日本画家・平山郁夫は広島県瀬戸田町の生口島出身。昭和２０年８月６日、１５歳の時に広島で被爆。その後、東京美術学校日本画科に進み、卒業後は前田青邨に師事した。しかし白血病で倒れて以来、被爆についてより強く意識するようになる。昭和３４年の作品「仏教伝来」が出発点となって仏画にとりくみ、やがてその源流を求めてシルクロードに旅立った。◆平山の院展初入選作「家路」は、ふるさとへの道である。彼はふるさとへの思いに支えられて生きている。番組は平山郁夫の人生を辿り、彼と父の話を通して、平山芸術の心、親子の情愛、原爆への怒りなど、平山画伯の精神的風土を発掘する。

柳田民俗学の原点となった民話“遠野物語”を素材に、山河の風景、四季の変化と日本人の心の関係を探る。

年老いた女性がやっているバーにやってきた老紳士。彼は戦前、彼女がダンサーだったことを知っていた。２人はかつて開かれた秘密のパーティーの記憶を辿り始める。脚本：市川森一◆時は１９４１年１０月、大東亜戦争が激しさを増す中、屋敷では禁制品となった海外のレコードをかける小さなダンスパーティが開かれていた。招かれた客には東京・溜池のダンスホールのダンサー蘭子（栗原小巻）、そして近衛師団の青年士官・須田（渡瀬恒彦）の姿もあった。蘭子を招いたのは須田の友人でもある屋敷の主の息子（山本圭）。「自分はダンサーだから誰とでも踊る。でもラストダンスだけは本当に気に入った人としか踊らない」と言う蘭子。かけるレコードも底をつき、遂に最後の一曲となった。果たして蘭子の「ラスト・ダンス」の相手とは。

エネルギー資源、食糧、人口、海洋など、一国では扱いきれない問題が国際的に議論され始めた“地球時代”に、それぞれの問題に日本がどのように対処しているかを探り、その課題について考えるシリーズ。（１９７７年１月１０日～４月４日放送、全１３回）◆第８回は、三重県四日市市の公害（大気汚染）について。四日市市の公害問題に取り組む市民グループや市役所などを取材し、現状をリポートする。被害者たちが裁判を起こした当時に比べると環境は改善されているというが、公害問題そのものが解決されたわけではなかった。現地が工場地帯であることに変わりはなく、行き交うトラックなどによる振動や排気ガスなどの新たな問題が浮上しつつあるという。

支笏湖畔を舞台に、一人娘の雪子（仁科明子）の結婚式を明日にひかえたホンカン夫妻の感慨を描く。ホンカンは、娘の身支度に追われる妻を見るにつけある寂しさを感じていた。そんな時、ホンカンは娘を嫁に出す親の気持ちを描いた名作「春の旅」の著者庄村（笠智衆）に出会う。ホンカンは、庄村に色紙を書いてもらい、それを雪子に渡そうと思いつく。（うちのホンカン・パート４）

日曜日の夕方に放送する若者向け音楽番組。ＮＨＫホールで公開収録。愛称は“レッツヤン”。（１９７４年４月７日〜１９８６年４月１３日放送）◆この回の司会は都倉俊一とキャンディーズ。ゲストにフォーリーブス、南沙織、あいざき進也、ピンクレディー、松本ちえこ、ゴダイゴを迎える。ゲストの歌やコーナーの後、番組後半は「ビートルズ特集」として、都倉をはじめレギュラー陣とゲストたちが、ザ・ビートルズの名曲の数々をメドレーで歌う。

日本画家・高山辰雄の代表作『日月星辰』５部作のうち「山」と「夕」を、スタジオで高山に話を聞きながら紹介する。◆自然をよく見つめて、その自然を自分の中でろ過させ、もう一つ新しいものを付け加える。自然の中に立った時の感じは写実だけではない。「自分の気持ちや観察した人・場所を表現するには単なる写実でなく、自分の思いが主体になった絵であることが大切」と高山は語る。

美しい阿蘇山麓の農村を舞台にホンドギツネの生態を探る。◆３月、ホンドギツネのこどもが巣穴で誕生、母ギツネは昼間１、２度授乳のためにこの巣穴を訪れる。キツネにとっては人間が最大の敵、緊張している様子が伝わる。子ギツネたちは５月末になると、巣穴を棄て放浪生活に入るが、人間と犬のためにこの時期の死亡率は８０％以上という。