一度家族を捨てた女性を再び受け入れるまでの家族の心の揺れを描くドラマ。◆６年前、若い男と恋に落ちて夫と二人の子を捨てた母親が、愛人の死をきっかけに突然家族の前に現れた。息子は戸惑いながらも母を気遣う。身勝手だと罵っていた娘も、やがて同じ女性として母の気持ちを理解し始める。かつて手ひどい屈辱感を味わわされたプライドの高い元航空自衛官の夫は、あっけらかんとした妻の態度に憤りながらも、思わぬ言葉を口にしていた。初秋の浜松郊外の小さな駅、ベンチに座る夫の前に電車から降り立ったのは、白いスーツに身を包んだ妻だった。

鳥取県西部にある淀江漁港は、古くから沿岸漁業が盛んで、刺し網漁を中心に漁が行われている。また山陰の漁港ではここでだけ、専業でタコつぼを使ったタコつぼ漁も続けられている。タコつぼ漁は、タコが暗くて狭い所を好む習性を利用した漁で、５００メートルのロープに１０メートルごとにタコつぼを付け海に沈め、数日後引き上げる。１８歳からタコつぼ漁をやってきた福留さんは、朝早く港を出港し漁場に向かう。漁場に着くと目印の標識をたぐり、タコつぼを引き上げていく。つぼの中には、中海でとれるシラカイが入れられており、タコがシラカイを食べようとすると蓋がしまるという仕掛け。この漁はなかなか力がいる漁で、後継者の心配があるが、福留さんは身体が続く限りタコつぼ漁を続けたいと話す。

熊本県内９４市町村の美しい風景や次の時代に残すべき文化財を、それにまつわるさまざまな情報とともに紹介する。◆今回は、かつて隠れキリシタンの里だった天草町大江地区を訪ね、大江天主堂などを紹介する。

金刀比羅宮、人々は親しみを込めて、こんぴらさんと呼ぶ。香川県中部の琴平町にある。７８５段の階段で有名だ。◆足の弱い人は石段かごに乗る。かご屋さんの足どりはすいすいと軽いが、かごは大門のある３６５段までで、そこからは歩く。境内で唯一営業を許された五人百姓という飴屋や、山中象堂さんの一刀彫の店がある。そして本堂がある。参拝の後には、最古の歌舞伎小屋、金丸座にも足を延ばせる。◆本堂に毎日通う７９歳の象堂さんは、「石段も山も体の一部みたいなもの」と軽々のぼる。◆金刀比羅宮、旧金毘羅大芝居（金丸座）【重文】

桜の巨樹とともに生きる人の人生を描くドキュメンタリー。◆金沢の「大桜」は、樹齢４００年の桜の木。美音さん（当時７３歳）は、大桜にほど近い西茶屋街のお茶屋で女将を務め、現役の芸妓でもある。８歳で東京から売られてきて、芸子見習、戦争など経験しながら笛の芸を磨き、「金沢に笛の美音あり」と言われるまでになった。大桜はその美音さんの人生を見守ってきた。一方、岐阜県宮村の「臥龍桜」は樹齢千年。山腰さん（当時７４歳）は、２０年前に事故で右腕を失った絶望から、この木を描くことで立ち直った。桜は冬に耐えてこそ見事に咲く。

大型バイクを駆使する女性刑事と頑固なベテラン男性刑事のコンビが難事件に挑む。◆機動捜査隊員の音道貴子は１年前に離婚。男社会の警察組織の中でむなしさを感じ始めていた。そんな折、大型の獣に人をかみ殺させる連続殺人事件が発生。貴子はベテラン刑事の滝沢と組んで捜査に当たるが、滝沢は貴子を相棒とは認めない。貴子は人を殺したのは狼犬と考え、犯人は犬の調教ができる人物と推定する。元警察犬訓練士・高木が犯人として浮上、高木は娘を麻薬で廃人にした者たちへ復しゅうしているのだった。ところが、高木の家が放火され、娘は死に高木は重体に。飼っていた狼犬・疾風（ハヤテ）は消えた。滝沢と貴子はひん死の高木から、放火犯が小川と聞き出す。小川は高木に便乗して殺人を犯し、それを高木に見つかったと勘違いしたのだった。疾風が小川を襲う可能性が出てきた。貴子はバイクで疾風を追いかける。

外国人の入浴を断る公衆浴場をめぐって、外国人との付き合い方を考えるドキュメンタリー。◆小樽のある公衆浴場は、３年前の開店当初から「外国人お断り」の看板を掲げる。大学講師の男性は来日１３年。日本国籍も取得したが、「外見上は外国人」として入浴を断られた。彼ら入浴を断られた外国人は、人種差別撤廃を求めて浴場や小樽市に抗議するが、浴場側は「やむを得ない措置」と突っぱねる。やがて論争は法廷へ。銭湯をこよなく愛する日本人や外国人の様々な意見から、外国人との付き合いが下手な裸の日本人が見えてくる。

視聴者に公募した「心に残る風景」や「伝統の味や技」などを毎回取り上げ、２１世紀に残しておきたい「みやぎのとっておき」を紹介する。◆今回は、支倉常長の青春の足跡の残る川崎町を訪ねる。