作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は森絵都作・野際陽子朗読の第４回「少しずつ」。

１２年に一度の午年総開帳を迎える秩父三十四所観音霊場を訪ね、寺の歴史的由来や特徴、見どころを紹介するシリーズ。◆第１回は１番札所の誦経山（ずきょうさん）四萬部寺（しまぶじ）と、２番札所の大棚山（おおだなさん）真福寺（しんぷくじ）を紹介する。

２００２年８月２４日と２５日に開催された原宿の第２回スーパーよさこいの記録。◆高知の代表的祭り「よさこい祭り」は、昭和２９年（１９５４）、戦後不況の中で誕生した。以来５０年余、踊りは年々進化をとげ、よさこいスタイルの祭りは高知から全国に広がった。その数は２００以上と言われる。「原宿表参道元気祭　スーパーよさこい」もその一つ。地元商店街が原宿から日本人の元気を世界に発信したいとの思いから、２００１年８月に第１回を開催した。今回は本家高知をはじめ全国から４２チームが参加し、お国柄や特色を織り交ぜて熱い踊りを競う。

アフリカの大地に住むマサイの言葉で「果てしない平原」を意味するセレンゲティ国立公園。ここには約６０種類もの大型の哺乳類、３００万頭もの草食獣が、草や葉を食べ分けて、共存している。この公園は、太古から続く動植物の生態系が自然のまま残る貴重な場所として、１９８１年に世界遺産に登録された。この世界最大の野生の宝庫で行われる命のドラマを２週にわたって送る。◆前編。セレンゲティの主役はヌー。公園の範囲は、ヌーが新しい草を求めて、大移動する範囲に合わせて決められた。１年で３０００キロの過酷な旅をするヌーは、２月のわずか２週間の間に一斉に出産する。それは、肉食獣の攻撃を分散するためである。赤ん坊は生まれると直ぐに立ち上がり、数分後には走り出す。しかし、１ヶ月後、親とはぐれ餓死する子や天敵に食われる子は、半数にも達する。それでも命を繋いでいくためには、それで充分なのである。◆マサイキリン、オグロヌー、サバンナシマウマ、グランドガゼル、ウォーターバック、インパラ、コピエ、ディクディク、ブチハイエナ、イランド、セグロジャッカル、ライオン、ハゲワシ

日本で唯一の「橋の上にある市場」と共に生きてきた人々を描くドキュメンタリー。◆岩手県釜石市を流れる甲子川（かっしがわ）には、橋上市場がある。露天朝市が前身で４５年の歴史を持つが、並行する大渡橋の架け替え工事に伴い、２００３年１月５日を最後に、幕を閉じることになった。隣の山田町から通う人おばあさん、思い出の写真展を企画する雑貨店の女主人。人々の人生を市場の歴史に重ねて描く。

産業廃棄物不法投棄で荒廃した瀬戸内海の島・豊島を緑の島に再生する安藤忠雄と小学生たちを描くドキュメンタリー。◆人間の手で汚された豊島にオリーブを植える人の輪がある。「ドングリ大作戦」を展開する国際的な建築家・安藤忠雄と島の子供たちだ。子供たちが拾ったドングリは、半年の格闘の末に芽を出した。植樹した苗には自分の名札をぶら下げ、責任を持って育てる。植樹を手伝った小学校には、安藤が呼びかけて児童図書を送る。それは「永遠に続け！」と願う建築家の壮大な『設計』であり、再生への確かな足音が聞こえる。

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆雪解けの３月末、産卵のために沿岸に押し寄せるニシン。北海道の日本海沿岸には栄華を誇った番屋が今も残っている。北の春告魚（はるつげうお）と呼ばれたニシンが巨万の富をもらたした群来（くき）の時代を振り返る。

華やかな舞台の裏側に渦巻く人間関係を喜劇タッチで描くドラマ。◆新進劇作家の小野寺ハルは、１ヵ月後に迫った舞台の脚本を引き受けた。満州国建国に深く関与した“男装の麗人”、川島芳子の生涯の物語だ。演出は元夫の渡、主演は大女優の八重垣光子、相手役は歌舞伎の大御所中村勘十郎。ある日、舞台の主催会社に「光子を出すな」と脅迫電話が入る。電話は舞台初日も続き、犯人は事件と引換えに２億円を要求する。同じ頃、光子のライバルだった女優の訃報が入る。光子の周辺にいる人間の憎しみと疑心暗鬼が交錯する中、客席では第一の殺人が起こる。