「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆明治末期に作られ、作者不明とされていた文部省唱歌「われは海の子」の作者が判ったのは、１９８９年のことである。作詞者は、鹿児島生まれの宮原晃一郎氏。東京都内に住む宮原氏の娘典子さんが、文部省から送られてきた当時の入選通知を保管しており、それが「われは海の子」のルーツを証明する決定的な証拠となった。宮原晃一郎は１８８２年（明治１５）、鹿児島市加治屋町に生まれる。日々桜島を望む錦江湾で泳ぎ、幼い日を過ごした宮原氏は、後年、この思い出をもとに「われは海の子」を作詞した。

１６個の湖が数珠つながり、それらを結んで滝が９０もある。クロアチアの北部、アドリア海にそそぐコナラ川の上流は、不思議で美しい場所だ。水の含む石灰分が沈殿し、コケや流木が重なって、次々と天然ダムができたからである。そのためプリトヴィチェは、早くから世界遺産になった。◆ところが、セルビア人との民族紛争で人々はこの地を追われ、家は焼かれた。悪夢の４年が過ぎ、人々はまたこの地で働きつつある。笑顔の戻るのが一番、と管理事務所のビオンダさんは言う。◆プリトヴィチェ湖群国立公園

源頼朝の挙兵に味方した三浦氏の史跡が、横須賀市大矢部に残っている。特に満昌寺、青雲寺、満願寺には、国の重要文化財や横須賀市指定の史跡がある。三浦氏が本拠地としていた衣笠・大矢部の里に残る史跡を紹介する。

兵士からの手紙を通して、故郷や家族、友人を思いやるごく普通の農民が、戦地で狂気を狂気と思わなくなっていった姿を追う。シリーズ５３年目の夏に（３）。◆日中戦争に出征した静岡県浅羽町の兵士が、故郷の友人に宛てた１４通の手紙。それが浅羽町史編纂の過程で見つかった。いずれも検閲を受けた軍事郵便であったにもかかわらず、中国を転戦していく中で日本軍の行った残虐な行為や、狂気極まる戦争の悲惨な体験が記されていた。手紙の中には南京事件に関わるものもあった。町史編纂委員の男性は手紙を元に兵士の中国での足跡を巡った。そして内容を実証するとともに、南京事件被害者遺族などの話を聞いた。

関西地方の特色ある建物の外観と室内を紹介する。◆神戸女学院（西宮市岡田山）を取り上げる。

私利を顧みず、人間の情に生きた優しき“人情馬鹿”たちの物語を３話のオムニバス形式で描く。◆第１話「七つの顔の銀次」女親分のお新と、スリの名人銀次の恋物語。二代目を継いでほしいというお新の願いを振り切って、足を洗い、仕立て屋になった銀次。ところが、密かに想いを寄せていた娘の父が、天皇御下賜の金時計を紛失したことから、やむなく元の稼業に戻らざるをえなくなる。◆第２話「親なしっ子」痴呆の症状が出始めた父と実娘とその夫の軽い人情話。松原敏春オリジナル。養老院に入ったばかりの老父が、その翌日に出たいと騒ぎ出した。急いで駆けつける娘と人の良い夫。本当に痴呆が始まったのか、とぼけた老父に振り回される周囲の人たちの滑稽さとほろ苦さ。◆第３話「深川の鈴」寿司屋の後家さんと文学修行中の青年との粋な別れ話。

「舞」と「踊」の違いが上方舞を鑑賞する基本である。「からくり的」と「鉄輪」を山村楽正さんの話で観る。「からくり的」は縁日の覗きからくりを題材にしたもので次々と変わる場面を軽妙に演じ分ける舞。座興なので、粋が不可欠である。「鉄輪」は、能の曲を地唄の女舞にしたもの。憎い相手を呪い殺す「丑の刻参り」を舞にしたものである。いずれの曲もフリが単純なだけに扇子の曲使いが身体の一部になっている。◆『からくり的』／山村楽正、唄：上村和歌子、三絃：吉村そめ◇『鉄輪』／井上三千子、唄・三絃：富山清隆、笛：寶山左衛門、小鼓：堅田喜三久。◆副音声は英語

関西地方の特色ある建物の外観と室内を紹介する。◆駒井邸（京都市左京区北白川）を取り上げる。