野猿公園での餌付けはニホンザルの生態研究に多くの寄与をしてきた。ところが最近、野猿公園のサルたちに奇形をもつ子ザルが高率で生まれるようになってきた。その実態を紹介し農薬使用への警鐘を鳴らすとともに、原因究明への努力を伝える。◆京都大学霊長類研究グループが宮崎県幸島に１０年通い詰めて餌付けに成功してから日本の野猿公園の歴史は始まり、今では全国に３０数か所ある。温泉につかるサルで有名な長野県地獄谷にも奇形のサルがいる。最も奇形出生率の高い兵庫県淡路島モンキーセンターには９本指のものもいる。広島大学医学部整形外科では抗癌剤を使って遺伝との関係を探っている。

人類が生存しうる最北限の村、シオラパルク。１年のうち８カ月は、凍結した海に囲まれ、４カ月は太陽のない暗黒の世界である。ここで今なお昔と変わらぬ狩猟生活を送るイヌイット・チューレ族は、大自然との約束事を忠実に守りながら日々を営んでいる。◆番組は、極限の世界に生きる狩人たちの“待ち”の姿勢から、人間が生きるということの意味を探る。

日本の第一線で活躍し、海外にも知られている若手を中心とした芸術家を取り上げ、その心と作品を鋭くえぐり出す人間ドキュメント・シリーズ。（１９７７年１月８日～４月２日放送、全１３回）◆第１２回は、建築家・黒川紀章氏にスポットを当てる。

美しい阿蘇山麓の農村を舞台にホンドギツネの生態を探る。◆３月、ホンドギツネのこどもが巣穴で誕生、母ギツネは昼間１、２度授乳のためにこの巣穴を訪れる。キツネにとっては人間が最大の敵、緊張している様子が伝わる。子ギツネたちは５月末になると、巣穴を棄て放浪生活に入るが、人間と犬のためにこの時期の死亡率は８０％以上という。

サイボーグスーパー戦隊となった４人の若者が世界各地で暗躍する犯罪組織クライムと戦う。スーパー戦隊シリーズ第２作。（１９７７年４月９日～１９７７年１２月２４日放送、全３５回）◆第１回。東京をねらう国際的犯罪組織クライムの魔の手に対抗するため、国際科学特捜隊は桜井五郎（丹波義隆）、東竜（伊東平山）、大地文太（風戸佑介）、カレン水木（ミッチー・ラブ）の４人の若者をスカウトしてサイボーグ部隊、ジャッカー電撃隊を結成した。

九州は石橋の多いところだが、なかでも熊本はその宝庫といわれる。しかも、その殆どは江戸時代後期に、「種山石工」と呼ばれる石工集団によって作られたものである。番組では、通潤橋や霊台橋など、彼等が残した作品を素材に、忽然と現れ忽然と消えていった種山石工四代の盛衰を、歴史的エピソードをまじえながら描く。

陶芸家の加藤唐九郎を評論家・草柳大蔵がインタビュー。独創性にあふれ強烈な個性を放つ作品を紹介する。◆日本の焼き物が最も芸術性を高めた安土・桃山時代に美の原型を求め、唐九郎は独自の世界を展開した。「作品は作るのではなくできるもの。土の生命を生かす。その手伝いをする。土と捕らえがたい炎を捕らえる芸術が陶芸である」と語る。陶壁の大作、桃山風の作品と新たな挑戦が続く。

山田太一が初めて挑んだ小説を、みずからドラマ化。“衝撃の家庭ドラマ”として話題を呼んだ。多摩川の洪水による家の崩壊をクライマックスに、一見平凡で幸福な家庭のうちに潜むものを描く。（１９７７年６月２４日開始、全１５回）