瀬戸内海に面する兵庫県姫路市にある国宝姫路城。羽をひろげた白鷺に似て、白鷺城とも呼ばれ、世界遺産に登録された。◆関が原以後、池田輝政が築城し、五層七階の天守閣をはじめ、鉄壁の防御陣で西国の大名らに備えた。しかし、戦ったことはない。◆二人の青年が伝統を受け継いでいる。お抱え能楽師だった江崎家では、十二代敬三さんが初稽古で秘曲「鷺」を習得しようとする。城の甲冑をつくってきた明珍家では、五十三代敬三さんが、懸命に火箸風鈴のための鉄火箸を打っている。◆姫路城【国宝・重文】、能（福王流）、火箸鍛冶

米百俵の心で故郷の小学校の再建に取り組む在日ガーナ人男性を通して、日本の教育を問い直す。ＦＮＳドキュメンタリー大賞ノミネート作品。◆アウニさんは、現在の痛みに耐え未来の子ども達の教育に投資した長岡藩の故事に惹かれ、長岡に来た。彼の故郷ガーナのプアルグ村ではハリケーンで小学校が崩壊した。その話を聞いた人々が６年前に再建運動を始めたが、集めた文房具の送料が２１万円という現実に、自分達の自己満足ではないかと悩んだ。現地を訪ねると、その時送った文房具が使われていた。村人の手による学校再建も始まる。教育こそが貧困の克服に必要なのだ。子ども達はビデオレターで交流し、アウニさんと接する中で、母親や教師も子どもの自主性の大切さを思い出す。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさとの素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを映像遺産として後世に伝える。日本海テレビ開局４０周年記念企画の第２シリーズ。（第１シリーズは１９９９年４月４日～２０００年３月１２日、。第２シリーズは２０００年４月２日～２００１年３月１１日、ともに全２４回）◆全国のそろばんの七割を生産する「雲州そろばん」。その歴史は古く、江戸の末期にさかのぼるといわれる。しかしそろばんの使用の機会も減り、今では十あまりの小規模な生産所とわずかな職人をのこすのみとなった。四人だけとなった伝統工芸士のたしかな技能を紹介する。

ブリキのおもちゃのコレクターとして知られ、横浜にも博物館を開設している北原照久氏のコレクションの数々を紹介する。◆１９５０年代に日本で作られたサルのおもちゃ２点「サルのバスケット」「サルのビリヤード」を紹介する。

全国的に知られた観光スポットだけでなく、日常生活の中にある信州の風土や文化を紹介する。◆今回は、長野市を流れる千曲川の屋島橋付近での朝の風景を紹介する。

ベラルーシからポーランドにかけて広がるヨーロッパ最大の森林地帯であるベラヴェシュスカヤ・プーシャとビャウォヴィエジャ原生林は太古の自然を今に伝える場所として、ベラルーシ側は１９９２年、ポーランド側は１９７９年に世界遺産に登録された。◆この森林地帯のシンボルとも言えるヨーロッパバイソン。１９１０年代に第一次大戦の影響で絶滅の危機に瀕したが、復活作業が実り、現在ベラルーシ側・ポーランド側の森林内に、それぞれ二百数十頭ずつが生息している。ポーランド側のビャウォヴィエジャ原生林は、数百年にわたって王室の狩り場として保護されてきた。そのため、当時の姿が今日まで残されている。森を訪れる人間は、「何も置いていってはいけない」「何も奪ってはいけない」というルールに従わなければならない。一方、ベラルーシ側のベラヴェシュスカヤ・プーシャの面積はポーランド側の１９倍の広さがあり、その大部分は平地で、ほとんど人間の手の入っていない森が続いている。ベラヴェシュスカヤ・プーシャの中には政府官庁「ビスクリ」と呼ばれる建物がある。旧ソ連時代には共産党幹部の別荘として使われていた。１９９１年１２月、当時のベラルーシ・ロシア・ウクライナの首脳がここに集まり、ソ連崩壊に基づくＣＩＳ（独立国家共同体）の創立に同意する署名が行われた。

戦時下を生きる庶民の姿を通して、第二次世界大戦を見つめる。原作：井上ひさし「東京セブンローズ」より、脚本：山元清多。◆１９４５年、東京下町・根津の山中家では、姉さん女房の和江（岸恵子）と日記を書くのが趣味の夫・信介（柄本明）、音楽好きの長女・絹子（宮沢りえ）、恋する女学生の次女・文子（ともさかりえ）、そして信介の姉（樹木希林）たちが、敗色濃い中で窮乏生活にめげず、碧空のように明るく生きていた。山中家は、家業のうちわ製造を休業し、オート三輪でヤミ物資の輸送をしてしのいでいた。そんな中、長女の絹子が玉の輿に乗る結婚話がまとまり、一家は喜びに包まれる。ある日、山中家に、昔和江の恋人だった軍人・立花（池部良）が訪れる。立花は絹子の実の父親でもあった。秘密を知る夫・信介は、和江を信頼し、立花と二人きりにする。そして戦局は日に日に悪化していき、やがて終戦を迎える。

韓国の「永宗大橋」建設をめぐり、日本と韓国の技術者たちが摩擦や話し合いを経て、相互理解を深めていく姿を描くドラマ。◆建築中の永宗大橋は、韓国本土と新しい国際空港を結ぶ巨大な吊り橋である。島田勝志（高嶋政伸）は怪我で帰国した上司・塩崎に代わって、その建築現場に向かう。そこでは以前勝志の恋人だった塩崎の娘・理恵（永作博美）も通訳として働いていた。理恵は韓国人のエリート建築士と結婚を望むが、塩崎は反対する。現場の日本人団長・村野（渡瀬恒彦）は、単身赴任中にパートの冨田（いしだあゆみ）と不倫関係にあった。勝志は冨田にソウルを案内してもらい、彼女も不器用ながら自分に正直に生きている女性と知り、生活には奇麗事だけで済まない場合もあるのだと実感する。そして工事の終わりとともに、それぞれの人間関係が次の段階へ進んでいく。