１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「ロッキーへ」と題して、カナダ・大陸横断鉄道（エドモントン・ジャスパー・バンクーバー）を紹介する。

木と共に生きる中国の少数民族を紹介するドキュメンタリー。◆トン族は中国南部貴州省に暮らす少数民族。彼らの自治州には「杉の海」と形容される一面の杉林が広がる。生活のために木を伐採する一方、次の世代のために植林を続けてきたのだ。それぞれの村には高さ２０メートル以上の木組みの楼閣「鼓楼」がそびえる。鼓楼は「木の精」を象徴し、村の大事な寄り合いや結婚式、祭りなどの開かれる神聖な場所になっている。約１００戸の登岑（とんじん）村では村を上げて、文化革命時代に焼かれてしまった鼓楼を再建に取り組む。

不況の波にさらされている逆境の時代をどう生き抜くか。各界の第一線で活躍している“人生の達人”が、会社と付き合う賢い方法や人生を楽しく生きる術、これからの発想法などを講演スタイルで指南する。（７月６日～９日、全４回）◆第３回は作家の安部譲二氏。作家デビュー前、さまざまな職業を経験してきた安部氏が常に心がけていたのは「馴れ合いの関係に溺れない」ということだった。「徒党を組むのをやめ、個人としての自分を研ぎ澄ますチャンスの場として会社を捉えよ」という安部氏の信念は、個人の能力がより問われるようになった現代にこそ生きる。

ディジタルオーディオの開発は、ＦＭ放送の音響劣化を防ぐことをきっかけに世界に先駆けて日本で始まった。その１号機は、１９６７年に２インチのビデオテープを利用して作り上げられた。これがＤＡＴ（ディジタル・オーディオ・テープ）１号であった。その後、直径３０ｃｍのディスクを利用したＤＡＤ、さらにＩＣ、ＬＳＩの性能向上とともに、小型で軽量のＣＤへと展開され、今日に至った。デジタル録音・再生の仕組み、開発の苦労と今後の発展について講義する。講師は社団法人日本オーディオ協会会長の中島平太郎氏。

ベトナムの北端、ハーロン湾は、３０００もの奇岩の島からなる景勝の地だ。ハノイが昇竜タンロンと呼ばれるに対し、こちらは降竜ハーロン。竜は守護神である。◆犬、貴婦人、闘鶏など、形で名付けられた島が９００ある。内海は千種もの海洋生物が棲む豊かな漁場で、潮が引けば有明海のような干潟となる。◆筏で浮きながら暮らす村がある。ここでは腎臓から小児マヒのワクチンをとるために、サルが飼われている。昔は所狭しと駆けめぐった二本マストの帆船も、今は観光客相手だけになった。◆ハーロン湾

奈良ゆかりの芸術家や職人をジェフ・バーグランドが訪ねインタビューするドキュメンタリー。◆木工細工に金銀や貝などを埋め込み、緻密な模様を描く木象嵌。江戸期には櫛や香合などの装飾技法としてもてはやされた。学生時代にグラフィックデザインを学んだ山中俊彦さんは、師匠も持たず、全くの独学でその技法を習得した。「工芸は時代を背負わないといけない」と語り、正倉院文様などを踏まえながらも現代性を感じさせる作品を作り続ける。

アメリカの中部西寄り、全長４４６キロ、幅２９キロ、断崖１７００メートル、世界最大の谷をコロラド河が流れる。グランドキャニオンである。◆そこには２０億年前の岩まで露出する。空から見ると、生命を寄せ付けない景観が延々と続く。◆しかし、こんな谷にも先史時代から先住民ワラバイが住んだ。北側のノース・リムには、１０００種以上の植物が茂り、３００種以上の動物がくらす。３０年に一度花が咲くセンチュリープラントもある。東京都の２倍の面積を持つ大渓谷は、見るものを圧倒する。◆グランドキャニオン国立公園

山を怖れ、山の恵みを巧みに利用し、山の自然と折り合いをつけながらの暮らし。そこには人の営みの原点をみることができるようだ。今も生きる山の民の暮らしの珍しい話題を伝える。◆木肌、木目を生かしたそば粉のコネ鉢作り、菅ゴザ編み（六合村）、谷を渡す暮らしの索道（東祖谷山村）、そばとじくり、トチ餅づくり、酷しい傾斜畑での農作業（水窪町）、昔ながらの焼き畑農業（椎葉村）、山太郎様、川太郎様信仰（球磨村）、山の蜜蜂飼育（古座川町）など。◆取材地は群馬県六合村、徳島県東祖谷山村、静岡県水窪町、宮崎県椎葉村、熊本県球磨村、和歌山県古座川町。