１２００年以上も前に建立された「奈良の大仏」の建立技術の謎を解解明する。◆１９８８年（昭和６３）３月、大仏殿の西回廊に近い傾斜地から大仏建立に用いられた炉片や多数の木簡（字句などを木の札に書きしるしたもの）が発掘され、大仏鋳造の物的証拠として話題をまいた。これによって当時の大仏の推定重量、金や銅などの資材の量、総動員数、建立方法などが裏付けられた。◆番組では、コンピューター・グラフィックスを使い大仏建立に用いられた古代の鋳造技術を再現し、その建立技術を解明する。

当代きっての立女形といわれる尾上梅幸に、舞台と日常生活の切り替えの極意を聞く。◆芝居は嘘を実に見せるもの。嘘を実に変えて、なお美しく演じることが女形の真髄である。尾上梅幸が女形になったのは立役に向かないと父に言われた体格であった。女形といっても舞台の時だけ女形であればよいと教えられた父の言葉が重い。

約２００年前に存在を知られていらい人々の心を惹きつけてきた南極大陸。そこへの道のりをたどる砕氷船からの映像と、南極大陸での映像、南極で冬を過ごした越冬隊の談話などからその姿を紹介する。◆１２月末、アルゼンチンのブエノスアイレス港から砕氷船“イリーサ”が南極基地の物資補給と要員交替のため出発した。目的地ベノグラーノ基地は南緯７７度５２分、西経４５度５９分のところにあり、イリーサ号は２か月をかけて旅する。船上での越年、南極圏通過祭などの船中行事や暴風雨、氷山との遭遇など自然を紹介。基地に到着してからは基地風景などを紹介し、８６年度越冬隊員と８７年度越冬隊員との交替式までを伝える。

ひとりっ子どうしのカップルが結婚にこぎつけるまでの茨の道を描くホームドラマ。（１９８８年１０月８日〜１０月２２日放送、全３回）◆双方の家族に結婚を大反対されている宗太と郁子は、ついに同棲という最後の手段に出た。しかし家出同然のところからスタートした新生活であり、親がかりで暮らしていた二人には不自由極まりない。すぐに音を上げて帰ってくると見た親たちだが、一カ月たっても戻らないので様子を見にいく。あまりにひどい暮らしぶりを見て二人の覚悟を知り、結婚を許すことにする。ところが当の二人が耐え兼ねて家に帰ってきてしまった。今度は立場が逆転、親がふたりを励ますことになる。

世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆コロンビアのアマゾン源流カナナリ川。この流域の村々では、月に一度徹夜で酒を飲み、友好を深めるパーティを昔から催しているという。近々そのパーティが行われるというカビヤリ族のロカス・デル・カナナリ村を訪ね、その様子を記録する。コカ・酒・ヤヘェなど、酔うためのあらゆる手段が用意され、徹夜のパーティは翌日の午前６時まで続いた。

名古屋市有松町は隣の鳴海町と共に、江戸時代から絞りの名産地として名高い。広重の『東海道五十三次・鳴海』には、必ず絞りの風景が登場する。ここの絞りは世界に類がないほど種類が多く、独特の風格がある。◆たくさんの工程はすべて分業制で、営々と作り続けられてきた。多くの人の熟練した技が結集して３８０年の伝統を誇りながら、「有松鳴海絞」は多彩な絞り模様を現代に受け継ぐ。

俳人小林一茶（１７６３〜１８２７）の故郷長野県信濃町柏原をはじめ、東京・本所、千葉県富津、茨木の守谷などゆかりの土地を訪ね、一茶の句の魅力、芭蕉と一茶の生き方の違いを考える。◆６４歳で世を去った一茶の死から１６０年たった今、呼吸をするように庶民の哀歓をうたった一茶の句とその生き方が再び注目を集めている。ゆかりの地をめぐることで時代ごとに一茶の心情を探る。

１９８８年９月１７日から１０月２日まで、韓国・ソウルで行われた第２４回オリンピックのハイライト。◆１６日間にわたる祭典はメインスタジアムの開会式で始まる。聖火リレー、選手宣誓、マスゲームなど、華やかな式のダイジェストに続き、今大会の大逆転シーンの数々、各競技のメダルの行方などを伝える。◆男子水泳、シンクロ、男子体操、レスリング、柔道など日本選手のメダリスト、カール・ルイスやフローレンス・ジョイナーといった陸上のスター選手の活躍などのほかに、ドーピングで失格したベン・ジョンソン、ボクシングでの乱闘など、ソウルオリンピックのドラマを再現する。