静岡県内の港町を旅人・魁三太郎が訪ねる紀行シリーズの第６弾。ガイドブックには載らない人、味、風景を中心に、その土地の生活観や空気を紹介する。◆今回の下田編では、汲み上げた海水で塩を手作りしている民宿の主人、自分で釣った魚をカラーの魚拓にしている魚拓画家、伊豆の写真を撮り続ける写真家、下田の町を美しく守る建築家、風待ち港の船乗りたちのために長年バーを開いている女性、三宅島の噴火で下田に避難して生活している漁師一家などを訪ねる。

相馬野馬追（のまおい）を５０年以上にわたって支えてきた一人の獣医の姿を追うドキュメンタリー。◆東北の夏祭りを代表する相馬野馬追。毎年６００頭の馬が出て神旗争奪戦を繰り広げる。馬専門の獣医・鹿山さんは長年この祭りを支えてきた。祭りの準備から７月の本番までの４ヶ月間、騎馬武者と共に馬を世話し、当日は暑さで倒れる馬やケガをした馬を次々と治療する。野馬追の古い格式と伝統を受け継ぐ人たちとの絆を深めながら診療を続ける獣医の生き様を紹介する。

北海道・知床の原野で生きる数多くのヒグマ。１歳の雄の子グマに「カムイ」と名づけ、その１年間の成長を追いながら、知床の自然のなかで育まれた独特のヒグマの社会、命のつながりを描く。◆ダケカンバやミズナラが織り成す原生林に棲息するヒグマの数は推定２００頭。子グマは普通２歳で親離れするため、カムイの２度目の夏は自立に向けてエサの取り方、他のヒグマとの接し方などの教育が始まる。森に暮らすヒグマだが、夏には北洋から帰ってきたカラフトマスを食べ、厳しい冬の前には荒れる海岸に打ち上げられたクジラに群がる。ヒグマの生命は森だけでなく、海にも支えられている。

万葉集の歌にちなんだ奈良県内各地を本上まなみが散策するミニ番組。◆この回は奈良県吉野町の吉野山を訪ねる。『み吉野の　玉松が枝は　愛しきかも　君が御言を　待ちて通はく』　額田王

全国的に知られた観光スポットだけでなく、日常生活の中にある信州の風土や文化を紹介する。◆今回は、雪解けから新緑に向かう春の上高地の様子を伝える。

熊本県内９４市町村の美しい風景や次の時代に残すべき文化財を、それにまつわるさまざまな情報とともに紹介する。◆今回は、キリシタン殉教の歴史を内に秘めた海の町・本渡市の風景を紹介する。

加賀万歳を探訪する。◆昔、中国から踏歌が入り、地万歳となった。それを前田利家が石川に持ち込み、１８００年ごろ能楽師大石藤五郎が発展させて、加賀万歳ができた。太夫と才蔵の二人組が基本で、前田家の剣梅鉢の紋をつけ、屋敷の中で演じ、動きがゆったりして格調の高いのが特長という。◆正月の朝、加賀万歳保存会が県知事公舎、市長宅などで演じるのを追う。後継者の不在が悩みの種。福井県の越前万歳は、中学校で部活動として取り組まれている。

ＪＮＮ九州沖縄７局の合同企画シリーズ。九州沖縄地方の豊かな自然や古来からの歴史、多彩な文化など、かけがえのない郷土の遺産を後世に伝える。１９９７年から２００２年まで全３５本を放送。◆民俗行事において仮面の宝庫といわれる南九州。とりわけ琉球文化と薩摩文化の間にある奄美群島やトカラ列島の小さな島々では、黒潮に乗って世界各地から漂着したと思われる不可解で異形の仮面神が数多くの民俗行事に登場する。巨大な武士面が見られる与論島の「十五夜踊り」、素朴な紙の面で野外劇を行う加計呂麻島の「諸鈍シバヤ」に奄美油井の「豊年踊り」。そして全国に知られる悪石島の奇怪な面「ボゼ」。どれも連綿として守り継がれ文化遺産としての価値の高い仮面神。それぞれ独自の様相を見せる仮面神を通して、島々が周囲の文化圏の漂着地帯となったことを浮き彫りにする。