中国東北地方に伝わる「幽婚」を題材に、緑滴る山里を舞台にした切なくも哀しい純愛ドラマ。日本人が本来持っていた“人への優しさ”を描く、現代人へ送る癒しの物語。◆岩淵孝行（役所広司）は名古屋の霊柩車運送会社に勤める元ヤクザの独身男。ある日、内田という男に急死した婚約者・畑中佐和（寺島しのぶ）を四国の山里の村へ送って欲しいと依頼される。が、内田は突然姿をくらまし、岩淵はその村の奇妙な風習に従って佐和の亡骸と祝言を挙げるはめになる。式の後、岩淵は佐和に対して不思議な愛情を抱くようになっていく。

パリの南方、ロワール地方には、数百もの城があるが、１６世紀のフランスの王、フランソワ１世が建てた、アンボワーズ城とシャンボール城を主として見ていく。◆アンボワーズの町には、レオナルド・ダ・ビンチが晩年を過ごしたクロ・リュセの館があり、王や城とかかわるエピソードが描かれる。◆城は他にも紹介されているが、なんといっても、フランソワ１世の夢の具現化というふたつの城が、城砦という概念を超え、贅沢きわまりない芸術作品として堪能できる。

瀬戸内海と日本海に挟まれた中国地方五県の自然と、そこに生息するさまざまな生き物の生態を伝える。◆今回は、広島県戸河内町三段峡のナメラダイモンジソウを紹介する。

京都の街並み、人々の暮らしをさまざまな角度から描き、その魅力を紹介する。◆この回は「癒しの音に耳を寄せて」。

三重県鳥羽市沖合の神島（かみしま）は、古くから伊勢湾海上交通の要衝として知られる。この島に伝わる珍しい祭りの克明な記録。◆元旦の祭りを目指して正月の島は帰省者で溢れ、１０センチは海に沈むといわれる程の賑わいだ。祭りのハイライトは島の男が総出で一年の厄落としと新年の豊漁祈願のため、グミの枝を編み上げた直径２メートル程の大きな輪を長い竹竿で空中高く叩き合う「アワの突き上げ」である。宮持という一年交代の氏子総代を中心に島を挙げて行われる祭りの進行を丹念に描く。

約２億年前の中生代から生息しているウミガメ。現存する化石から、当時は２００種が存在していたと推測されている。しかし現在では７～８種が残るまでに激減し、絶滅の危機に瀕している。これらのウミガメの生態に関しては、いまだに不明な点も多い。その中から、日本近海で卵を産む唯一のウミガメ「アカウミガメ」を取りあげる。アカウミガメの誕生から、成長の様子、日本からどこに向かい、どのように帰ってくるのかを、コンピューターや人工衛星などの最新技術を使い、その謎を解明する。アムウェイ・ネイチャードキュメンタリー。

インドネシアで熱帯雨林の樹上に家屋を築いて暮らすコロワイ族の生活を記録したドキュメンタリー。◆インドネシア領イリアンジャヤは、ニューギニア島の西部に位置する。島を覆う熱帯雨林の奥地に、コロワイ族が暮らしている。彼らは今なお原始生活を思わせる生活をしている。サンゴヤシの澱粉を主食とし、森の樹木の上に鳥の大きな巣箱のような家をつくり、暮らしているのだ。多くの木の中から特に頑丈な木を支柱に選び、周囲に足場を組んで、みごとに家を作り上げていく。しかし、彼らがなぜ樹上に家をつくるのかはまだ明らかにされていない。

「ふるさと紀行」は放送３５周年を迎えた。このシリーズは懐かしい唱歌、童謡など心に残る歌のふるさとを訪ねて日本列島を縦断する。◆歌詞の通りのつち打つ音が今日も響く兵庫県三木市。町の中央を美嚢川が流れ、旧街道沿いには白い土蔵が並び、昔ながらの面影を残している。三木市は江戸時代から金物の産地として発展し、今も多くの人が金物産業に携さわっている。旧街道には江戸時代からの金物問屋の趣のあるたたずまいが続き、一歩路地に入ると、鍛冶職人の仕事場からつち打つ音が聞こえてくる。１９７８年（昭和５３）に教科書から姿を消した「村の鍛冶屋」を惜しみ、三木の鍛冶職人たちは鍛治の神、製鋼の神、鋳物の神を祭った金物神社に記念碑を建てた。