時代の流れとともに消えようとしている、ふるさとの素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを映像遺産として後世に伝えるシリーズ。◆ラジューム温泉で知られる鳥取県三朝町の三朝温泉では、毎年５月４日の花湯祭で“じんしょ”と呼ばれる綱引きが行われている。綱引きの大綱は、藤カズラでつくられる。山から切り出されたカズラは温泉街の真中を流れる三徳川に浸し、綱引き前日に地区の男性が東西に分かれて雌、雄の綱を編む。カズラだけで編まれる大綱は全国でもほとんどないという。編まれる大綱は１本の長さ８０メートルで、重さは２トンにも及ぶ。“じんしょ”の語源は定かではないが、もともと端午の節句に邪気を払うため行われたのが始まりと伝えられている。今は、東方が勝てば豊作、西方が勝てば商売繁盛となった。東西の綱を結合する壷口にかせ木が入れられ綱引きが開始される。温泉客も加わって綱引きは最高潮。勝負は一回だけ。今年は東方の勝利で幕を閉じた。

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆開拓期の北見で伝道活動を行ったアメリカ人宣教師ピアソン夫妻の物語を取り上げる。夫ジョージが心血を注いだ日本語訳の聖書注釈。人々が初めて聞いたであろうオルガンの音色。人々に慕われたピアソン夫妻の足跡を辿る。

ＮＨＫ連続テレビ小説第６５作「ほんまもん」（２００１年１０月１日～２００２年３月３０日放送）の総集編。食いだおれの街・大阪で、人々にぬくもりを与える幸せの味を生み出す「本物」の料理人を目指して精進を続けるヒロイン・山中木葉の姿を描く。作：西荻弓絵。（全４回）◆総集編・第３回「奮闘の巻」。木葉（池脇千鶴）は父の店を継いで独立する。異母姉妹との確執・和解を経て、料理人としても成長した木葉は、松岡と結婚。娘も生まれて気概を新たにする。

クリスマス、信じる力を取り戻したいとき奇跡が起きる。乾いた心に潤いと温かさを贈る正統派ラブストーリー。◆上倉彩（菊川怜）は、メーカーの顧客相談室に勤める２５歳のＯＬ。どこか現実的な性格のためか、恋愛にのめりこめない。ある時、写真館の軒先で雨宿りをしていると、男がそこへ駈け込んできた。鈴木翔平（海東健）との出会いだった。二人は写真家の館主・希ノ塚（中村嘉葎雄）に予約客と間違われ、成り行きで恋人同士を演じる。そして希ノ塚から唐突に「初恋の人、竹原ゆい子（池内淳子）を探して欲しい。」と頼まれる。人探しを通じて二人は近づくが、その後はやはり離れてしまう。そして、クリスマス。夢見る気持ちを忘れていた彩に、奇跡が起きる。

南米、パタゴニアの大地が大西洋へと突き出すバルデス半島は、多くの貴重な動物たちを育む「いのちのゆりかご」となっている。半島全てが自然保護区であり、動物たちがありのままの生活を見せるバルデス半島は、１９９９年世界遺産に登録された。この動物たちの楽園であるバルデス半島を２回にわたって送る。◆後編。ゾウのような大きな鼻を持ち、重さ５トンにもなるミナミゾウアザラシは、世界最大の鰭脚類である。バルデス半島は彼らの重要な繁殖地であり、乱獲により一時は絶滅を危惧されたミナミゾウアザラシの個体数が世界で唯一増加しているコロニーでもある。９月から１０月にかけて、メスはバルデスの浜辺で出産し、約３週間エサも食べずに授乳を続ける。彼らの繁殖様式は極端な一夫多妻で、一頭のオスの周りに３０～１００頭のメスが集まりハーレムを作っている。ハーレムの主は、別のオスが群れに近づくのを許さない。メスを狙ってやってくる相手と、時には巨体をぶつけて血塗れの闘いを繰り広げる。

アフリカの大地に住むマサイの言葉で「果てしない平原」を意味するセレンゲティ国立公園。ここには約６０種類もの大型の哺乳類、３００万頭もの草食獣が、草や葉を食べ分けて、共存している。この公園は、太古から続く動植物の生態系が自然のまま残る貴重な場所として、１９８１年に世界遺産に登録された。この世界最大の野生の宝庫で行われる命のドラマを２週にわたって送る。◆後編。セレンゲティは、地球上で最も数多くの大型哺乳類が残る場所で、野生のライオンが２０００頭以上も生息するのは、ここだけである。ライオンは、２～３頭のオスが支配する縄張りの中で、血の繋がったメスと子供たちで群れをつくって暮らす。狩りが下手なライオンは、子育てを共同で行うが、それでも大人になるまでに８０％が命を落とす。その大半が餓死である。ライオンのオスは、２歳で成熟すると、生まれた群れを離れる。力をつけて、群れを乗っ取らない限り、放浪し続けなければならない。そこに、強いものを生み出す「掟」があった。◆オグロヌー、マサイキリン、アフリカゾウ、ヒョウ、インパラ、ライオン、チーター、トムソンガゼル、ハーテビースト

現代の売薬事情を検証する。◆３００年続く製薬会社は、「クレームのつくような商品は絶対につくらない」という言い伝えを守っている。先用後利の心が顧客第一主義として受け継がれているのだ。一方、売薬さんは「配置販売業」と名前を変え、現地居住型が増えてきた。それでも、セールスだけでない深いつきあいを求めて「売薬さんと呼ばれたい」と語る人もいる。相手の顔を見ながらの多品種少量生産は、グローバル経済と正反対だが、社会変化を乗り越えてきた売薬から学ぶことは多い。

岡山県内各地で歌われている“わらべ歌”を、その地域の子どもが歌うのに合わせて、その歌に関係する歴史や風土を紹介する。◆この回は倉敷市の「おちゃらかホイ」。