農薬公害が叫ばれて久しい。しかし、農薬を使わなければ農業生産は激減し、農民の生活が成り立たないという矛盾にぶつかる。はたして農薬を使わない農業が可能なのだろうか。番組では、化学肥料を使わない有機農法による米づくりに取り組んでいる奈良県五條市の井上秀信さんの、田植えから刈り入れまでの１年間を長期取材し、化学肥料と農薬に依存する近代化農業との比較の中で、この問題を考える。

旗本寄合席・内藤勘解由により秘かに集められた隠密同心。「死して屍ひろう者なし」といわれる江戸時代版秘密警察の人知れぬ活動を描く。杉良太郎主演で始まり、里見浩太郎、松方弘樹へと引き継がれた人気番組。◆第３シリーズの第１回「江戸の灯をたやすな！」。隠密同心は十文字小弥太（杉良太郎）、井坂十蔵（瑳川哲朗）、夕霧（古城都）、不知火お吉（江崎英子）、そして内藤勘解由（中村竹彌）。

薩摩藩士の娘に生まれたヒロイン・ふじが、西南の役をきっかけに波乱の人生を歩んだ後、教育に情熱を注ぎ、私塾を開くまでを描く。作：横光晃。（１９７３年４月２日〜９月２８日放送、全１５６回）◆第１回。明治９年春。１８歳の神山ふじ（小林亜紀子）は、勉学のために故郷・鹿児島を離れ、東京にいる兄たちのもとへ旅立つ。

大八郎と鶴富姫の悲恋伝説を追って、平家滅亡の地・壇ノ浦から落人伝説の地・宮崎県東臼杵郡椎葉村までを辿り、各地にその名残を訪ねる。◆寿永４年（１１８５）の壇ノ浦の戦いの後、日本各地に百を超す「平家落人伝説の地」が生まれた。しかし「鶴富姫物語」は、ひえつき節やひえつき人形が観光ＰＲで親しまれているわりには、宮崎県外はもちろん県内でも知る人が少ない。村の人もあまり近づかない向山の「御池」や、ふもとの里で行なわれている「オブシャ（御武者）」という珍しい平家の氏神様祭りなどは、この番組で初めて撮影された。

北米ロッキー山脈のふもとに生息する山ネズミ（ウッドチャック）の生態を描いた動物文学のアニメ化。主人公ロッキーは、生まれて間もなく両親のもとをはなれ、様々な動物たちの棲む“みどりが森”で、色々な体験をする。ロッキーのほか、同じく山ネズミのポリー、カケスのサミー、シマリスのチャタラーなどが登場。カルピスまんが劇場。原作：ソーントン・バージェス「動物ものがたり」より。（１９７３年１月７日～１２月３０日放送、全５２回）◆第１話「緑が森に春がきた」。

信念を貫く人々の姿や、人間の可能性と限界を探る異色のドキュメントシリーズ。（１９７２年１０月７日～１９７５年３月２９日放送）◆青森県北津軽郡金木町にある川蔵地蔵講は、毎年旧暦の６月２３日に行われる。地元、近郊はもとより、東北一帯からも多くの信者が、お参りに集まる。この川蔵の祭りには、毎年３０人近いイタコがやってきて、本堂の裏で口よせを行う。口よせとは、客の求めに応じて死者を呼びだし、その言葉を伝えることである。

語り手自らが名作文学ゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人々に直接ふれることで、その作品世界を再認識してもらおうという文学紀行番組。第１集～４集まで制作・放送された。（第１集／１９７３年１月１１日～４月５日放送、全１３回）◆今回は女優・日色ともゑが、石川啄木の「一握の砂」（１９１０年）ゆかりの地を訪ねる。函館にある啄木の墓の前では、妻せつ子の弟が、啄木に振り回された家族のことを日色に語る。渋民では、啄木が教鞭をとっていた小学校の元生徒へのインタビューから、啄木の教えが、彼が故郷を追われた後も根付いていることを知る。彼の短く幸薄い人生の中で生まれた作品の数々が、故郷にその根をもつことに気づかされる。

人間の長い歴史の中で、太陽と人間のかかわりは、宗教の対象、生産活動のリズムの決定、季節・時間の観念、エネルギーの利用、さらには世界観の形成などに重要な役割を果たしてきた。これは人間と太陽との深いかかわりを世界各地で取材した６回連続シリーズである。（１９７４年１月１６日終了）◆第１回は「黒い太陽」