治安維持法と予防拘禁法による長期の獄中生活に耐えて非転向を貫き、戦後は日本共産党の非合法化によって中国へ亡命、客死した徳田球一の生涯と功績を見つめる中で、戦前戦後の日本国家を考える２夜連続シリーズ。◆後編では、戦後“トッキュウ”のあだ名で慕われた議員時代から、中国へ亡命して客死するまでの足跡を辿り、彼と行動を共にした人々を娘の摩耶子さんが中国に訪ねて、知られざる北京の日々を浮かび上がらせる。

福岡県朝倉町は、日本米づくり百選に選ばれた。それを支えているのが、二百年も前から伝わる三連水車と、すぐ近くの二連水車である。これで筑後川の水を田に流す。◆水車は５年でつくりかえる。妹川さんら大工が、４か月をかけ、４メートルをこえる水車をつくる。通水式は雨だったが、子供たちは大喜びで絵に描いた。妹川さんは朝晩の管理も怠らない。◆万能ネギ、川魚料理も朝倉の名物だ。藍染めの久留米絣をつくる人もいる。車が走り、農業は近代化するが、水車は回り続ける。◆堀川用水及び朝倉揚水車【史跡】、久留米絣【伝統的工芸品】

世界最大のトカゲが棲むコモド国立公園を訪ねる。◆無数の島々からなるインドネシアのほぼ中央、小スンダ列島のコモド島は、海峡に阻まれて、固有の動植物が多く、サンゴ礁の上に広がる地上の楽園となっている。◆１９１２年、この島に不時着したオランダ人パイロットが発見した全長３メートル余の巨大なトカゲは、全世界を驚かせた。◆島民たちは獲物の余りを与え、長い間コモドオオトカゲと共存してきた。だが国立公園となって狩猟が禁止され、近頃は家畜が襲われるようになったという。◆コモド国立公園

旧彦根藩主、井伊家に伝わる「彦根屏風」は、江戸初期に描かれた風俗画の傑作であり、我が国のその後の衣裳や工芸のデザイン、浮世絵などに大きな影響を与えた。作者が誰であるか、どういう経緯で井伊家の所有になったか、又、屏風絵がいつ額装となったのか等が、一切謎に包まれている。計算され尽くした構図のうえに、それぞれ特色ある遊里の人物像が伸びやかに描かれ、いまにも三味線の音や人物の会話が聞こえてくるようだ。専門家が多方面から、この絵画の魅力に光を当てる。◆彦根屏風【国宝】（彦根城博物館蔵）

蓮華王院本堂（三十三間堂）は平安末期の１１６４年、後白河上皇の発願で建立され、千体を超す千手観音像は平清盛が寄進した。戦乱と疫病に苦しんだ末法の世の民衆に、仏の慈悲による救いの姿を指し示すとともに、権力の誇示でもあったのだ。だが、間もなく上皇は崩御し、平家も滅亡した。播磨の国の浄土寺は、鎌倉時代の初期に、東大寺の大仏を再興した重源上人が、近郷の浄財を募って建立した。黄金の阿弥陀三尊を朱色の堂内に据え、荘厳な光の中に、阿弥陀来迎の空間を現出した。◆蓮華王院本堂（三十三間堂）【国宝】（千手観音坐像【国宝】、千手観音立像【重文】）、浄土寺浄土堂【国宝】（阿弥陀三尊像　快慶作【国宝】）、阿弥陀聖衆来迎図【国宝】（有志八幡講十八箇院蔵）

祭司の館は、現在も民衆の心の拠り所となっている。◆西アフリカ、ガーナ内陸の都市クマシは、かつて黄金や奴隷の貿易で繁栄した、アシャンティ王国の首都であった。◆ヤシの葉で急勾配の屋根を葺き、壁を粘土で固めた伝統的建築物は、１７～１９世紀のイギリス植民地時代に破壊され尽くした。しかし、王国の伝統は残され、王室も存続している。◆クマシ周辺に、僅かにいくつか伝統建築の祭司の館が残っている。今でも呪術師による祈りの行事が行われ、土着の信仰と文化が息づいている。◆アシャンティの伝統建築群

京都帝国大学で湯川秀樹博士らを育てた福島県出身の新城新蔵の生涯を描く。◆新城は明治６年（１９７３）、造り酒屋の六男として会津若松に生まれる。帝国大学を卒業し、ドイツで物理学を学ぶ。京都帝国大学理工科大学教授となり、理学博士の学位を受ける。後にノーベル賞を受賞する湯川秀樹博士などを育てた「宇宙物理学講座」を新設し、京都帝国大学総長を務めた。昭和１３年（１９３８）８月１日、６５歳で急逝。『宇宙進化論』『天文大観』などの著作を含む１万冊の蔵書は国会図書館に寄贈され、新城文庫と名付けられている。

子供向け料理番組「ひとりでできるもん！」の海外スペシャル。主人公のまいちゃんが、「食」を通して言葉や習慣をこえた友達を探しにベトナムへ旅立つ。◆ベトナムの首都・ホーチミン市から１時間ほどのフー・ホア・ドン村で、お米を「神様の真珠」と呼んで大事にしている人たちに出会う。女性たちが生計を立てている「ライスペーパー」作りにまいちゃん（伊倉愛美）も挑戦、また友達になったチンちゃんと、ライスペーパーを使った料理作りにもチャレンジする。