爆撃下の北ベトナム・ハノイを中心に、１カ月間つぶさに現地を見た田英夫のリポート。西側の情報に頼りがちなベトナム戦争のもうひとつの面を取材し、和平への道を探る。連日の爆撃の中で暮らす市民の動きや表情、市場の賑わい、工場で働く少女の笑顔などに、田英夫キャスターは戦争を日常にとけ込ませて生きるベトナム人のしたたかさを見る。◆昭和４２年度芸術祭ドキュメンタリー部門参加作品

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆明治維新で首都が東京に移って１００年、人口１千万を越える世界第一の都となった。東京は明治・大正・昭和３代の中で、関東大震災、太平洋戦争末期の空襲と２度焼け野原となっている。作家の立野信之さん、映画監督の牛原虚彦さんらが震災の中で生きた日本人を語る。

幕末動乱期、名前も生まれも分からない謎の浪人を中心に、好むと好まざるとに関わらず風雲の渦に巻き込まれた男たちが、善良な庶民の用心棒として権力の犬たちを懲らしめる。実在した新選組隊士と架空の人物が入り乱れ、様々な事件に関わっていく。原作・脚本：結束信二。（１９６７年４月３日〜９月２５日放送）◆幕末のある城下町。勤皇か佐幕か、藩の方針をめぐる内紛が起きて、蕎麦屋台を営む父娘（原健策、岩村百合子）が騒動に巻き込まれる。偶然出くわした浪人（栗塚旭）は父娘の“用心棒”となるが…。モノクロ作品。

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆太平洋戦争の緒戦「ハワイ・マレー沖海戦」で米英の主力艦隊を撃減し、まさに世界最強の海軍にのし上がった“大日本帝国海軍”の連合艦隊。その滅亡の過程を描く。連合艦隊の元参謀長や、戦艦大和の砲術長だった元海軍大佐らが当時の事情を説明する。

医学部教授選挙をめぐる醜い争いと、誤診裁判という二つの事件を通し、神聖視されている医学界の知られざる内幕を描いた山崎豊子の原作小説のテレビ映画化。野望達成のためには手段を選ばない主人公・財前五郎（佐藤慶）の生き方を主軸に、医学界にはびこる封建性をあらわにし、そこに渦巻く血みどろの人間模様を描く。（１９６７年４月８日～９月２９日放送）

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆第一次世界大戦の勝利を通じて日本は世界列強のひとつにのし上り、国内は空前の好景気にわいた。特に造船界は多くの“船成金”を生んだ。この好景気は一部の者に大きな利益をもたらしたが、戦争によるインフレと成金たちの買い占めで米の値段はうなぎ上り。生活を圧迫された庶民の怒りは米騒動、大争議となって表面化した。明治末年から大正時代の日本の激動期を、社会主義者の荒畑寒村、鈴木茂三郎日本社会党元委員長らが語る。

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆「靖国の英霊」「軍神」「玉砕」という言葉のもとに、明治以来２５０万人もの尊い命が失われてきた。なかでも“神州不滅”を信じて戦った太平洋戦争では、２３０万人もの戦死者を出した。これら明治１００年の間に生み出された戦死者を通じて、戦争史を描く。

瀬戸内海沿岸地域は各地で工業化が進み、内海は油臭い魚、異臭魚がとれるなど次第に汚れ、さらに、タンカーなどの往来もひんぱんになり、小さい漁船にとっては航行も危険な海になった。岡山県下最大の漁港、倉敷市下津井に住むひとりの老婆の“くりごと”を通じて、のんびりとした日常生活を紹介しながら、内海漁業や小さな漁村の現状を浮き彫りにする。