百万都市・福岡の中心部に近い、那珂川沿いの一角に美野島は在る。“地の人”が多く、お年寄りの比率は中央区と並んで福岡市では最も高い。美野島での自治連合会、民生委員、公民館など地域の活動やデイケアセンターを取材する。◆美野島は自治連合会、公民館などを中心に“お年寄りに優しく、元気な街”を目指して活発に動き始めている。介護保険施行を翌年に控え、自主的な地域主義の精神に基づき、その受け皿作りを始めたといえる。◆番組タイトルの「心配せんでもよか」は、周りの人がお年寄りに「じいちゃん、ばあちゃん心配せんでもよかよ」という呼びかけと、お年寄りが周りの人に「しっかりやっていくから心配せんでもよか」という二重の意味を持つ。◆人は死ぬまで懸命に生きようとする。人生を戦ってきた老いた戦士に、社会がしてあげられることは何か。地域社会がしてあげられることは何か。美野島ならではの解決策はまだ見えない。しかし、懸命にそれを目指して一歩一歩前進している。

関西地方の特色ある建物の外観と室内を紹介する。◆滋賀県近江八幡にあるヴォーリズ記念病院の建物を取り上げる。

重度障害者の夫婦を取材し、二人の日常生活や近所の人々、ボランティアとの人間関係を記録して、「ふつう」ということばをキーワードに地域の中で共に生きることの意義を考える。◆奈良市に住む夫婦は、ともに脳性マヒで重度の障害がある。二人には幼い息子が一人いる。週５日公的介護者が来るが、とても間に合わない、そこで近くの主婦、学生らがボランティアでかわるがわる家に出入りする。介護する側とされる側が言いたいことを言いながら、理解を深めていき、彼らの間にはくったくのない人間関係がある。

青森県には津軽地方と南部地方があり、昔から異なる文化が伝承されている。中でも言葉は、互いに独特の、会話の方言がある。その２つの方言を、それぞれ南部弁を津軽地方へ、津軽弁を南部地方へ、タレントが持っていき、一般の人々へ質問し取材する。◆今回は津軽弁の「ヘンチ」を取り上げる。

開局３５年を機会に、「うつくしま、ふくしま」県民運動に呼応して選定委員会を組織、自然との共生、自然にやさしい心を再認識するための第一弾として「うつくしま百名山」を選定した。（１９９９年５月１０日～２０００年７月２４日）◆万葉集にも詠まれた歴史をもつ安達太良山を主峰に、尾根歩きもたのしめる峰の連なる山。

江戸深川を舞台に、粋な髪結いの伊三次が同心の密偵として髷棒一本で事件に立ち向かう時代劇。（６月２３日終了、全９回）◆１２才で両親に死に別れた伊三次は、家々を訪ねる廻り髪結いをしながら長屋暮らし。慎ましい暮らしで貯めた３０両で株を買い、店を持って芸者の文吉と所帯を持とうと決意するが、大晦日の夜にその３０両が盗まれてしまう。馴染みの八丁堀の同心・不破友之進も心配する。伊三次は不破の御用を務める岡っ引きの留蔵に相談し、一緒に盗まれた紋付から下手人の名が割れる。それは、伊三次が弟のように可愛がっていた弥八の犯行だった。

世界中の美術家から支持されている彫刻家・舟越桂。彼にとって彫刻とは表現するための立体、言葉のない詩だ。“時間を彫る人”舟越は母校である東京芸術大学の競作展に出品するため、この年最後の作品にとりかかる。その制作過程を追いながら、彼の彫刻作りにおける美学に迫る。

江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜の、苦悩と葛藤の半生を描いた大河ドラマ「徳川慶喜」（１９９８年１月４日～１２月１３日、全４９回）の総集編。（２３日～２６日、全４回）◆大老となった井伊直弼は、朝廷の許可を得ないままアメリカと通商条約を結ぶ。慶喜やその父・斉昭は、朝廷を軽んじた行為を責めるが、逆に謹慎・隠居に処される。いっぽう、朝廷では幕府が条約を結んだことに対し、斉昭の地元・水戸藩に対し条約反対の勅諚を下した。対する井伊は条約反対派を厳しく弾圧し「安政の大獄」を引き起こす。攘夷派の怒りは頂点に達し、「桜田門外の変」へと続く。