東紀州の中で唯一熊野灘に面していない山間の町・紀和町の名所は、三重、和歌山、奈良の三県にまたがる北山川の渓谷、瀞峡。下瀞から観光ジェット船に乗り込み上流に向かっていくと亀岩、獅子岩、鶏頭岩、大黒岩などと次々に巨岩・奇石が現れ、切り立つ断崖絶壁が両側に迫る。碧緑の水もトロリと淀んで深淵となり、また明るく澄んだ浅瀬となって千変万化の様を見せる。

長崎県の離島で自然とふれ合いながら、自給自足的生活を送る家族がいる。軽度の知的障害を持つ長女を中心に３世代、１０人の大家族が共に助け合いながら精一杯生きる姿を通して“人の幸せとは何か”を問いかける。◆五島列島に住む一家は、小学生から２１歳までの６人の子どもと７２歳のおじいちゃん夫婦３世代１０人の大家族。漁業のほか農業を営み山羊やニワトリの放し飼いをしている。また海水を煮詰めて自然塩をつくり、さらに製塩の副産物苦汁をつかって豆腐も作っている。軽い知的障害をもつ長女も、製塩の手伝いやニワトリの世話をして家族と一緒に暮らしている。海をはじめ自然の恩恵に生きている一家だが、奇麗なはずの五島の海にも異変が起きている。海底の海藻が枯れる磯焼けという海の砂漠化現象だ。高度成長のつけが今様々な形で現れている。

京都の街並み、人々の暮らしをさまざまな角度から描き、その魅力を紹介する。◆この回は「秋を奏でる」。

名古屋市の「死そして生を考える研究会・ビハーラ研究会」は、末期ガン患者らが残された日々をいかに生きるかを仏教の立場から考える会である。宗教や医学など様々な角度から死と生について研究している。代表は行順寺の住職で、月に一度「歎異抄講座」を開く。研究会メンバーの一人は、ガンで亡くなった夫の死を受け止められたのは、仏教を勉強したからだと言う。研究会の活動と、会のメンバーの生活を追いながら、地域に根ざした仏教と、現代日本人の心のよりどころを考える。

札幌の歴史や文化を地元局ならではの視点で捉える。◆札幌市北区にある「屯田地区センター」を訪ね、屯田兵の歴史を再発見する。

「私は何でこんなことをしているんだろう」「俺はこんなことがやりたかったんだろうか」。仕事に恋に自分の存在理由に悩む男女を、単なる恋愛ゲームではなく、等身大で描く青春ドラマ。脚本：岡田惠和。（１９９９年７月７日～９月２２日、全１２回）◆第１回。羽村深美（深津絵里）は大手物流会社のオペレーター室で勤務し、ひっきりなしにかかってくる問合わせや苦情の電話の対応に追われる日々を送る。深美は会社の後輩の勧めで気まぐれに覗いたカルチャースクールで、ゴスペル教室に通う太田千津（水野美紀）とアメリカの公認会計士を目指す浅井次子（中山忍）と出会う。一方、リストラでエリートコースを外された深美の義兄・佐伯啓介（椎名桔平）は、出向先で地味な仕事をこなしていた。

地理的・歴史的に、大陸との強い関わりをもつ山陰地方。古代北東アジアの交流を考古学的にたどるシリーズ。◆日本国内で見つかっている鉄の精錬遺跡は６世紀後半の古墳時代後期からのものしかないが、鉄器自体は弥生時代初期に朝鮮半島から日本にもたらされている。古墳時代後期までの間、日本では鉄器を輸入に頼っていたのだろうか。韓国の研究者の協力で最新の研究成果を追うとともに、古代出雲で鉄がどのような歴史を作ってきたのか、東アジアへも視点を広げて探る。

同じ学級で学ぶ知的障がいの子どもとクラスメイトの交流を通して、教育のあり方を考える。◆普通学級の６年１組には知的障がいを持つ男児が在籍していて、皆と一緒に学校生活を送っている。しかし、時に彼は友達をたたいたり教室を抜け出したりするため、クラスメイトとうまく関係が築けていない。担任先生の提案で子どもたちは取材ＶＴＲを見て話し合い、次第に心を通わせて互いに理解を深めていく。