麻酔薬の研究に打ち込む華岡青洲に、争うように身をささげて尽くす妻・加恵と母・於継。いつの世も変わらぬ嫁姑の関係を描く。（１月２１日～３月４日放送、全６回）◆於継の加恵への厳しさは増す一方だった。夜も夫と寝所をともにすることができず、於継と布団を並べる加恵。ある日、於継に申し渡されてようやく夫婦で最初の夜を過ごしたが、於継が加恵を見る目にはさらに憎悪が加わるのだった。青洲の研究が本格化し、過酷な実験が日々繰り返される中、加恵は懐妊したことに気づく。

自閉症の子をもつ記者が「もっと自閉症のことを知ってほしい」と、軽度の自閉症を持ちながら社会で働く青年、重度の息子と懸命に生きる母親、そして自らの家族を取材した。親ともうまくは意思疎通できないが、ゆっくりと成長していく子供たちの姿を紹介する。◆「自閉症」という名称のために「引っ込み思案」「引きこもり」と混同されやすいが、先天的な脳の機能障害で、新生児１００人に１人以上生まれてくる。外見では障害の存在がわかりにくいため「しつけがなっていない」という誤解を受けて苦しむ親は後を絶たない。人とのコミュニケーションに障害があるため、学校でいじめの対象になることも多いという。

被爆してから１０年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さん。死の直前まで回復を願って鶴を折り続けたサダコの物語は、原爆の悲劇の象徴として世界中で知られている。◆しかし、禎子さんの身近にいた人たちは多くを語っていなかった。禎子の兄、雅弘さんは家族だけが知る妹の苦しみを語り始めた。また、担任の教師は自分の記憶に残る禎子のことを少しずつ伝えようとしている。そして、同級生の一人は自分だけが生き残ったという負い目を乗り越え、語り部として級友の悲劇を伝えている。◆禎子さんの死から５０年。サダコの物語に新たな命を吹き込もうとする人々を見つめる。

ＳＢＣライブラリー保存の映像により、昭和３０年代からの信州の歴史、人々の暮しぶりを伝える。

ＮＨＫ連続テレビ小説第７１作「わかば」（２００４年９月２７日～２００５年３月２６日放送）の総集編。阪神・淡路大震災で父を失ったヒロイン・高原若葉が、造園家として悪戦苦闘しながらも、震災で傷ついた家族の心の「再生」を目指す姿を、若葉の母の故郷・宮崎と、復興していく神戸の街を舞台に描く。テーマは「街と家族の再生」。作：尾西兼一。（全４回）◆総集編・第２回。阪神淡路大震災のトラウマに悩み続けていた光（崎本大海）は、原点に戻ろうと家出して神戸に行く。座り込んで動けない弟・光を励まし、見守る若葉（原田夏希）だった。そんな折「最悪の出会い」を経て引き受けた仕事から、藤倉雅也（姜暢雄）との交際を深めていく。

日航機墜落事故に揺れる地元新聞記者たちの緊迫の一週間。錯綜する墜落現場の情報に、そして熾烈な報道合戦に翻弄される記者たちの姿を描く。原作：横山秀夫、脚本：大森寿美男。（２００５年１２月１０日～１２月１７日放送、全２回）◆前編。悠木（佐藤浩市）は群馬県の地方新聞社の遊軍記者。５年前、新人記者を死に追いやって以来、昇進を拒んできた。１９８５年８月１２日。販売局員の安西（赤井英和）と谷川岳に向かう予定だった悠木は、県警記者クラブに詰める佐山（大森南朋）から「ジャンボが消えた」という一報を受ける。直後、通信社からも乗客乗員５２４人を乗せた日航機が墜落したとの速報が入る。事実とすれば世界最大の単独航空機事故となる。現場は長野と群馬の県境。編集局長・粕谷（大和田伸也）から全権デスクに指名された悠木は、佐山たちを前線基地の上野村に向かわせる。

便利屋を営む稲葉氏と週３回の塾講師で食いつなぐ湯浅氏。ともに東大卒で３４歳の二人が、ＮＰＯを設立して新しい形のホームレス支援を始めた。路上生活者の保証人になり、アパートへの入居を支援する。その活動を追う。◆無事に入居した後も、トラブルになることは多い。二人は「自立は孤立の始まり」と言い、スタッフは手分けして安否の確認に歩き回る。活動に理解を得ようと、ホームレスの人を伴って高校や大学へ講演に出る。人と人とをつなぎあわせる、ＮＰＯの名は「もやい」。

東北と新潟の「ことば」にまつわる物語に深く入り込み、その魅力を発見する知的エンターテインメント番組。毎回１つの方言をピックアップし、地元局のアナウンサーがその歴史や使われ方をレポートする。案内役はコージー冨田。東北６県と新潟県でブロックネット。（２００５年４月２日放送開始）◆「べんじぇもの」とは、米粉を材料にしたダンゴ類の意味。語源には諸説あるが、岩手県盛岡市の周辺では江戸時代、オシャレなものを運んできた「弁財船」にあやかって、ダンゴ屋さんが「これは洒落たもの」という意味で呼んだ。瀬戸内海から発生した内航海運は、堺などを経て日本海を北上。津軽海峡を横切って当時の南部、伊達領にやってきた。その船が弁財船である。今の宮城県石巻市で荷を下ろし、次第に小さな船に荷を移し変えて北上川を上った。青森県・秋田県ではダンゴを「だんす」。新潟県の佐渡では、幼い子が「だんだん」という。