伝統の秋田銀線細工を、単なる細工物から美術工芸品にまで高めた名匠高坂雄水さん（明４３．６．４．〜昭４７．３．１０）。銀の細い線をよりあわせ指先だけで組み合わせる、織細で見事な手法を紹介する。高坂さんは、秋田の貧しい農家に生まれ、銀線細工商のもとで鍛金の職人としての修業を積みながら、銀線細工の技術を習得した。秋田銀線細工が全国的に認められるようになったのは、昭和３０年日展初入選作（宝石箱）によるところが大きい。

四日市公害で苦しむ市民の生活を詩的に描いた作品。（詩は、石垣りん作）

熊本大学の環地中海遺跡調査団に同行して、モロッコからエジプトまでの陸路を５か月間にわたり取材。多くの謎を秘める遺跡や散在する絵画や文字など、学術的内容を織り込みながら、アルジェリア、モロッコ、チュニジア、エジプトなどの遺跡をわかりやすく解説する。加えて現地の風土、風俗、習慣、行事など、現在の姿も紹介する。放送番組センターの制作番組第一号。（１９７０年７月５日～１２月２７日放送、全２６回）◆第２３回は、神と墓と帝王（その１）。

カンポジア侵攻（米・南ベトナム）、ロン・ノル将軍クーデター（共和政府樹立）、インドシナ人民首脳会議、ベトナム和平会談（パリ）、スエズ戦線（アラブ・イスラエル）、ナセル大統領死去、ペルー地震、東パキスタン洪水、ケント大学事件（アメリカの反戦運動）、ウーマンリブ運動、米アポロ計画縮小、公害反対運動（アメリカ）など１９７０年海外ニュースハイライト。

脱サラした若い夫婦が直面する結婚の現実を描くドラマ。熱烈な恋愛とそれに続く結婚で始まった「二人の世界」が、より広い世界の中にあることを理解し、社会人として成長していく。（１９７０年１２月１日～１９７１年５月２５日放送、全２６回）◆宮島二郎（竹脇無我）はあるコンサート会場で榊原麗子（栗原小巻）と出会う。

日本の民族文化が生まれてから二千年あまり。この長い年月、日本の女性たちは生活を豊かにするためにさまざまな知恵を育て、残してきた。この番組は、そうした生活の知恵を文化史の面からふり返り、現在の生活に役立てたいと企画された、婦人向け生活百科事典。家庭生活の歴史的な意味、幅広い知識など、海外との対比もあわせて紹介する。（１９７０年１０月３日～１９７１年３月２７日放送、全２６回）◆第７回のテーマは、市場。毎日の暮らしの中で、買い物は欠かせない大切な営みのひとつ。買い物は昔、物資の交換、つまり市（いち）から始まった。そして現代も、安く新鮮な魚や野菜を、生産者と消費者が直接取引できる市は、生命力を保ちながら、庶民の台所として各地に生きている。市はまた、品物の交換のために集まった人々にとって、楽しい交流、情報交換の場でもある。市が文化の発展に果たした役割は大きい。日ごろ目にする市や珍しい市、外国の市などを紹介するほか、市の歴史から市の仕組みをたどり、素朴な朝市として名高い佐賀市呼子の朝市を例に、現代の消費生活に必要な知恵を探る。

花に集まる虫を捕食するハナグモ、網を張り巧みに虫を捕らえるオオヒメグモ、巨大なメスに命がけの求愛をするジョロウグモのオス、生きた化石といわれるキムラグモなど、各種のクモの生態を紹介。

世界各地を訪ね、衣食住、産業、文化など毎回ひとつのテーマを取り上げ、社会的風土や風俗を織り込みながら“本物”に迫る、海外取材ドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。（１９６９年１０月５日～１９７０年３月２９日放送、全２６回）◆今回は、香港を代表する食文化、広東料理を味わう。市場や店にあふれる珍しい食材の数々。中には生きたまま売買される動物もある。それらが余すところなく加工、調理されていく。「ヘビの胆のう」、「クマの手」、「ツバメの巣」などの珍味から、おなじみの飲茶まで。屋台もあれば高級料理店もある。人々の食欲を満たす食道楽の世界を紹介する。