のキャプテンとして、文化人、映画俳優、スポーツ選手など各界から３人ずつのゲストを招き、男女対抗試合を行う。（１９５３年２月２０日〜１９６８年３月２５日放送）◆この回（第３９１回）のゲストはフランキー堺、長門裕之、青山恭二、小山明子、米山曼舞子、浜田ゆう子。司会は小川宏アナウンサー。

より明るい社会を築くため日夜健闘する警察官たちの果敢な物語。スピード・サイエンス・シークレットの３Ｓで犯罪捜査に挑む初動班グループ・特別機動捜査隊の活躍を描く。国産初の１時間連続テレビ映画で、長寿番組となった刑事ドラマ。（１９６１年１０月１１日〜１９７７年３月３０日放送、全８０１回）◆第１回。東京・渋谷の住宅街で強盗発砲事件が発生する。直ちに立石主任（波島進）たち機動捜査隊が出動し、犯人の人相、凶器、遺留品、逃走車両などに関して初動捜査を行った。しかし犯人の特定に至る前に、同一犯による第２の強盗事件が起こってしまう。