底抜けに明るくてパワフルな妻と義理人情に命をかけるヤクザの夫というユニークな夫婦がまきおこす騒動をコミカルに描く。◆明るくて気立てがよいと評判の恋子（田中裕子）とヤクザの三郎（小林薫）が所帯をもっていることが、兄貴分の星永（ビートたけし）にばれた。弟分の女はオレの女と思い込むタイプの星永は、あんのじょう三郎に拳銃をもたせて刑務所に送り込み、その間に恋子を奪ってしまおうと考えた。

１９２０年（大９）、日本と朝鮮の友好の名のもとに李王朝に嫁いだ梨本宮方子王女の激動の生涯と、日韓関係の原点をさぐる歴史ドキュメント。方子女史の回顧、日韓両国の関係者と歴史学者の証言、当時の資料フィルムをもとに、世紀の政略結婚といわれたその舞台裏、第１王子の謎の死、日中戦争、臣籍降下、帰韓、夫の死など、その波乱の生涯を描く。

自らの人生に疑問を感じはじめた女性３人が、それぞれの悩みを胸に“グルメ旅行”へ出発、旅先で新たな人生を発見する。（１９８６年４月１日〜４月３日放送、全３回）◆栄子（香山美子）は女子高時代の後輩・みつ江（酒井和歌子）にさそわれて百合（岡江久美子）を加えた３人で、長崎・雲仙、博多、神戸へ３泊４日の旅に出た。福岡に単身赴任中の夫を訪ね、探偵社の調査で知った浮気を自分の目で確かめたいという目的もあってのことだった。３人は、相手の女のアパートを訪ねて真相を問いただす。

尾張藩士・朝日文左衛門の日記を題材に、文左衛門の生き方と現代のサラリーマン像とを重ねあわせて描いたドラマ。商社マン風間は出張で名古屋に向かう車中、元禄時代を生きた１人の男・朝日文左衛門の日記を読みながら、彼の生涯に思いをはせていた。好奇心旺盛で遊び好きな文左衛門。あきれた妻の慶は、ついに家を出る。やがて、しっかり者のりよと再婚するが飲む・打つ・買うの行状は一向におさまらず、肝の病で床に伏してしまう。それでも懲りず、酒を求めて床をはい出し台所へ。徳利に手がかかった瞬間、こと切れる。文左衛門、４５歳の秋であった。

実年夫婦のマンネリ化した愛情の危機と回復を、軽妙でユーモアに富んだ含蓄の深いせりふに託し、シチュエーションドラマの新境地を開いた作品。（１９８６年２月１５日終了、全６回）◆東京下町。佃大橋のたもとで磯島周吉（鶴田浩二）はシャツ職人として半生をすごしてきた。１枚１枚、オーダーの手縫いで、日本一の職人というプライドがある。だがそのガンコさについに堪忍袋の緒が切れた女房・由子（八千草薫）と息子の秀一（佐藤浩市）は３カ月前に家を出た。以来、弟子の昭夫（平田満）が周吉の面倒を見てきたが、これまた息が詰まって近くのアパートを借りた。口には出さないが周吉は見捨てられた思いだ。そこへ秀一がさらに問題を持ち込んでくる。

東京都新宿区の新宿駅を出発して、神奈川県横浜市、湘南、山梨県道志村、富士山麓、甲府市、長野県南佐久郡南牧村、佐久市、軽井沢を経て上田市別所温泉までの６６０キロ、路線バスを乗り継いでの旅の後編。◆路線バスの旅の後編はまず富士のふもとの御殿場からスタート。途中のある区間では今ではめずらしくなったボンネットバスが登場する。また、千曲川で漁を行う人や菓子の行商人などとの交流もあった。そして鯉料理や郷土料理を紹介し、さらには旅行者の一人である服部幸應が自ら腕をふるった鍋料理を味わう。シーズンオフの軽井沢は人影もまばらだが、ここでは貸し別荘を借りてみる。旅のフィナーレを飾るのは別所温泉で、ゆったりと露天風呂につかり長い旅も終了する。

写真家、白川義員さんは「地球再発見による人間性の回復」をテーマに世界各地に出かけているが、今回は「仏教伝来の道」の撮影旅行。南海放送取材班は、このうちパキスタンでの走行距離３千キロ、２０日間におよぶ撮影に同行した。秘境ギルギット、フンザをはじめ、シルクロードの仏教伝来の道とその周辺に残るタフィティバハイ、ハーラクーン、タルマラージカなど十数ヵ所の遺跡をたずねた。（取材期間は１９８５年１０月２０日〜１１月１０日）

日本各地の町や村を訪れ、日本の本質に迫るノンフィクション情報番組。紀行としてではなく、文化や文明を探るドキュメント。◆１回目は群馬県・草津編。この温泉町の歴史、うつり変わり、観光名所、旧跡、現在の温泉街の様子などをいろいろな角度から紹介する。今までの草津、これからの草津をユーモアたっぷりに語る。また、柴俊夫がこの地にゆかりのある真田幸村、国定忠治、若山牧水、高村光太郎に扮して当時をイメージしたり、石倉三郎が草津名物「湯もみ」を体験したりする。さらに町長選を争った町の名士、現町長と観光協会長も登場し、日本の政治風土の典型を見せる。