祭り行事の一切を取り仕切る人を当屋という。男子生涯一度の名誉として受け継がれてきたが、精進潔斎の一年を過ごさなければならず、実際は仲々大変な役目だ。滋賀県木之本町では、五人組が交代で当座を務める。“ユリネ”には古くからの歴代当座の名前が記されている。美保関はかつて北前船で栄えた港町である。“頭人”は日本海で一年間、禊ぎを欠かさず、祭りでは記紀伝承の事代主神になりかわる。山形県の黒川能では、自宅に能舞台を設け、夜を徹しての祭主を務める。◆取材地は滋賀県木之本町、島根県美保関町、山形県櫛引町。

１６世紀、チンギス・ハーンの末裔と称する勢力が中央アジアから侵入、ムガル帝国を樹立した。第３代皇帝アクバルは、デリーからヤムナ川を２００ｋｍくだった地点にアーグラ城を築城、ここを拠点にインド史上最大のイスラム王朝に発展させた。第５代シャー・ジャハーンは、早世した美しい王妃ムムターズ・マハルを愛するあまり、壮麗な廟タージ・マハルを建設して捧げた。そのため財政は破綻し、ムガル帝国は衰亡に向かうが、これは理想的な男の生き方の一つであるという人もいる。

瀬戸内海と日本海に挟まれた中国地方五県の自然と、そこに生息するさまざまな生き物の生態を伝える。◆今回は広島県芸北町八幡のユウスゲを紹介する。

雪の結晶「雪華」の謎を追う研究者たちを描くドキュメンタリー。◆マイナス２０度近くまで冷え込む２月の北海道の屋根・大雪山。大雪山系は、日本で最も純粋な雪の結晶「雪華」が観測できる“雪の聖地”でもある。この雪華に秘められた謎を追い求め、この年も男たちが山ごもりをする。北海道大学の古川義純教授（放送当時４７歳）もその一人である。厳冬の大雪山にカメラを据え、雪華の謎が少しずつ解明されていく瞬間と、「科学者の目」を受け継いでいこうとする研究者たちの姿を見つめる。

約２億年前の中生代から生息しているウミガメ。現存する化石から、当時は２００種が存在していたと推測されている。しかし現在では７～８種が残るまでに激減し、絶滅の危機に瀕している。これらのウミガメの生態に関しては、いまだに不明な点も多い。その中から、日本近海で卵を産む唯一のウミガメ「アカウミガメ」を取りあげる。アカウミガメの誕生から、成長の様子、日本からどこに向かい、どのように帰ってくるのかを、コンピューターや人工衛星などの最新技術を使い、その謎を解明する。アムウェイ・ネイチャードキュメンタリー。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「Ｂａｄｌａｎｄ」と題して、カナダ・大陸横断鉄道（エドモントン・ジャスパー・バンクーバー）を紹介する。

スペインの北部東端、地中海に面したバルセロナは、アントニオ・ガウディで名高い。◆若いガウディを見出したのがグエル伯爵でその私邸がグエル館だ。グエル公園は、ガウディ設計の住宅街が計画中止になり、市に寄贈された。そしてカサ・ミラは、煙突と換気塔をオブジェに見せる雑居ビル。いずれも発想のユニークさがすばらしい。◆彼が３１歳のとき、一切の仕事を断り打ち込んだのが、サグラダファミリア聖堂だ。交通事故による７３歳での不慮の死後も、彼の夢を実現すべく建設が続く。◆バルセロナのグエル館、グエル公園、カサ・ミラ（現在の登録名は「アントニオ・ガウディの作品群」）

バンド仲間の友情、そして老人医療にまつわる問題を描くドラマ。◆北海道・留萌本線の終点の町・増毛町に住む松之介（大滝秀治）は、町内の６０歳を超える仲間たちとバンドを結成している。そのメンバーの１人が急死、彼は入院中に虐待されていたらしい。松之介たちは札幌の病院へ抗議に向かう。