架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第二回「蟻のごとく」。世継ぎ争いに加担したとして捕らえられた父・助左衛門（勝野洋）が切腹を命じられた。最後の「わしを恥じてはならぬ」という言葉を胸に刻んだ文四郎（内野聖陽）は、投げかけられる嘲笑に耐えながら、駆けつけてくれたふく（水野真紀）と二人で蟻のように父の遺骸を載せた荷車を曳いて坂道を登る。家禄が減らされ、母と長屋に移った文四郎は、ふくが江戸へ奉公に出ると挨拶に来た日に会えずじまいだった。

ジャムのミナレットは２００２年、アフガニスタンで初めて世界遺産に登録された。１９４４年に初めて存在が報告されたが、正式に発表されたのは１９５７年。アフガニスタンの広大な大地と厳しく複雑な自然環境に阻まれ、１３年間も再発見できなかったのである。ミナレットは、西の都市ヘラートから東へ２５０キロ、アフガニスタンのほぼ中央のゴール州ジャム村にある。渓谷の谷間に聳える一本の巨塔で、剥き出しの自然とは対照的な人工の建造物だ。見る者にその落差と造形美で驚きと感動を与える。このミナレットは１１６３年から１２０３年の間、この地域を支配したゴール朝の王ギヤースッディーンの統治時代に建てられたと言われているが、建造の理由は今も解明されていない。ジャムのミナレットは、中世イスラム建築の最高峰であると共に、「破壊」から「保存」の時代を迎えた現代アフガニスタンのシンボルでもある。◆ジャムのミナレットと遺跡

瀬戸内海は、海運の要地として培われた豊かな歴史と、多島海の景観に代表される美しい自然を有してきた。そんな瀬戸内海の「今」を、それぞれの地域から紹介する。（２００２年１０月７日・２００３年９月２２日、全５０回）◆この回は「工業地帯とお大師市」。

財政難や少子化を理由に、存在の危機にある学童保育の意義を伝えようと、映画が製作されている。実際に学童保育に通う２０人が、遊ぶ時間を返上してカメラの前に立つ。素人子役の奮闘と、彼らの居場所・ガクドウの日常を通して、子どもを取り巻く環境を見つめなおす。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、腕自慢の男がカッパに翻弄される不思議な物語の第４回。（最終回）

親に見捨てられて日本で始めての人工哺育例となった長崎バイオパークのカバ「モモ」は、飼育員・伊藤さんの献身的な世話と愛情で立派に成長し、ついに子どもを生み育てるまでになる。伊藤さんとモモの９年間を追う。◆なにしろ日本で初めての例とあって、伊藤さんも試行錯誤。泳ぐことができなかったため「泳げないカバ」として全国的に有名になってしまった。そんなモモも母親になり、周囲の不安をよそに立派に子育てを果たす。しかし子どもは雄、将来の縄張り争いを考えると同じ園にはいられない。親子の別れを目にした人々は、カバの親子の愛情の深さを知ることになった。

友達以上母親未満の主人公が、赤の他人である一人の少女と家族以上の家族の関係を築いていく物語。原作は小沢真理の少女漫画「ニコニコ日記」。（２００３年８月１８日～１０月２日放送、全２８回）◆第１週「春、出会い」（第１回）。ケイ（木村佳乃）は売れない脚本家。ある日、チャイムに促されてドアを開けると、少女が座っていた。彼女の名前は小箱仁子（永井杏）、今をときめく女優・紫野美冬（大塚寧々）の隠し子だった。昔、ケイは美冬の付き人で、極秘出産した秘密を知っているのはケイだけだった。こうして二人の共同生活が始まる。

赤ちゃんを迎える家族を通じて、命の愛しさ、大切さを伝える。◆小浜市の福井さん一家は両親と、小学３年と３歳の姉妹の４人家族。そしてもうすぐ家族が１人増える予定だ。新しい命を家族全員で迎えようと、お母さんは助産院で産むことにしている。福井さん夫婦は５年前に２人目の子を死産したことがきっかけで、命について考え始めた。今度のお盆には娘たちに、お墓に眠るもう一人の家族のことを話し、小さな命の大きさを伝えるつもりだ。赤ちゃんの誕生とその後の家族を追い、命の大切さを伝え、絆と信頼を深めていく姿を描く。