文化爛熟の元禄時代に自分たちの信念を貫いた赤穂浪士の物語を、古典「仮名手本忠臣蔵」の要素を取り入れて描く長時間時代劇。◆赤穂藩の家臣だった者たちは、仇討ちを心に秘め、屈辱に耐えながら生きていた。お軽と駆け落ちした勘平は、仇討ちに参加したかった。そのためには金が必要だ。お軽は身売りして用立てようとするが、その金を大野定九郎が奪う。

目が不自由な人を助ける盲導犬のように、身体の動きが不自由な人を助ける「介助犬」。２００２年１０月に「身体障害者補助犬法」が施行されるきっかけともなった、介助犬シンシアと飼い主の木村夫妻との絆を描く。原作：木村佳友。◆１９９２年、事故で胸から下の自由を失った佳友（金山一彦）。自暴自棄を乗り越えて在宅勤務もできるまでになったが、一人のときは転んでも助けを呼ぶことさえできない。そんな時、妻の美智子（富田靖子）が犬を飼おうと言い出し、ラブラドールレトリーバーの子犬がやってきたが、いたずら放題で手を焼かせる。ところが「やんちゃなのは好奇心が強い証拠。介助犬になれる可能性がある」と聞かされる。

歌人で作家の辺見じゅんさんが、ふるさと富山の風土を語る。◆辺見さんは水橋市で生まれ、立山信仰に厚い祖父母の元で育った。立山は女人禁制だったが、年に一度だけ救済の道が開かれていた。彼女も女人成仏や女性の生き方に強い関心を寄せる。『男たちの大和』など男性を描いた作品も、女として書く鎮魂と恋文なのだという。◆欧米では山は征服の対象だが、富山出身の田部重治は、憧れの対象として山岳随筆を書いた。今こそ彼の「人と自然の親和力」の思想を復権させたいと語る。◆布橋灌頂会（１９９６年に再現したもの）、立山曼陀羅（吉祥坊本）

インド仏教の最盛期に造営されたアジャンター石窟群は、同じデカン高原に残るエローラ石窟群と並び、古代インドの石窟寺院の中でも特に芸術性に優れ、１９８３年に世界遺産に登録された。紀元前２世紀頃からのインドの石窟文化は、やがて周辺他国にも影響を与え、バーミヤーンや敦煌といった各国の代表的な石窟の原型ともなっている。アジャンター石窟は１９世紀初頭、トラ狩りに興じていたイギリス人士官が偶然に発見したが、驚くことにジャングルに埋もれていた石窟には仏伝や世相を描いたテンペラ技法の壁画が、１０００年の時を越えて彩りもそのままに残されていた。現在、第一級の文化財として保護され、原則撮影禁止となっているアジャンターの壁画を特別許可を得て撮影。古代インド芸術の頂点といわれる壁画の美を伝える。◆アジャンター石窟群

香川県内に７５０軒以上もあるといわれているうどん店の中で、本当に美味しい店はどこか。地元高松のＲＮＣ西日本放送が、総力を挙げて調査した情報の中から、スタッフ厳選のお店を東野幸治、山口智充、加藤明日美の３人が食べ歩く。西日本放送開局５０周年記念特別番組。◆「人生で、あと一杯しかうどんが食べられません。あなたはどこのうどんを食べに行きますか？」というシンプルかつ重大な質問を、讃岐うどんの聖地・香川県民にぶつけたアンケートの結果、まずは「かまたま」元祖の店をたずねる。実に支持率一位の店だが、讃岐うどんでは少なからぬ「セルフサービス」式の店。食べ方がわからない３人は店のご主人に教わることに。続いて住宅地にある店を探し当て、注文したはいいが「アレ持って来とるんな？」と問われる。果たして「アレ」を入手するため、ご近所を奔走する。

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は小堀裕之作・山本太郎朗読の第１回「うちのヒーロー」。

２００３年１０月１０日衆議院解散。この時を特別な思いで迎えた３人の若者がいた。地盤（票田）、看板（知名度）、カバン（資金）通常この３つがなければ選挙に勝つのは難しいと言われているが、どれも持ち合わせていない若者３人の、２００４年衆院選の日々を追った。◆香川県高松市、エリート官僚の道を捨てた民主党・小川淳也候補。神奈川県横浜市、土井たか子二世と呼ばれる社会民主党の上田恵子候補。北海道旭川市、西川将人候補。師と仰いだ小沢一郎と決別して無所属での立候補となった。

突然ふってわいた市町村合併によって、創立１００年・児童２１人の小学校が廃校の危機を迎えている。個性的な学び舎を自治体合併の数合わせによって消し去ろうとする矛盾を提示しながら、画一的な教育システムが忘却したものを見つめ直す。◆日本海の小さな漁港に寄り添う兵庫県浜坂町の御火浦（みほのうら）小学校。豊かな自然と地域の大人たちの知恵に触れながら伸び伸びと育つ子どもたち。その開け広げな笑顔の一方で、廃校に反対する保護者と、教育委員会との衝突が繰り返される。