東京・八王子市にある公団分譲マンション。４２棟ある建物の内、半分以上が工事用のブルーシートに覆われている。２００３年６月に欠陥工事が大きく報じられ、建て替え中なのだ。長い取材交渉の結果、１つの管理組合が欠陥の事実を正確に伝えることを条件に取材に応じた。◆１０年以上雨漏りに苦しんだ住人はその様子をビデオに記録していた。バブル最盛期の１９９０年（平成２）に、最高倍率５００倍以上の難関を突破して購入したが、今も月々のローン返済が残ったままだ。２００１年、１０年目の大規模修繕工事により大量の外壁のひび割れが発見され、そこから欠陥調査工事に切り替わった。広範囲の欠陥は国会でも議論され、住人の強い要求に、公団も当初の補修工事を取り下げ、建て替え工事に踏み切る。住民たちの悲痛な思いを取材した。

説教好きで、おせっかいで、ウソもつくけど憎めない、超マイペースなおじいちゃん、“ジイジ”こと片岡英吉。同居する片岡家の家族たちは勝手気ままなジイジに振り回されながらも、英吉の体当たりの行動や実直なやさしさに教わり、様々な困難を乗り越えていく。作：野依美幸。（第１シリーズ／２００４年８月１６日～９月６日放送、全４回）◆第１回「お世話になります」。片岡英吉（西田敏行）は、親子の縁を切ったまま、３年前にひとり息子に先立たれ、福島でひとり暮らしをしていた。その英吉が、ある日突然、その息子の家に現れる。息子の妻・夏子（古手川祐子）は「泊まってください」というが、３人の子どもは猛反対。英吉は死んだ息子の家族と一緒に暮らしたかったのだ。そして英吉は末っ子の翔（小杉彩人）が学校でイジメられていることを知り、息子の思い出話をし始める。

伊勢湾周辺を題材に、自然環境に積極的に関わっている人たちをドキュメントする５回シリーズ。番組ナビゲーターは渡辺徹。（２００４年７月１９日～２００５年３月２１日）◆２００４年に世界遺産に登録された熊野。その小さな集落に拠点をおく音楽家の矢吹紫帆さんは、地元の人々の交流や自然からのインスピレーションに支えられて音楽活動を続けている。夫妻で施工まで手伝って作った音楽ホール「天女座」で、住民参加の芝居「鬼牙城伝説」が上演されるまでを追う。

長野県を代表する河川・千曲川。流域に豊かな恵みを与える一方、ひとたび洪水となれば大きな被害をもたらしてきた。川と人の生活の関わりを歴史から辿り、治水・利水の両面から見直すシリーズ。（全８回）◆第７回は、長野県立博物館に残る明治２６年の測量図を、空撮やＣＧを駆使して現在の地図と重ね合わせ、大きく変化を遂げた社会・経済の様子を比較する。かつては水害常襲地だった土地に人が暮らせるようになり、水田や桑畑だった場所は果樹園や市街地に姿を変えた。洪水の被害を避けようと重ねられてきた先人の努力、治水事業の歴史をたどる。

広島に原爆が投下されて２ヵ月、焦土の風景と苦しむ被爆者が日本人の手によって撮影された。現存する未編集フィルムに写された映像と現在の場所を対比し、広島の歴史とともに風化しつつある被爆の実相を伝える。

１９歳の専門学校生・千鶴（仲程仁美）は、ギター＆ボーカル担当としてロックバンドでのプロデビューを夢見ていたが、悪徳詐欺師に騙され、挫折して怠惰な日々を送っていた。しかし借金を背負わされ、キワモノのメンバーを集めて、バンドコンテストに出場しなければならなくなる。仕方なく再開したバンド活動だったが、新しい仲間たちとの友情、ギクシャクしていた父娘関係の修復などを経て、千鶴は夢に向けて新たな一歩を踏み出していく。

“警視庁一の変人”と言われている杉下右京と、お人好しで熱血漢の亀山薫。この凸凹コンビが事件の謎を解いていく。２時間ドラマシリーズの人気を受け、連続ドラマ化した第３シリーズ。（第３シリーズは２００５年３月２３日終了、全１９回）◆麹町東署捜査一課に転属になり、現場復帰を喜ぶ薫だが、同棲相手の美和子はひそかに院内紙の記者・鹿手袋と付き合い始めていた。そんな折、首相補佐官の遺体が発見され、つづいて鹿手袋が刺されて重傷を負う事件が起きる。

２０００年７月、東京地方裁判所で「戦後移民史上最悪のケース」といわれる日本のドミニカ移民政策について、司法判断が下された。祖国を訴えた人々の証言と外交記録を検証しながら、原告たちの思い、国が行った移民政策について考える。◆「カリブの楽園で農地を無償配分」。この日本政府の言葉を信じ、半世紀前に夢と希望を抱いてドミニカに移住した１３００人の日本人。しかし彼らを待ち受けていたのは苦難の日々だった。土地の面積は約束の３分の１、しかもほとんどは砂漠や岩だらけの耕作不適地。さらに当時のドミニカは独裁政権下にあり、半強制的に収用した土地も多かったため、移民を見る現地の目は冷たく、政権崩壊時には略奪の対象となった。