石見・畳ヶ浦は、浜田市街地の北東、１８７２年（明治５）３月１４日・旧２月６日の大地震によって隆起した海床で、奇妙な形の岩が続き、すばらしい景観をなしている。地元浜田市に住み、島根県地学会副会長をつとめる桑田さんは、３０年にわたって畳ヶ浦を地質学的に研究し続けている。畳ヶ浦の地質は唐鐘累層といわれ、下部が礫岩、上部は砂岩で出来ている。高さ２５メートルの海食崖、面積６．４ヘクタールにもおよぶ海食台はここでしか見られない景観を見せている。海食台には貝化石を中心とした砂つぶが石灰質分で固められた無数の団塊（ノジュール）が見られ、また、団塊を中心とした種々の化石の集積も見られる。昭和７年に国の天然記念物に指定され、地学の教材が自然のままに残されている。春の畳ヶ浦を桑田さんに案内してもらう。

島根県気高町八束水にある姫路神社に奈良時代から伝わる「百手の神事」は、境内にある「小山」の周囲を獅子を先頭にした氏子の行列が回り、悪病退散、無病息災を祈る神事。古くは正月の神事だったが、今は春祭りとして４月に行われている。祭りを取り仕切る神官は、二晩にわたる「潔斎」に入り、俗世間を離れて身を清め、神の化身となる準備をする。一方行列を先導する獅子は、地区の若者がつとめることになっていて、２月頃から先輩の指導を受け本番に臨む。「メンカ」と呼ばれる先導役は本番では猿田彦の面を付け、獅子は神楽獅子で、舞うというより悪霊を追い払う「威嚇する」動きに特徴がある。神事の当日、行列は「小山」を４周するが、その合間に神官が矛で清め（１周目）、的に向かって１２本の矢を放ち（３周目）吉凶を占い、悪病退散、無病息災を祈る。

無免許の天才外科医、ブラック・ジャックの活躍を描くスペシャルドラマの第３作。原作：手塚治虫。◆ブラック・ジャック（本木雅弘）は相変わらず患者に法外な治療費を請求していた。謎の奇病で苦しみ、安楽死専門医・ドクターキリコ（森本レオ）から死を迫られていた政治家・鳩中を手術で救い、彼の招待でピノコと共に高級フレンチレストラン「マ・フィーユ」を訪れた。しかし、天才シェフ・赤石誠一郎（蟹江敬三）の料理の味が落ちていたため、脳の病気ではないかと疑う。娘やその恋人である弟子も、赤石の味覚の変化を心配していた。やがて脳腫瘍に気付いた赤石は、フランス首相に料理を振舞うため、ブラック・ジャックに手術を依頼する。

熊本県内９４市町村の美しい風景や次の時代に残すべき文化財を、それにまつわるさまざまな情報とともに紹介する。◆今回は、錦町に残る江戸時代の民家「くわはら住宅」と大平渓谷を訪ねる。

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は島田雅彦作・古尾谷雅人朗読の第３回「同窓会」。

視聴者に公募した「心に残る風景」や「伝統の味や技」などを毎回取り上げ、２１世紀に残しておきたい「みやぎのとっておき」を紹介する。◆今回は、旧金成小学校を利用した地域博物館を訪ねる。

津軽三味線奏者・工藤満次氏と弟子のまんじ愛華氏が、津軽の春夏秋冬それぞれを象徴する風景の中で津軽三味線を演奏する。

実社会の厳しさにはじめて直面する少年が、成長・自立していくさまを描く。平成十三年度文化庁芸術祭大賞受賞作品。原作：佐伯一麦「ア・ルース・ボーイ」より。◆宮城県仙台市で有数の進学校を中退した１７歳のアキラ（伊藤淳史）と、ある男の子どもを妊娠して１６歳で出産したミキ（前田亜季）。居場所を失った二人は、ミキの子どもを連れて上京し、三ノ輪にアパートを借りて三人で共同生活を始める。