装飾を排除した素踊りは、表現術が熟達していることと、観客も一体となって作品を作ることとが、必須条件である。「素踊り」は見る人の想像に頼るところが大きいが、その為には歌詞と表現が分かることが大切である。また、舞台と観客が一体となることも大切で、高度の舞台芸術といわれる所以である。「石橋」では「獅子もの」の歴史を、「時雨西行」では特殊な作品として「半素」という半装飾で踊る作品も見る。◆「石橋」・花柳壽楽、「時雨西行」・猿若清方、猿若吉代。◆副音声は英語

１９８０年登録。◆長安からローマを結ぶシルクロード。その地中海に近いシリア砂漠のオアシス都市がパルミラで、ギリシア語で「ナツメヤシの茂る町」の意。３世紀、ローマ軍に滅ぼされた。石造りの建物は破損がはなはだしいが、残っている野外劇場、取引場、塔墓、最大の建造物のベール神殿などを見ていく。◆撮影時には奈良県パルミラ発掘調査隊が入っていた。出土した歯と、かつて遺跡に住んでいた子孫らしい人々の歯に、共通した変色が見られるのが興味深い。

幕末日本の風雲児となった坂本竜馬の波瀾万丈の生涯を描く。◆第１部では、千葉道場への入門、土佐藩脱藩、勝海舟への弟子入り、航海術の修行やおりょうとの出会いなどを描く。

１９９５年登録。◆ハワイのはるか南、イースター島の名で有名なラパ・ヌイ島には、モアイと呼ばれる巨大な石の胸像が千体以上もある。４、５世紀頃に移住してきた人々が１７世紀あたりまでに造ったもので、モアイとは土地の言葉で「生きるため」の意味。祖先崇拝の偶像と考えられている。◆かつて島には豊かな森林があったが、農地への転換などから消滅し、それが戦争を呼んで人口を激減させた。人間が生きていく上での自然との関係の重要さを、モアイは訴えているようだ。

明治維新前後に活躍した薩摩（鹿児島）の群像を描く◆文武両道の若武者・名越左源太は、第２７代藩主・島津斉興の跡目争いである「お由羅騒動」に巻き込まれて、遠島流罪の判決を受け、奄美大島に流された左源太は、奄美の自然、気候、地理、歴史、冠婚葬祭、産業などあらゆる分野を記録した。これらはのちに整理されて「南島雑話」という冊子になり、現在も奄美研究のバイブルとして重宝されている。

アークとは、神から授かった十戒の石版を収めた箱。ユダヤの王ソロモンの神殿内に安置されていたが、３０００年前こつ然と姿を消した。すさまじいパワーを持つとされることからナポレオンやヒトラーも探したが、見つかっていない。どうやらテンプル騎士団が関わっているらしく、追ってみるとソロモン王とシバの女王の子でエチオピアの初代皇帝となったメネリク一世が持ち帰ったと見当がつく。そしてついに、地下室にアークを蔵するという教会をつきとめた。旅人は“ＫＯＮＴＡ”近藤敦。

全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆大阪の東、生駒山麓にある石切神社、正しくは石切剣箭（いしきりつるぎや）神社は腫れ物を治す神様として信仰を集めている。その参道、近鉄石切駅前から約８００メートルの通りに、お参りの年配客をターゲットにした１１０の店が軒をつらねている。衣装、おもちゃ、食べ物からお地蔵さんのよだれかけや縁起もののカエルの置物を売る店まで、おばちゃん好みの何でもありの商店街。ふれあいを大切にする笑顔の町を案内する。

自分の葬儀にこだわりたい人のための「葬儀の生前予約」。風変わりな葬儀を予約して亡くなった老人の葬儀を実行しようとする葬儀予約会社の営業マンと、思いがけない予約に困惑する遺族たちが織り成す悲喜劇を描く。◆「葬儀の生前予約」を請け負う会社の営業マン・杉山正明（小林薫）は、初めての契約相手だった藤本が亡くなったと連絡を受ける。予約の内容は、家族だけで無宗教の密葬を行い、亡妻の遺骨とともに大阪湾に散骨してほしいというもの。長女と次男は同意し、準備がはじめられるが、東京で居酒屋チェーンを営む長男が駆けつけ、盛大な葬儀を主張しはじめる。