野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、キツネの親子と馬方の知恵比べの物語の第３回。（全１４回）

右後ろ足のないアオウミガメ・ジェーンが今年も産卵に訪れた屋久島。３本の足で苦労して穴を掘り、産卵したジェーンの子ガメたちが海に旅立つまでを、島の状況を織り込みながら描く。◆屋久島は北太平洋最大のウミガメの産卵地だが、９９パーセントがアカウミガメで、アオウミガメはほとんど来ない。ウミガメ保護監視員の大牟田さんは、屋久島は危機に直面していると語る。相次ぐ大型台風でえぐられる砂浜、流出する卵。ふ化した子ガメを襲うカラス。そして人間がもたらした、新たな脅威とは。

新車を購入し、故郷・高知を目指そうとしていた女性カメラマンは、ひょんなことから「人間カーナビ」と「式場から逃げ出してきた花嫁」を乗せることとなった。不思議な縁で出会った男女３人が東京から高知までをドライブするロードムービー。ＴＩＩＤＡ　ＰＲＥＳＥＮＴＳ。（２００４年１０月１８日～１０月２１日放送、全４回）◆最終夜「別れ道」。高知への道中、綾（小林聡美）、美香（市川実和子）、ナビオ（田辺誠一）の３人は、夕焼けのコスモス畑で記念撮影をしたり、星空の下で乾杯をし一緒にＵＦＯを呼んでみたりして、友情を深める。車は鳴門海峡大橋を渡り、四国八十八ヶ所巡りの巡礼の道に入った。たまたま止まったお寺のそばで、お遍路姿の男（ベンガル）に誕生日を言い当てられた美香は、「歩きなさい」と耳打ちされて驚く。やがて、車は山間の田舎道を抜けて、海が近い綾の実家に到着した。久しぶりの故郷・高知。迎える母（由紀さおり）の思わぬ態度に、何となく実家を避けてきた綾はある決心をする。３年も口を利いていない妹・由美（酒井若菜）との心の距離を縮めるために綾が取った行動とは…。

福井県の西部に位置する越前町・織田に、１９９０年（平成２）に誕生した「Ｏ・ＴＡ・Ｉ・ＫＯ響」。全国から太鼓奏者を招いて盛大に行われている祭りに密着。祭りとともに誕生した地元の太鼓集団の祭りにかける熱い思い、ボランティアスタッフや実行委員の奮闘ぶりや、番組後半では２００４年の祭りに招かれた太鼓奏者の見事な演奏を紹介する。

再婚した妻の連れ子との関係に悩み、仕事に逃げていた男が、同じような思いを抱く女と出会って自分を見つめ直すまでを、山岳救助の厳しさをからめて描く。◆山岳警備隊の水越（杉本哲太）は、心を開かない妻の連れ子・雄太のことで悩んでいた。ギクシャクした家庭を避けるように任務に没頭していたある日、幼い女の子が遭難したと連絡が入る。捜索隊からはずされた水越は、女の子の母親・葉子（寺島しのぶ）の事情聴取をまかされた。非常識な言動をとる葉子に、水越はきつい物言いをしてしまう。一方、何の痕跡も発見できない捜索隊は狂言を疑いはじめる。葉子があっさりと狂言を認めて捜索は打ち切りになったが、子供用のハンカチを落としたことから子供は本当にいたことが判明し、あらためて捜索が開始される。捜査に協力しようとしない葉子の態度に、水越は子どもの存在を否定したいという暗い思いを感じ取った。

２００４年、瀬戸内地方を７つの台風が次々に襲った。沿岸各地を未曽有の高潮が襲い、山肌に建てられた民家は土石流に流された。沈んだ街で、濁流に呑まれた住宅で、失われた２７人もの尊い命。災害が少ないと言われるこの地方、人々の心の守りはあまり堅くなかった。防災体制はどうなっていたのか。人々はなぜ避難勧告に従わなかったのか。行政はその時なにをしていたのか。「災」の文字をあてられた２００４年の防災を、改めて検証する。

血のつながらない他人なのに、親子や兄弟よりも人生の長い時間を共に過ごす不思議な関係、それが『夫婦』。その『夫婦』の実像をリアルかつコミカルに描いていく。脚本：遊川和彦。（２００４年１０月１０日～１２月１９日放送、全１１回）◆第１回。山口太一（田村正和）は自らテレビショッピングにも出演する通販会社の社長。専業主婦の妻・華（黒木瞳）や２５歳になる長女・菜穂（加藤あい）、２２歳の息子・順（塚本高史）と幸せな家庭生活を送っている。菜穂には結婚したいと思っている相手がいたが、太一には言い出せない。結局、華から伝えると、太一は仕事が手につかなくなり、もっとも信頼する部下・元木慎吾（大森南朋）に調べるよう命じる。さらに既に結婚式場まで予約してあると知った太一は式場をキャンセルに向かうが、式場の担当者・待田幸子（羽田美智子）を見て驚く。

聴力を失って「人工内耳」の手術を受けたものの、以前との違いに神経を尖らせていた女性が、鳥の声をきっかけに新たな音の世界に耳を傾け始めるまでを描く。◆突然の中途失聴で、手話もできずに落ち込んでいた今さんは、弘前大学で８人目となる人工内耳の手術を受けて聴こえをとりもどした。しかし家族以外との会話はいつも緊張し、聴こえにくい自宅の電話を取り外してしまった。そんなある日、彼女は庭に巣を作った鳥の声に気づく。以前は気にもかけなかったものが、人工内耳のおかげで聴こえてきたのだ。