昭和３６年８月１日に実際に起こった大阪西成区の釜ヶ崎事件を素材として、社会から置去りにされ、忘れられた庶民が、社会復帰をいろいろな形で願いながら果たされない状況を、この釜ヶ崎事件を背景に描き出す。そして、ここで結集したエネルギーを、現代のマンモス社会に対する庶民のバイタリティの存在証明たらしめようとする。

ＡＢＣテレビ報道部がレギュラーで制作するフィルム構成・ドキュメンタリーシリーズ。◆この回は台風銀座といわれる室戸岬にカメラをすえて、台風に備えて生活をする岬の人々を記録。第２室戸台風が直撃する。

各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆俳優の有島一郎・まさ子夫妻が３人の子どもと共に、結婚２１年目にして念願の結婚式をスタジオで挙げる。中学時代に両親を失い天涯孤独になった有島は、俳優を志して２１歳で上京。新宿のムーランルージュで下積み中、月給わずか１５円の彼を見かねて自宅二階に下宿させたのが、踊り子の酒井ますみ（まさ子夫人）だった。披露の会場には、小島正雄、伴淳三郎、森繁久弥、森光子ら、夫妻の人柄をしのばせる錚々たるメンバーが集い、祝詞を述べ、夫妻の晴れの日を祝福する。

一つのテーマを取り上げ、数回シリーズでその対策や問題点を探る教養番組。◆１９６０年代に多発していた小児マヒをテーマに、様々な角度からポリオの問題を取り上げ、その予防と対策を探る。千葉大学医学部の渡辺誠介氏を進行役に、東京大学教授、伝染病研究所の松本稔氏、厚生省公衆衛生局長の尾村偉久氏の３人によるスタジオ対談を展開。１９６１年には全国で１７６９人の小児マヒ患者が発生しており、医師や行政の各専門家がその広がりを食い止めようと現状や今後の対策を語り合う。

少年少女向けの理科実験を中心とする科学番組。砂村秀治先生（東京教育大学付属小学校教諭）の巧みな解説とその親しみやすい人柄が多くのファンを集め、司会役の黒柳徹子は“はてなのお姉さん”として親しまれた。（１９５７年７月４日〜１９６１年３月２８日放送）◆この回は放送記念日の前日ということで、テレビを見ていて疑問に思ったことを皆で考えてみようという主旨。テレビの上で手を振ると指がだぶって見えることや、飛行機が上空に来ると画面が揺れるというような疑問に分かり易く答える。

「日本の伝統」は、「日本の伝統」と「人間国宝」を統合したシリーズ。古くから伝わるすぐれた芸能・美術等に、いわゆる「不易流行」の精神と技術を見出し、日本独自の発達を遂げた文化を紹介するとともに、それが現代に対してもつ意味を描く。◆「日本の伝統・仏」は英語版。

ヒューマニズムを基調として健全な内容を目標とした、ＮＨＫ初期の自主制作劇映画。◆父が退職することになった。３人の子供たちはそれぞれ退職金をあてにしている。中でも長男の修は仕事もうまく行かず、退職金でタクシーの払い下げを買って白タクをはじめようと目論んでいる。母を説得して父に無断で金を受け取り、頼んであった友人に渡すがそのまま消えられてしまう。

大分県高崎山に野性の日本ザルが生息し、餌付けされている。京都大学霊長類研究所のスタッフが交代で現地に住み込み、群れの生態研究、観察を続けていたが、その行動が、ボスを頂点とした「日本人社会に類似する点が多い」と話題になった。日本ザルの生態を通して、人間社会を見直そうというのが番組制作のねらい。ボスザルの権力、母ザルの子供への愛情、若者ザルの生き方などがドキュメンタリータッチで描かれている。