集団暴行で娘を亡くした両親が、加害者と会って話をしたいと願い、闘いつづけた１５００日を追う。◆二十歳の女性が、男女８人から６日間にわたって暴行を受け、死亡した。加害者には刑事裁判で実刑判決が言い渡されたが、なぜあれほど激しい暴力を加え続けたのか、両親にはどうしても納得できなかった。「加害者と話がしたい」。そのために民事裁判を起こし、和解協議の名目で主犯格の女との面会にこぎつける。

「手遅れだ」と患者を脅すが人情溢れる蘭方医・順庵が、裏の顔で“手遅れ”の悪人に立ち向かう。藤田まことの最後の主演連続時代劇となった。（１２月１２日終了、全９回）◆深川で診療所を開いている河合順庵は、長崎帰りで腕は確かだがぶっきらぼう、「もう手遅れだ」が口癖。しかし患者には人気があり、診療所はいつも賑わっている。ある夜、勘次というバクチ打ちの遺体検分を頼まれた順庵は、自害に見せかけた殺しだと断定した。翌日、疲労から心臓を悪くしたおしんという女が診療所にやってきた。亭主の政五郎が三月ほど前から行方知れずになり、近所ではおしんに男ができて亭主を殺したのではと噂になっているというのだ。どうやらその心労から体を壊したらしい。

秋田犬（あきたいぬ）に魅せられて繁殖に取り組んでいる夫婦の暮らしを通して、動物と共に生きることについて考える。◆ペットブームと言われるが、住宅事情もあって小型犬に人気が集まる中、大型になる秋田犬のペットとしての人気は低い。しかし、忠犬と名高いハチ公も秋田県大館市生まれの秋田犬。大館市に住む武田さんは、正統な秋田犬を後世に残したいと強く願い、全国の秋田犬ファンに犬を譲っている。

がんの治療を続けながら教壇に立ち、全国各地へ講演に赴いて北海道農業の可能性を育て続けた「野菜博士」こと相馬暁さん（２００５年３月１０日死去、６３歳）の日々を追ったドキュメンタリー。◆有機農法、減農薬農業を提唱し続けた相馬さんのがんが判明したのは２００３年７月。自らが中心となって設立した短大の新規就農コースの教え子が巣立つまでは、と治療を受けつつ教壇に立ち、就農希望者を支援する奨学金制度の設立に奔走した。卒業生に証書を手渡す夢は叶わなかったが、その思いは確かに受け継がれている。

世界自然遺産に登録された知床半島に魅せられた絵本作家・関屋敏隆さんの創作活動を追いながら、知床の真髄に迫る。◆この時代を生きた証として残しておきたいと語る、絵本作家・関谷敏隆さんは、６０歳の節目の年に一年がかりで知床に通う。完成した絵本のタイトルは「楽園」。知床を愛した森繁久弥さんが口ずさむ「知床旅情」。知床を歌い続けるシャンソン歌手・加藤登紀子さんが語る、奇跡のような命のつながり。美しい自然、豊かな恵み、人々の暮らし、そして明るい未来。新しい絵本を作るためのアクティブな活動をはじめた関屋さんの情熱と、絵本に込められた未来への熱いメッセージを伝える。

２００４年９月２９日、台風２１号による土石流で仕事も家も一瞬にして失った男性。復興に向けた戦いが始まった。◆ワサビ栽培とアマゴの養殖を営んでいた西要司さん（当時６４歳）は、１５あった養殖池とワサビ田のすべてを土砂に飲み込まれた。鉄筋２階建ての作業場の１階も土砂に埋まり、ようやく戻った集落では自宅も土砂に押し流されていた。半壊で済んだ父の家に夫婦で身を寄せ、周りの人たちと力を合わせて生活再建に取り組み始める。

広島に原爆が投下されて２ヵ月、焦土の風景と苦しむ被爆者が日本人の手によって撮影された。現存する未編集フィルムに写された映像と現在の場所を対比し、広島の歴史とともに風化しつつある被爆の実相を伝える。

長野市と山ノ内町湯田中、屋代と須坂を結んで走る長野電鉄。鉄道大好きの上小牧忠道アナウンサーが、この長野電鉄に乗って初夏の小さな旅を楽しむ。◆長野と湯田中を結ぶ長野線では桐原駅や村山駅、須坂駅、信州中野駅で途中下車。乗降客とのコミュニケーションを大事にしたいという須坂駅の心意気や、それぞれの駅周辺の人々と触れ合う。屋代と須坂を結ぶ、かつての河東線、現在の屋代線は大正１１年の開業。レトロな雰囲気を存分に残す駅舎や機器類に、上小牧アナは大喜び。他にも「得！得！きっぷ」を使って小布施の観光を楽しむプランや、運転歴２６年のベテラン運転士の仕事ぶりを紹介する。長野駅から善光寺下駅までの区間は県内唯一の地下鉄区間だが、昭和４０年代の地下鉄化される前の貴重な映像も紹介。