架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第五回「罠」。家老・里村（平幹二朗）は、反対派の陰謀から守るために欅御殿からふく（水野真紀）の子をさらって来いと文四郎（内野聖陽）に命じた。明らかな陰謀で、罠であることはわかりきっていたが、ふくと御子を守るために、文四郎は生涯の友・小和田逸平（石橋保）らとともに欅御殿に赴く。ふくを村役人の家に逃がした文四郎は、警護役の磯貝（塩見三省）とともに乱入する里村派たちに立ち向かった。

北朝鮮に拉致された娘・めぐみさん救出のために奔走を続ける、横田夫妻の２６年間の苦悩・葛藤をドキュメントタッチに描くドラマ。原作：横田早紀江、荒木和博。◆１９７７年、学校からの帰宅途中に消息を絶った１３歳の娘。横田滋（加藤剛）、早紀江（竹下景子）夫妻は、事故、誘拐、家出、事件など、あらゆる可能性を追って娘を探し続けたが、何の手がかりもないまま２０年の月日が流れた。ところが１９９７年１月に突然「北朝鮮に拉致されていた」との情報が伝えられる。その日から、横田夫妻の人生は大きく変わった。

清朝王族の家柄に生まれ、日本と中国の狭間で翻弄されてきた川島廉子と娘・尚子の波乱の人生を描くドキュメンタリー。◆廉子さんは清朝王族の王女として生まれ、幼くして日本人有力者・川島浪速の養女となったが、戦後中国では支配階級の出身者・戦争に荷担した日本人として理不尽な差別と迫害を受けた。母と子供達は肩寄せ合って生きていくが、成長した尚子さんは母とは違う生き方を求めて文化大革命に身を投じていく。あれから３０年、尚子さんは松本に帰国した母に呼び寄せられて日本人となり、母の生涯を綴った本を出版した。さらに、母と自分の人生を振り返るために中国に旅立つ。

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回は岩松了作・樋口可南子朗読の第２回「もうひとりのアキコ」。

　伝統的な筆作りの技術を化粧筆に転用し、世界進出を果たした親子の葛藤と挑戦を描くドキュメンタリー。◆広島県熊野町は日本一の筆の産地だが、筆の需要は減る一方。そんな中、白鳳堂は化粧筆で世界シェアの７割を誇る。化粧筆を単なる付属品と考え安さを求める日本の化粧業界に見切りをつけてアメリカに乗り込むと、熊野筆の拘りの技術が女優やトップモデルの間で評判となったのだ。頑固一徹の筆職人・高本和男と、大手企業を辞め会社の改革に乗り出した息子・壮。安価な中国・韓国産が追い上げる中、親子は衝突しながらも自社ブランドの強化に挑む。

瀬戸内海は、海運の要地として培われた豊かな歴史と、多島海の景観に代表される美しい自然を有してきた。そんな瀬戸内海の「今」を、それぞれの地域から紹介する。（２００２年１０月７日・２００３年９月２２日、全５０回）◆この回は「五色浜伝説」。

核家族化、少子高齢化社会の進行した日本では、老人が老人を介護する「老老介護」のが現実のものとなっている。介護保険制度がスタートして４年、３組の老夫婦の介護現場を追いながら、誰もが迎える「老い」の行く先を考える。ＦＮＳドキュメンタリー大賞ノミネート作品。◆怪我をきっかけに家事ができなくなり、宅老所に入所した８４歳の妻。９１歳の夫はアパートから通所と、夫婦は二重生活を送っている。アルツハイマー症が進行し、寝たきりになった７３歳の妻の食事の世話をする７４歳の夫。脳梗塞で倒れ、人工呼吸器で生命を維持する７５歳の妻を在宅介護するために半年間の研修を受け、ようやく許可を受けた７９歳の夫。お互いを思う気持ちがあるからこそ切ない、厳しい現実がある。

民謡の宝庫・東北地方を中心に、各地の民謡を紹介する本格的民謡番組。（１９７３年２月３日放送開始）◆１０代の若手を招いて、若々しい唄声を楽しむ。南部民謡を指導している手倉森勝利とその弟子３人そして仙台から三味線と唄を勉強する柴田雅人。曲目は森田今日子「南部追分」、柴田雅人「大漁唄い込み」、黒沢直美「南部荷方節」、上山真理佳「南部よされ節」、柴田雅人「塩竃甚句」、森田・黒沢・上方「南部餅つきの唄」。