四国各地のさまざまな祭りを紹介するシリーズ。（１９９６年４月２７日放送開始）◆荘内半島に春を呼ぶといわれる百手祭は、旧暦の１月から２月にかけて行わる。小笠原古流の独特の方法で矢を射て、その年の家内安全、五穀豊穣、豊漁を祈る。昔のままで受け継がれているものは少なくなり、現在、生里、大浜粟島、坂出市櫃石島の百手祭りが香川県の無形民俗文化財に指定されている。

農業王国十勝平野の大動脈・十勝川の歴史と今を伝えるドキュメンタリー。川と人間とのふれあいを復活させようと努力する「帯広サケの会」の人々の活動や豊かな自然が息づく十勝川の四季の映像で構成する。

　日登美美術館は、こよなく日本を愛したイギリス人の陶芸家、バーナード・リーチの作品を中心に彼と半世紀にわたる親交を結んだ富本憲吉、浜田庄司の作品を展示している。日本の民芸運動をリードした柳宗悦らとともに、彼らが目指したものは、日常の暮らしの中で、美しい生活の器を創ることであった。李朝の陶器や日本の民芸陶器を原点に、中世以来のイギリスの伝統を蘇生させ、東西交流の実をあげたと高く価されている。（滋賀県永源寺町）

国の天然記念物の淡水魚「ネコギギ」が捕まった愛知県の五条川は、天然記念物の棲む川として文化庁に登録された。しかし、その年・１９９５年の秋、五条川では河川改修工事が行われていた。番組では、小さな命との出会いを通して五条川の自然の素顔を探り、水質の悪い都市河川にたくましく暮らすアユや保護されているハリヨなどの現状を伝え、人と自然との付き合い方を考える。

１９８６年登録。◆セントキルダはイギリスの北西部にある群島で、最も高い断崖は４３０ｍ、ヨーロッパでも最高である。その地形を利用して百万羽を越える海鳥が生息、繁殖地にしている。ここには人間も住んでいて、鳥を獲って暮らしてきたが、１６９７年の１８０人を最大人口とし、１９３０年には最後の住民が島を離れた。その子供と孫が、夏、母の故郷を訪ねる様子を主たる軸にして島を見ていく。◆海のピエロともいわれるニシツノメドリの、奇妙な顔が笑わせる。

全国のユニークなミニ博物館の展示物を、わかりやすくおもしろく紹介しながら、博物館を生んだ「風土」「産業」「人物」などを交えて構成する。◆「日本独楽博物館」は民家の１階に造られた素朴な博物館。展示されているコマは凡そ３０００点。館長・藤田さんが２０年以上かけて集めたコマで、他にも１万個以上並べきれないコマがある。藤田さんは平成元年にこの博物館を造った。

福井県大飯町の大島半島は、かつては陸の孤島であった。小さな森が点在し、そこには大樹があり、ホコラが祀られている。森の祭りを中心に住民の信仰心を記録する。森は神聖で村人も入れず、汚してはならないとされている。森というのは、神を祀る聖域を表す言葉であるともいわれ、全国的に見ても血縁集落にその名が残る例は少なくない。大島半島の森にもそれを見ることができる。◆烏喰いの神事〔福井県〕

川崎・横浜の臨海部をつなぐ京浜運河は、日本経済の高度成長を支えた工業地帯の動脈の海。界わいでは工場が移転し、７０年近く走り続け人々に親しまれてきた電車が消えてゆく一方で、生きものや人々の暮らしが海辺に彩りを加えるようになってきた。