若年性ガンで死を目前にした娘と、その恋人や母たちが織りなす愛とヒューマニズムのドラマ。◆恋人の信隆（山本圭）との結婚が迫っている呉服店の娘直子（島田陽子）は、胃痛のため診断を受け、若年性胃ガンと判明した。病名を知らぬ直子と、真実を知る信隆はやがて結婚した。直子は身ごもったが、ガンは日に日に彼女の肉体をむしばんでいく。母と信隆の必死の看病もむなしく、直子に死期がせまってきた。

山陽新幹線トンネル工事現場で働く長崎出身者のグループを中心に、石材工場に移住した一家のエピソードを織り込み、農漁民の状況や出稼ぎの実態を追求する。物価の高騰、米の減反政策、沿岸漁業の不振は、彼らを故郷から追い出した。故郷には安住できず、さりとて愛するが故に離れられない男たちが出稼ぎへと流れて行く過程を追いながら、失われて行く故郷を考える。

時代を昭和４６年暮れから４９年３月までに設定し、ある庶民の家族５人がさまざまな試練に直面しつつ、それらを乗り越えて生きていく姿を、函館、金沢、横浜、宇和島を舞台に描く。この家族のさすらいを通して、現代において家族とは何かを問うオリジナル作品。作：楠田芳子。ＮＨＫ連続テレビ小説第１３作。（１９７３年４月２日～１９７４年３月３０日放送）

高速道路が次々と開通する中で、「フロントガラスは高速道路を走っているときによく割れる」とドライバーたちが口にするようになった。フロントガラスが突然割れれば、運転手の視界は一瞬のうちにゼロになり、重大な事故を引き起こしかねない。突然のヒビ割れはなぜ起こるのか。さまざまな仮説を立て、それを実験で検証しながら原因を解き明かしていく。◆自動車のフロントガラスに使用されている強化ガラスは、バットでたたいても割れない。その強化ガラスがなぜ突然割れるのか。風圧、欠陥商品など、様々な原因が挙げられ、それを一つずつ検証していく。検証の結果、最も有力となった小石飛来説に焦点を合わせ、テストコースを借りきってハイスピードカメラで撮影しながら実験を重ね、事故原因を解き明かしていく。

百済文化研究家・李夕湖さん（韓国扶余文化院長）を主人公に、古代日本と朝鮮半島との文化交流を描いたもので、百済２５代式寧王陵をはじめ、東洋三大美術といわれる慶州石窟庵石仏などを撮影、飛鳥の文化財と対比させながら日本の文化の流れを究明する。

語り手自らが名作文学ゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人々に直接ふれることで、その作品世界を再認識してもらおうという文学紀行番組。第１集～４集まで制作・放送された。（第１集／１９７３年１月１１日～４月５日放送、全１３回）◆この回は、森鴎外の小説「高瀬舟」（１９１６年）。女優の岸田今日子が作品を朗読をしながら、物語の舞台である京都・高瀬川沿いを巡る。主人公ゆかりの六角獄舎跡の様子や、作中に登場する西陣の織場で働く人々のインタビューを交え、「高瀬舟」の世界を感じる。

舞台せましと動きまわる激しいアクションと奇想天外なコントによって、爆発的な人気を得たコント５５号。欽ちゃん、二郎さんが原点に返って、２人のコントをメインでおくる番組。浅草松竹演芸場で公開収録され、その合い間にゴールデン・ハーフとゲストのショータイム（この部分はスタジオ収録）が入る構成。（第１期・１９７３年４月６日〜９月２８日放送、全２６回）◆この回のゲストは西城秀樹、曲は「ちぎれた愛」ほか。

日本という国の本当の姿を、日本人と“ＴＶ（テレビ）”との関わりを通じて海外へ紹介しようという目的で制作されたフィルム・ドキュメンタリー。放送番組センターが“日本の本当の姿を海外へ紹介する”というテーマで番組企画を募集し、この番組はその中から選ばれたもの。単なる日本紹介を超えて、日本社会の在りかたに迫る。