俳人小林一茶（１７６３〜１８２７）の故郷長野県信濃町柏原をはじめ、東京・本所、千葉県富津、茨木の守谷などゆかりの土地を訪ね、一茶の句の魅力、芭蕉と一茶の生き方の違いを考える。◆６４歳で世を去った一茶の死から１６０年たった今、呼吸をするように庶民の哀歓をうたった一茶の句とその生き方が再び注目を集めている。ゆかりの地をめぐることで時代ごとに一茶の心情を探る。

東京と大阪の間にはさまれ、地域性などから「大いなる田舎」といわれる名古屋だが、遷都論なども巻き起こり、可能性も見直されているという。ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーをミックスした「ドラエティ」という新しい手法により名古屋の将来を楽しく考える。

地元山形の人たちにとって“元服の山”といわれる羽黒山を、医師でエッセイストの斎藤茂太さんが訪れる。◆羽黒山山頂に延びる長く険しい参道をたどると、やがて国宝・五重塔の前に出る。塔の由来は定かではない。６００年ほど前、南北朝時代の朝時代の動乱期・応安年間の建立とされている。しかし、だれがどのような願いを込めて建てたものなのか、今となっては知る由もない。◆斎藤さんは１５歳の元服の年、父である歌人・斎藤茂吉に伴われて初めて羽黒山を訪れた。茂吉も、その親も代々元服の年に羽黒山に詣でてきた。「時代が変わっても、元服という節目にこの山に詣でる風習は永久に残したい」という。

１８６４（元治１）年、幕府の命をうけエジプト経由でヨーロッパへ向かった３４人の侍、第２回遣欧使節団の足跡をドラマで再現。荻昌弘と原作「維新前夜」の著者鈴木明両氏の対談と当時の史料などで綴る。（６月５日開始、全２回）◆アジアの現状を見つつエジプトからヨーロッパ入りした彼らの足跡を追ってフランス・マルセイユへ。近代的な町並みに驚嘆している日記、一行を大歓迎する様子を報道した英・仏の新聞を紹介。パリはナポレオン３世による都市改造のただなかにあった。横浜閉港の外交交渉は難航、会議は７回に及んだ。フランス外務省に保存されていた会議録をもとに、ヨーロッパの実力に触れた彼らが日本の針路を模索する様子を再現する。

人妻に誘われて入ったラブホテルで火事にあったことから始まる不運の連続。男のおかしくも悲しい奮闘を描く。原作：筒井康隆。◆菊夫（明石家さんま）が人妻・華子（浅丘ルリ子）に誘われ、入ったラブホテルが火事を出す。服を着る暇もなく裸同然で、会社の輸入品である高価な唐三彩の置物の箱を抱えてとび出した菊夫。人の白い目に耐えながら何とか戻ろうとするが、車にはねられて置物が壊れたため、会社をクビになってしまう。それどころか弁償を命じられ、ローンでやっと建てた家を守るために、菊夫はひたすら奔走する。

熊本県内各地で歌い継がれる「ふるさとのうた」を紹介するシリーズ（１９８８年４月３日～１９８９年３月１９日放送、全５０回）。『肥後シリーズ』は１９８６年日本民間放送連盟賞（放送活動部門）受賞。◆海を大地に変えた先人たち。彼らが生んだ干拓工事の唄「潟担い節（がたにないぶし）」。唄はそのまま玉名郡横島の干拓の譜として土地で歌い継がれ、唄に込められた干拓精神は今も人々の中に息づいている。

熊本県内各地で歌い継がれる「ふるさとのうた」を紹介するシリーズ（１９８８年４月３日～１９８９年３月１９日放送、全５０回）。『肥後シリーズ』は１９８６年日本民間放送連盟賞（放送活動部門）受賞。◆かつて阿蘇外輪山の原野では、７月初旬になると牛や馬の飼料となる夏草の刈り取りが行われていた。農家の人たちがその作業の手を休め、歌ったのが「朝草切り唄」である。唄を歌い伝える阿蘇町的石の里人の心に触れる。

仁和寺の門前に窯を開いていた仁清の作品をたずねて、詩人の宗左近さんが金沢、京都、熱海を訪れる。◆京都・仁和寺。江戸初期、野々村仁清の窯はこの寺の門前にあった。宮廷の手厚い庇護によって門前に窯を開くことができた仁清はもとの名を清右衛門といい、さらに仁和寺の庇護を受け、寺の一字をもらい仁清と称するようになった。◆「同じ仁清がもう一度作ってもあれほどのものはできないでしょう」。色絵の陶芸家として仁清に大きな影響を受けた中村梅山さんが、その模写に挑戦したこともある「色絵雉香炉」について語る。宗さんも「実に柔軟さの極みの完璧さですね」と、その見事さに感嘆する。